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金妍児(キム・ヨナ)のフィギュアスケートにおける功績

2016 10/4 00:52
フィギュア
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Photo by Iurii Osadchi / Shutterstock.com

浅田真央と二強の一時代を築いた金妍児。彼女についてもっと詳しく知りたいと思わないだろうか? 韓国でフィギュアスケートブームを作り、良しにつけ悪しきにつけ、さまざまな話題に事欠かなかった金妍児の、フィギュアスケートにおける功績をまとめた。

金妍児(キム・ヨナ)はどんな選手だったか

スピード感あふれるスケーティングと、指先の微妙な動きと豊かな表情で、作品性のある演技を特徴としている。
派手なミスをしない精神力の強さも相まって、女子シングルではじめて200点台を獲得し、2010年バンクーバーオリンピックでマークした、ショートプログラムとフリースケーティングの総合得点は、当時歴代最高得点として、ギネス世界記録として登録された(そののち、ショートプログラムは浅田真央に、フリースケーティングはエフゲニア・メドベージェワに更新されている)。

金妍児(キム・ヨナ)の功績

浅田真央と二強時代を築いた金妍児のフィギュアスケート界においての功績は、金妍児が新採点方式に対しての正解の形を打ち出したことにより、その後のプログラムから、流れの中でジャンプをしてその後もスピードを衰えさせないといった、加点を稼いでいく演技が主流となったことだ。
さらには、演技構成点をとるための、シーズンを通しての完成度の高い演技の必要性が広まったこと、10代後半の、女性特有の身体の変化に対する対応の上手さと本番での勝負強さというものの重要性への理解度が高まったことが挙げられる。

金妍児(キム・ヨナ)の発言や抗議、競技外での活動など

エッジエラー判定への抗議、自身が2位であったことに対しての国際スケート連盟への提訴など、スポーツ選手としては珍しい量の発言や抗議が見受けられた。しかし現役時代から韓国のフィギュアスケートの発展や地位向上のために、後輩の強化や育成のための設備や環境づくり、賞金などの寄付、慈善活動などを積極的に行っている。2018年冬季オリンピック平昌招致委員会の広報大使も務め、招致決定に貢献した。

韓国で大人気の金妍児(キム・ヨナ)と、フィギュアスケートブーム

金妍児は韓国では、「フィギュアの妖精」「フィギュア・クイーン」「国民の妹」とよばれ、金妍児の活躍によって韓国でフィギュアスケートブームが起き、選手登録者数も増加した。ただし、残念なのは、金妍児に次ぐ才能をもった人が韓国で現れておらず、単発での人気になってしまいそうなところだ。
次世代の注目株としてあげられているのは、ユ・ヨンだが、平昌オリンピックでは出場加減年齢の15歳に届かないため、2022年の北京冬季オリンピックを目標としているなど、金妍児の活躍からはかなり離れた時期になるため、それまで韓国国内がフィギュア熱を保っていられるかどうかも、カギになりそうだ。

まとめ

フィギュアスケートの一時代を作った金妍児(キム・ヨナ)だが、表裏さまざまな声をきくことができる。どちらか一方に耳を傾けるのではなく、色々な方向から情報を仕入れることで、見えてくるものもあり楽しめる。