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ボクシングを取り仕切るレフェリーを紹介

2016 12/9 21:03
ボクシング
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Photo by Lilyana Vynogradova / Shutterstock.com

ボクシングの試合中にリングに上がれるのは、ボクサー2人とレフェリー1人のみだ。レフェリーにはどうやってなれるのか、やりがいや大変な所はどんなことなのかを過去の事例を交えながら紹介していく。

ボクシングのレフェリーの概要

ボクシングのレフェリーは、リングに上がり試合の権限を持つ。試合の主審の立場となる。
試合開始の合図から選手のノックダウンやバッティング、反則行為等が行われていないかを常に見ており、瞬時に判断する。
選手がダウンした時は、レフェリーがカウントを数える。カウント中に選手が立ち上がったらファイティングポーズが取れるか確認し、試合続行の判別を下す。レフェリーの判断で片方の選手のダメージやケガが深刻で試合続行が厳しいと判断した時に試合をストップして勝敗が決まる、レフェリーストップというルールもある。
不慮のバッティングが起きた場合は、レフェリーが一時中断し選手の回復を待ち、試合を再開させる。反則行為が行われた時は減点し、数回に渡り行われた場合は失格の判断を下す。
ジャッジは、リング下で各ラウンドの採点を下す。リング内で起こっている事は一切関与しない。最終ラウンドまで戦い終えて決着が付かなかった時にジャッジの採点合計点で勝敗が決まる。試合の副審の立場となる。

レフェリーの資格

プロボクシングのレフェリーの資格は、各コミッションの認定によるものだ。認定を受けることでレフェリーとして活動する事ができる。
プロでははっきりとしたレフェリーの資格がなく、アマチュアからの試験を経て資格を取り、試合をこなすことにより声がかかるというケースが多いようだ。
また世界の団体(WBA・WBC・WBO・IBF)やその他の団体(OPBF等)の認定により、世界王座戦やその他の王座戦でのレフェリーも可能となる。
日本では、日本ボクシングコミッション(JBC)の規定により決められており、25歳以上を対象として欠員等が出た場合のみ、募集を掛けて試験を実施する。試験合格後は、訓練期間(約半年?1年)を経てレフェリーの資格を得る事が出来る。レフェリーは、能力や経歴によってA、B、Cの3クラスに分かれており、A級は全ての試合、B級は6回戦まで、C級は4回戦までを審判することができる。

レフェリーのやりがいとは?

レフェリーの一番のやりがいは、ボクシングの名勝負を裁くことができることだ。名勝負の陰に名レフェリーありと言っても過言ではない。試合は好試合であればある程、試合の判断をいかに瞬時に公正にジャッジ出来るかが重要となってくる。折角の名勝負なのにレフェリーが誤審してしまったら台無しになってしまう。
また、試合の主役はリングに立つ2人の選手達だ。その選手よりレフェリーが目立たない事も重要な役割だ。
ボクシングの世界では、数多くの試合をこなして認められれば重要な試合や世界戦も任されるようになる。
レフェリーにとって名勝負と呼ばれる試合のリングに立ったという実績は、大きな誇りとなる。

レフェリーの大変さとは?

プロボクシングのレフェリーの大変さは、報酬が非常に少ないという事だ。
レフェリーの報酬は、プロボクシングの興行を主催するプロモーターがコミッションに払う公式戦認定料の中から支払われる。その額は興行にもよるが微々たるものだ。そのためレフェリーは副業としている例が多く、会社員などの本業を持ち務めるのが一般的だ。
また試合中のジャッジで何より辛い出来事は、ミスジャッジだ。一つのミスが試合を台無しにしてしまう可能性を持っているのだ。やりがいもある反面非常にシビアで責任のある仕事だ。

レフェリーの過去の事例

レフェリーの判定を不服として過去にこんなニュースもあったようだ。こういう危険なリスクがあるのもレフェリーの仕事の大変な所の一つだ。

昨年10月17日から26日にかけて行われた欧州ユース選手権で、とんでもないことが起きた。レフェリーストップで負けたクロアチアの選手が試合後に敗戦に腹を立て、レフェリーを殴り倒して“ノックアウト”にした。

出典: 産経ニュース

まとめ

いかがだっただろうか。 普段は、選手達の陰で活躍するレフェリーだが世界王座戦等の名勝負を裁くまでになるには相当の苦労があるようだ。 しかし名勝負はレフェリーなくしては成立し得ない。また世紀の試合に一番間近で立ち会えるのもレフェリーの特権だ。 ボクシング観戦する時は選手のみに注目しがちだが、今後はレフェリーの活躍も注目してほしい。