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東京エクセレンスが2年ぶりB2復帰へ アリーナ問題解決、的確補強で戦力も充実

2019 5/3 11:00SPAIA編集部
バスケットボール,ⒸSPAIA
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東京EXが自動昇格 越谷が入れ替え戦に臨む

B1、B2ともに優勝や来季の戦う舞台を決める大事な時期となっているが、それはB3も同様だ。

今季は金沢武士団がB2ライセンス不交付のため総合優勝の1クラブに自動昇格の権利、そして総合2位のクラブにB2最下位との入れ替え戦に臨む権利が与えられることになっていた。

そもそもB3のレギュレーションは変則で、基本的にプロクラブだけで争われるファーストステージ、企業の3クラブ(豊田合成スコーピオンズ、アイシンAWアレイオンズ安城、東京海上日動ビッグブルー)が参加するレギュラーシーズン、そして再びプロクラブのみのファイナルステージの3段階になっている。

ステージごとに優勝を決め、その順位によってポイントが付与。最終的に合計ポイントで総合順位が決定する。そして上位クラブのうちB2ライセンスを持っているクラブがB2との入れ替え戦に出場する。

その中に今季は自動昇格が発生したのだ。そのため自動昇格があることが分かった終盤はこれまで以上に激しい争いになった。

結果的にその権利をつかんだのは、総合優勝の東京エクセレンスと総合2位の越谷アルファーズ。越谷は元々大塚商会を母体とする企業クラブだったが、Bリーグ初年度からホームタウンとしている埼玉県越谷市の本格移転し、クラブ経営も大塚商会と切り離された形で行われている。

レギュラーシーズン、ファイナルステージでは東京EXの後塵を拝したものの、ファイナルステージでは優勝。B2でも実績のある外国籍選手をそろえ、ガードの#22鳴海亮を中心に1試合平均87得点と高い攻撃力を発揮した。

Bリーグファイナル翌日の5月12日にB2最下位(金沢を除く)の東京八王子ビートレインズと入れ替え戦を戦う。

東京EXはアリーナ問題で2季前に自動降格

そして今季総合優勝を果たした東京EXは、NBDL時代に3連覇という偉業を達成しものの、Bリーグ初年度はB2で戦った。シーズン序盤は苦しんだものの、徐々に外国籍選手が機能し、生え抜きの日本人選手も活躍。22勝38敗でシーズン終了したものの、翌年に期待を持たせる終わり方だった。

しかし、ホームタウンの東京都板橋区に当初建設計画のあった3,000人規模のアリーナ建設が頓挫。ホームアリーナの小豆沢体育館が1,000人程度しか収容できず、これがB2のライセンス要件を満たしていないことから、無念のB3降格となった。

B3に降格したことで主力の生え抜き選手もクラブを離れ、大ベテランの#33宮田諭や#23齋藤豊、さらには若手の#30佐野隆司、#44丹野合気、#51田口暖らを主力に据えて昨季はB3に臨んだものの、なかなか成績は安定しなかった。

結果的にアリーナ問題が解決せず、B2ライセンス申請をシーズン途中で取り下げ、成績は40勝22敗で終えた。

コート内外で一致団結しB2昇格をつかむ

失意の2年間を過ごした東京EXだが、今季は本格的にB2昇格を視野に入れてシーズンをスタートさせた。

フロント陣はホームアリーナ探しに奔走。結果的に創設時からホームタウンとしていた板橋区から離れることになったが、23区内に新設されるアリーナに移転することが決まり、B2ライセンスを取得。あとはシーズンの成績だけと、舞台は整った。

そしてメンバー構成は、日本人選手の入れ替わりが多いB3において、主力選手を残しながらウイングに厚みを加えるために#11上松大輝を獲得。さらに一昨季得点源として奮闘した#13ライアン・ステファンが再加入し、フォワードタイプの#40ジョーダン・フェイゾンも残留した。

元々チームバスケットを主体にして攻撃力が高いチームであったが、今季はその威力がさらに増した。

平均得点は6点以上アップの87.4、FG%は48.0%と約3%も向上した。さらにアシストはB3リーグ最多22.2本とチームバスケットを体現。ホームゲームを無敗で乗り切り、あと2試合を残しているが9割以上の勝率でシーズンを終えそうだ。

「今季が勝負」とにらみ、アリーナ問題を解決した上に強力なメンバーをそろえた東京EX。B2昇格を果たしたのは、こうした計画的なプランを立てたフロント陣、そしてフロント陣の期待に応えた選手たちあってこそ。

コート内外でまさにチーム一丸で目標を達成した。