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カザフスタンのフィギュアスケーター"デニス・テン"の功績とは

2016 10/19 19:05
デニス・テン
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Photo by Iurii Osadchi / Shutterstock.com

ジャンプが得意なデニス・テン選手を知りたいと思ったことはないだろうか? カザフスタン選手として初のメダリストとなった彼の功績を紹介する。

デニス・テンはカザフスタン初の五輪フィギュア銅メダリスト

2014年のソチ五輪は、羽生結弦選手が金メダルに輝いた印象が強く残っている方も多いだろう。銀メダルのパトリック・チャン選手との熾烈なメダル争いを繰り広げたが、この時銅メダルに輝いた選手はデニス・テン選手だったのだ。ショートプログラムでは9位とかなり出遅れたが、フリーでは高い技術点で3位に食い込み、総合で3位となった。
デニス・テン選手の銅メダルは、フィギュアスケート競技におけるカザフスタン初のメダルとなった。

2011年アジア大会で優勝し、デニス・テンは一躍注目

デニス・テン選手はカザフスタンのフィギュアスケート界において絶大な実力と人気を誇る。カザフスタンでは2015年度までに6度王者に輝き、スケート大使として競技の普及に努めている。2011年にカザフスタンで開かれた冬季アジア大会では金メダルとなり、同国内ではフィギュアの認知度は急速に高まった。
これによってカザフスタンではフィギュアスケート人口が爆発的に増加し、同国の政府の方針によって大規模な屋内リンクが次々と建設されている。フィギュアの競技人口の増加に貢献した英雄となった。

デニス・テン初の国際タイトルは2006年

カザフスタンにおけるフィギュアスケートの第一人者として名高いデニス・テン選手が、初めて国際タイトルを手にしたのは2006年度のシーズン。
スロベニアで開かれる国際大会「ドラゴン・トロフィー」でジュニア部門の金メダルとなり、同年もニース杯のノービスクラスで金メダルを獲得した。翌07年度シーズンにはドイツで開かれるNRW杯でもジュニア優勝。世界ジュニア選手権では16位に終わったものの、08年度シーズンはジュニアのグランプリファイナルに出場して4位になった。

2009年からシニア参戦したデニス・テン、最初は苦戦続き

デニス・テン選手が本格的にシニアに参戦をしたのは2009年度シーズンからだ。国内では2度目のカザフスタン王者となり、クロアチアで開催される国際大会「ゴールデンスピン」で優勝。グランプリシリーズでは中国杯(10位)、スケートカナダ(7位)に出場。カザフスタン代表として参戦したバンクーバー五輪では11位、世界選手権でも13位だった。10年度シーズンにおいても、NHK杯は最下位で世界選手権も自己最低の14位。シニアの壁に伸び悩む時期もあった。

4回転ジャンプを武器にデニス・テンは飛躍を遂げる

シニアの戦いに苦戦していたデニス・テン選手だが、翌11年度シーズンには浮上のきっかけをつかむ武器「4回転トウループ」をグランプリシリーズで初めて成功させた(スケートアメリカは回転不足、スケートカナダで成功)。このシーズンは2戦とも5位、世界選手権でも7位と自己最高位で終えた。
めきめきと頭角を現したテン選手は、13年度シーズンは右足首のケガに悩まされたものの、世界選手権では自己記録を大幅に更新する2位と躍進し、カザフスタン初のメダルを手にした。この勢いがソチ五輪での銅メダルにつながったのだ。

まとめ

20代にしてカザフスタンの英雄として活躍するデニス・テン選手。4回転ジャンプを武器に躍進のきっかけをつかみ、高度な技術力でソチ五輪銅メダルをつかむことができたのだ。ソチ後も四大陸選手権を制するなど、今後の活躍に期待できる世界のトップ選手だ。