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疑問を解消!世界フィギュアスケート選手権のルールと採点方法

2018 1/25 13:57hiiragi
フィギュアスケートシューズ
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点数はショートプログラムとフリースケーティングの合計

世界フィギュアスケート選手権は、男子シングル、女子シングル、ペア、アイスダンスの4種目があり、それぞれの競技は規定要素(技)で構成されたショートプログラム(SP)と、許される要素を自由に構成して演技のできるフリースケーティング(FS)の2種類(アイスダンスはショートダンスとフリーダンス)を滑り、合計得点で順位を競う。
規定要素を演技するSPは各種目の予選的な位置づけになっており、各種目で規定されたFS滑走定員までに入らないとFSには進めない。

男子シングルの採点は技術点、演技構成点と減点に分けて行われる

男子シングルのSPは、ジャンプ、スピン、ステップを組み入れた7要素でプログラムを構成して、2分40秒±10秒以内で滑りきらなければならない。
FSは、4分30秒±10秒以内で、自由にプログラムを構成すればいいのだが、要素は最低13必要で、そのうち、ジャンプは最大8回、スピンは最大3回の規制がある。

採点は、技術点、演技構成点と減点に分けて行われ、技術点は各要素の持つ基礎点に、各選手の出来栄えで評価点が加えられる。演技構成点は・スケート技術・要素のつなぎ・演技力・振付け・曲の解釈に対してそれぞれ10点満点で与えられ、減点は演技時間の過不足や転倒などに与えられる。
また、後半のジャンプにはボーナスポイントとして、1.1倍の基礎点が与えられるようになっている。SPとFSでは同じ採点方法だが、技術点と演技構成点の得点を同じくらいにする目的で、演技構成点にはSPに1倍、FSには2倍の係数が掛けられる。

男子よりも少なくなる女子シングルの得点

女子シングルは、2分40秒±10秒のSPと4分±10秒のFSの合計点で競われる。
SPは、男子シングルと同じくジャンプ、スピン、ステップを組み入れた7要素で構成したプログラムを滑るのだが、FSの要素は12でよく、そのうちジャンプは7回まで、スピンは3回までと規制されている。
採点方法は男子シングルとほぼ同じだが、演技構成点に掛ける係数はSPで0.8倍、FSで1.6倍となっている。元々女子の演技時間は短く、技術要素が少ない上に係数も少ないので、男子よりは得点が少ない。

男女1組で独特の演技を見せるペア

ペアは男女1組になり、2分40秒±10秒のSPと4分30秒±10秒のFSを滑るのだが、SPはリフト、ジャンプ、スピン、ステップシークエンスを組み入れた7要素で構成したプログラムを滑り、FSは12要素をバランス良く組み入れたプログラムを演技する。
また、2人で演技するため、次のようなペア独特の要素が規定されている。


  • リフト:男性が腕をまっすぐ伸ばして女性を頭上に持ち上げる
  • ツイストリフト:男性が女性を頭上に高く投げて、女性を再び受け止める
  • デススパイラル:男性がコンパスの軸になり女性の片手を握り遠心力で氷の上に円を描く
  • スロージャンプ:女性のジャンプに合わせ男性が女性を手助けして投げる

ペアとも違いリズムが重視されるアイスダンス

アイスダンスは男女1組になり、2分50秒±10秒のショートダンスと4分±10秒のフリーダンスを滑るのだが、ショートダンスには要素以外にリズムが指定され、リズムに合わせて、ステップ、リフトなど5要素で構成されたプログラムを演技する。
2017-2018シーズンのリズムはラテンアメリカのリズムが指定された。


また、ペアと違い、1回転半以上のジャンプをしたり、男性が女性を頭の位置よりも上に持ち上げたり、男性の肩や背中に女性が座ったり、立ったりすることは禁止されている。
フリーダンスではリズムは自由に選択でき、スピンやリフトなど5要素を演技の中に組込んで、バランスの良い滑りを行う。4種目それぞれに違いはあるが、得点の高い演技は誰の目にも美しい。