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ボクシングのオリンピック出場資格とは

2016 10/27 18:11
ボクシング オリンピック 写真
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Photo by katatonia82 / Shutterstock.com

2012年のロンドンオリンピックで、44年ぶりに金メダルと銅メダルを獲得したボクシング。オリンピックでメダルを取ることはもちろん大変ですが、出場資格を得るのも大変なようです。ボクシング競技でオリンピックに出場するにはどうしたらいいのでしょうか。

出場資格を得るには

オリンピックへの出場資格を得るには、アマチュアの大会で好成績を収める必要があります。
選考大会になっているのは5大会で、【世界ボクシング選手権】【ワールド・シリーズ・オブ・ボクシング】【アジア・オセアニア予選(5大陸予選)】【世界予選】【世界最終予選】です。
これらにおいて、大会ごとに異なるものの、1~5位に入賞した選手に、オリンピックへの出場資格が与えられます。また、開催国は全ての階級に1人出場させることができます。

ライト級成松大介の出場資格は

ライト級でオリンピック出場を決めた成松大介。172cm、60kg、東京農業大学から自衛隊体育学校に入隊し、オリンピック出場を目指してきました。
彼の出場資格は、今年3月23日~4月3日に中国で開かれた【アジア・オセアニア予選(5大陸予選)】において、3位に入賞したものです。わずか12日間、中1日で計4試合も行うハードな大会で3位決定戦を乗り越え、リオデジャネイロオリンピックのボクシング代表1番乗りを果たしたのです。

バンタム級森坂嵐の出場資格

身長176cm、体重56kgの森坂嵐は、ボクシングの名門東京農業大学の2年生です。
成松がリオデジャネイロオリンピック出場を決めた【アジア・オセアニア予選(5大陸予選)】にも出場していましたが、残念ながら同じ大会で出場資格を得ることができませんでした。しかし6月にアゼルバイジャンで行われた【世界最終予選】で、みごと3位入賞を果たし、滑り込みで出場資格を得ることができました。
森坂にとって、6月20、21日と23、24日において連日で試合を行うという過酷な大会であったようです。

プロにも出場資格が?!

オリンピックといえばアマチュアの祭典というイメージですが、競技によってはプロの出場を認めているものもあります。リオデジャネイロオリンピックにおいて、ボクシングでもプロの出場を認めると、国際ボクシング連盟から6月に入って発表されました。
興味を示すプロ選手もいたようですが、WBCは早々に、次いでIBFも声明を発表。安全面や健康面において、プロとアマチュアの選手が一緒にプレーするのは望ましくないとして、出場したプロ選手にはタイトルはく奪やランキングから除外するなどの制裁を科すとしました。

今後の出場資格はどうなる!?

どんな競技でも、オリンピックが終わり4年後の大会の話が始まると、出場資格の変更が行われる場合があります。ボクシングのように大会直前まで選考のある競技は、出場資格の変更さえもギリギリまで行われることもあるようです。ボクシングにおいても、過去の大会をみても流動的というか、大会ごとに変更点があるように思えます。
今回、出場資格をプロにまで広げたわけですが、直前過ぎて議論もままならないままでした。4年後の東京オリンピックまでに議論を成熟させ、選手たちにより良い方向にいけばいいと考えます。

まとめ

どの競技にもいえることですが、オリンピックへの路はとてつもなく厳しいものなんだと、改めて思いました。過酷な練習も含め、己を監督、鼓舞しながらの4年間は想像を絶するものがあります。そんな選手たちが、選考から外れる以外に悔しい思いをすることの無いよう、厳正で公正な選考を行って欲しいと思います。