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意外と知らない!? キックボクシングの階級分けをチェック!

2017 7/10 10:01SOL
キックボクシング
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Photo by Africa Studio/Shutterstock.com

近年はボクササイズの浸透もあり、キックボクシング人口は緩やかに増加傾向にあります。 脚を使わないボクシングと比べると、歴史も浅く認知度が高いとは言えないところですが、競技としても熱を帯びつつあります。 本稿では、そんなキックボクシングの階級についてフォーカスします。

ボクシングと同じく主催団体により階級分けの定義がある

主催団体により細かな階級分けは異なりますが、ここでは国際キックボクシング連盟(International Kickboxing Federation)が定めるキックボクシングの階級分けを紹介します。
男子の場合は最軽量のアトム級(53.1kg以下)から最重量のスーパーヘビー級(97.8kg以上)までの17階級、女子の場合はストロー級(51.4kg以下)からミドル級(72.4kg-75kg)までの12階級に分かれています。
男女すべての階級に世界王座とランキングが設けられていますが、競技人口は増加傾向にありつつも、すべてのクラスで競技が成り立っているとは言えず、王座空位のままとなっている階級もしばしば見受けられます。

世界王座もルールにより4タイプに分類される

同じキックボクシングという格闘技ながら、競技タイプにより4つに分類されています。
長ズボンの着用が義務で、1ラウンド中に8発以上の蹴りを繰り出す必要があるポイント制の「フルコンタクトルール」、さらに下半身への蹴りも有効打とされる「インターナショナルルール」、肘打ちや膝蹴りも有効で首相撲も許可される「ムエタイルール」、膝蹴り・肘打ちが禁止された「散打ルール」の4タイプです。
流血を伴いやすいファイターの安全面を考慮して、国によりまたは競技団体により有効打の定義が異なること、禁止されている打撃があることも多く、そのルールは完全に同じとは限らないのです。

日本国内の場合のメジャールール

日本国内で幅広く開催されている試合のルールについて紹介します。
ボクシングと同じ3分1ラウンドで、かつては5ラウンド制で競技することもありましたが、今ではアマチュア戦からトッププロ同士が拳を交えるコンペティションまで、3ラウンド制で戦うことが主流となっています。
1ラウンドで3度のノックダウンを喫したらKO負け、相手をダウンさせて10カウントを奪うとKO勝ちとなります。3ジャッジによる採点方式を採用。また、ほとんどの団体でローキック、肘打ち、膝蹴りのいずれも許可されている場合が多いようです。

90年代、多くの日本人選手が世界を舞台に活躍した全盛期

格闘技にスポットが当たるようになった90年代、重量級ファイターの代表格といえば、やはり佐竹雅昭選手でしょう。空手家のイメージもありますが、キックボクシング界でも活躍しました。1993年、初代UKF世界ヘビー級王者に君臨。KICKやISKA(国際競技キックボクシング協会)など他団体でもキックボクシング世界王者に輝いています。
一方、軽量?ミドルクラスの代表格といえば、やはり魔裟斗選手をおいて語ることはできません。クールなルックスと「反逆のカリスマ」というキャッチフレーズで知られ、K-1の舞台で長く活躍。キックボクサーとしてはISKAオリエンタル世界ウェルター級王者を保持していました。

近年のキックボクシング界を引っ張るのは、”T-98”選手

前述の魔裟斗選手、小比類巻貴之選手、佐藤嘉洋選手、武田幸三選手などが活躍したかつてのK-1全盛期と比べると、テレビでキックボクシングの試合に触れる機会は少なくなっています。
近頃は、蘇我英樹選手、町田光選手など、ムエタイとキックボクシングの両方でタイトルを獲得する選手が増えていますが、今日の時点で最も多くの栄光を勝ち取っているのは”T-98”選手(本名は今村拓也選手)。
21歳で格闘技を始め、遅咲きながらもキックボクシングスタイルで成長を続けてきました。しかしながら、ムエタイを中心に活躍するミドル級ファイターで、日本人としては異例の6つのタイトルを獲得している最強クラスのキックボクサーです。

まとめ

競技団体により階級分けやルールも異なるキックボクシングの世界。伝統的に日本人選手は軽量?中量級で幅広く活躍してきました。近年は女性ファイターの進出も顕著で、国内で”J-GIRLS”というコンペティションが定期開催されています。ムエタイと共存しながら発展を続けるキックボクシングの奥深い世界、ぜひもう一歩先を知ってみてはいかがでしょう?