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千葉が地区優勝に前進、役割を果たす選手たち【Bリーグ第31節】

マイケル・パーカー,Ⓒマンティー・チダ
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Ⓒマンティー・チダ

【DAY1前半】パーカーが攻守に躍動、千葉が優勢に進める

出だしは少し重たい展開で始まる。千葉は#21ギャビン・エドワーズがアリウープダンクなどで連続得点し流れを掴みかけるが、栃木は早めにタイムアウトをコールし、千葉に行きかけた流れを止めにかかる。

互角の闘いを続けていたが、千葉・エドワーズが個人ファウルを立て続けに2回コールされ、残り4分56秒に#1ジョシュ・ダンカンと交代する。しかし先に流れを掴んだのは千葉だった。#2富樫勇樹のスティールから速攻に持ち込み、#3マイケル・パーカーが得点すると、続けて#27石井講祐のアシストから連続でスコアメイクする。さらに、ドライブからのレイアップを沈め、栃木のファウルも絡みバスケットカウントを成立させた。

富樫勇樹,Ⓒマンティー・チダ

Ⓒマンティー・チダ

このまま千葉は波に乗りたいところだが、富樫に対し栃木がダブルチームを仕掛けると、栃木にペースを奪われる。#10竹内公輔に得点を許すと、セカンドチャンスから#13渡邉裕規に3pを入れられ同点に持ち込まれる。

しかし、千葉はタイムアウトで持ち直すと、栃木の強度の高いディフェンスに対して、ダンカンがポストプレーからリードを奪う。守備ではパーカーが連続でブロックショットを炸裂させ、結局千葉が4点リードで1Qを終了。

2Qに入ると、千葉は田口が幸先よく先制し、パーカーも続いた。好守備も続き、ペースを掴むかと思われたが、栃木#4ジェフ・ギブスにバスケットカウントを決められ、#18鵤誠司もレイアップを沈める。しかし、富樫と石井をコートに戻した千葉は、富樫のシュートに続き、ダンカンに3pが生まれ、引き離しにかかる。さらにパーカーがブロックショットを決めると、富樫が3pを沈めて、千葉が7点リードでオフィシャルタイムアウトを迎える。

その後、一時は5点差まで詰められるが、終盤に富樫が2連続で3pを沈めて11点リードとし前半を折り返す。

【DAY1後半】栃木遠藤に得点を許すも、守備から立て直した千葉が先勝

後半に入り、出だしから栃木#9遠藤祐亮に3p2本を含む10点を一気に奪われ、千葉はたまらずタイムアウト。しかし、千葉はタイムアウトをきっかけに持ち直し、パーカーが速攻から得点をあげるなど12点リードとして、今度は栃木がタイムアウト。しかし、千葉は#5田口成浩とダンカンの得点で更にリードを広げる。結局千葉のリードは16点まで広がり、3Qが終了する。

比江島慎,Ⓒマンティー・チダ

Ⓒマンティー・チダ

4Qに入ると、ここまであまり目立っていなかった石井が先制点を決めると、エドワーズが3pを沈める。しかし、栃木#6比江島慎に3pを沈められ、個人のスコアが伸びていなかった#22ライアン・ロシターにバスケットカウントを決められ点差を詰められる。終盤、ロシターにスコアを重ねられるが、千葉は前半の貯金を生かしてリードを守り切り試合終了。95-86でDAY1は千葉が勝利した。

DAY2は栃木が千葉を72-70で振り切り、1勝1敗で終えた。

「見慣れた顔ばかりだから」マイケル・パーカー

DAY1においては、千葉がとにかく攻守ともに走って勝利を飾った。そして、これに最も貢献したのが、チーム最年長であるパーカーだった。

味方がディフェンスリバウンドを取れば、一目散にリングに向かって走っていき、守備においては、相手の隙を突いてスティールを狙うかと思えば、ゴール下では最後まで喰らいつき、相手のシュートをブロックショットでシャットアウトする。ブロックショットは前半だけで3本獲得し、チームに良い流れをもたらした。

マイケル・パーカー,Ⓒマンティー・チダ

Ⓒマンティー・チダ

「最初の試合だったので勝てて良かった」と冒頭にコメントするパーカー。ホームの船橋アリーナ開催とはいえ、ホームで連敗するわけにはいかない。東地区首位攻防であると共に、この後のチャンピオンシップにも影響するということもあって、この勝ちはチームにとっても大きなものだった。

パーカーは日本のリーグで通算12シーズンのキャリアを過ごしている。だからこそ「長年見ているので、栃木だからと特別に意識したということは無い」と話す。昨季から今季もアーリーカップも含め、何度も顔を合わせている。「見慣れた顔ばかりだから」と普段通りを強調した。

残念ながらDAY2は僅差で敗れ、栃木との対戦成績も3勝3敗となった。当該ゲーム得失点差では栃木が上になったが、千葉と栃木のゲーム差は2。直接対決は終了したので、よほどのことが無い限り、千葉が2年連続で東地区優勝の可能性が大きくなった。あとは残り8試合でどこまでチーム力を向上させ、選手のコンディションを維持させるかが大事になってくる。

「役割がはっきりしているからこそ、自分の動きができている」田口成浩

終盤に向けて“おいさー”こと田口のコンディションが上がってきた。得点面もそうだが、守備でも安定したパフォーマンスを見せるようになってきた。

「シュートはここ最近調子良いと思い、思い切って打った」と田口は話す。後半開始早々、栃木遠藤に連続失点を喫し、6点差まで詰められたところで、田口はタイムアウトを挟んで石井と代わってコートに入る。すると、栃木の得点は止まり、千葉もペースを取り戻していく。「何とかしてリズムを変えられれば」と強い気持ちでコートに入っていた。

秋田在籍時は「秋田を勝たせたい」という想いで、主将としてもチームをけん引していた。しかし、千葉移籍後は石井と併用される形の起用が続く。リーグ序盤戦は、気負う場面がぬぐい切れなかったが、この日はコートに入れば、自分の「役割」に徹する田口の姿があった。

「千葉に来てからのプレッシャーは個人のことですね」と自分に求められているものと向き合っている。「チームにとってどうプラスになっていくか、自分の役割をどう発揮するか」と秋田時代とは違い、田口は求められていることの変化を認識していた。

「今は自分のためにプレーすれば、チームに貢献できる」と考える田口へ最後にこのような確認をしてみた。「役割がはっきりしているからこそ、自分の動きができているのか?」田口は「まさにその通り」とはっきりコメントした。自分の役割に徹して、千葉念願のリーグ戦王者に向けて、チームに貢献を続けていく。