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【Bリーグ第27節】SR渋谷に勝利 負けられない戦いが続く栃木

バスケットボール,Bリーグ,栃木ブレックス,SR渋谷,第27節,Ⓒマンティー・チダ
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Ⓒマンティー・チダ

【前半】スタートから試合を作る栃木 2Qには渋谷の速攻に苦しむ

SR渋谷#6ロバート・サクレ、#34ライアン・ケリーに得点を決められ先制された栃木。しかし#6比江島慎からパスを受けた#9遠藤祐亮が3pを沈めて逆転し、コーナーから#13渡邉裕規が3pを入れて引き離しにかかる。その後、両チームともにパスが乱れて、アウトオブバウンズになり、残り6分1秒に栃木がタイムアウトを請求した。

栃木は渋谷が敷いてきたゾーンディフェンスに対し、比江島がドライブからレイアップを沈め、さらに#22ライアン・ロシターがポストプレーにドライブと得点を重ねていく。終盤、#21橋本晃佑の3p、#18鵤誠司の背面パスに合わせて#4ジェフ・ギブスがシュートを決め、栃木が14点リードで1Qが終了した。

2Qに入ると、SR渋谷#9ベンドラメ礼生のレイアップ、サクレのシュートが決まる。その後膠着状態が続くが、ベンドラメがスティールからファストブレイクを入れて、追い上げムードになっていく。

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栃木の点数が伸びない中、SR渋谷はケリーが中外と得点を稼いで追い上げる。#3ファイ・サンバとサクレも続き、栃木に対して5点差で追走し、栃木は残り2分3秒でタイムアウトを請求。SR渋谷の勢いを止めて4点リードで前半を折り返した。

【後半】2点差まで追随されるものの最後は栃木の粘り勝ち

前半の流れから乗っていきたいSR渋谷。しかし栃木は後半からギブスのバスケットカウントで最初の攻撃を決め、セカンドチャンスから再び渡邉が3pを入れる。その後も栃木は、SR渋谷のフロントからのプレスも難なく、ロシターがレイアップを沈めると、鵤、渡邉と続いて、遠藤のスティールからロシターのファストブレイクで、リードは14点まで広げた。直後、SR渋谷ケリーにレイアップを決められるなど、速攻を出させる時間もあったが、栃木は13点リードで最終Qへ向かっていく。

4Q、序盤は五分の闘いを見せた両チームだが、SR渋谷がサクレとケリーのダンクなどで少し点差を詰め、9点ビハインドでオフィシャルタイムアウトを迎える。ケリーの3pなどで詰めてきたSR渋谷だったが、栃木・渡邉が3pを2本決めて、10点リードで踏ん張る。

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このタイミングでSR渋谷はタイムアウトを請求。サクレとベンドラメらの得点で、栃木のリードはわずか2点となるも、栃木はタイムアウトで切り替えを図ると、ギブスと比江島が得点し83-77でSR渋谷を下した。

負けられない戦いが続いている栃木ブレックス

「うちは負けられない状況が続いている」

記者会見の席上で試合の振り返りを求められた際に、栃木・安齋竜三HCがこのように発言した。

栃木は現在東地区2位につけている。東地区首位の千葉とはわずか1勝差。第27節時点で37勝8敗は、千葉に続いてB1リーグ全体2位。ここまで見れば、何の問題も無いように考えられる。しかし、栃木はもうすでに先のことを考えていた。それはもうじき進出を決めようとしているチャンピオンシップの事である。

チャンピオンシップは、各地区1位チームと各地区2位の中で一番成績の良いチームが、クォーターファイナルでホームゲームを獲得することができる。栃木は東地区2位で、2位チームの中でも一番成績が良いので、このままの順位をキープできればクォーターファイナルをホームのブレックスアリーナで迎えることができる。

そして、クォーターファイナルを勝利すれば、セミファイナルに進むことになるが、ここでカギになるのが、チャンピオンシップ出場順位。

チャンピオンシップ順位は以下の通り割り当てられる(2018-19 シーズンB1リーグ戦における各地区と全地区間での順位を基に)。
<1位~3位>
・レギュラーシーズン自地区1位/三地区間1位クラブ
・レギュラーシーズン自地区1位/三地区間2位クラブ
・レギュラーシーズン自地区1位/三地区間3位クラブ
<4位~6位>
・レギュラーシーズン自地区2位/三地区間1位クラブ
・レギュラーシーズン自地区2位/三地区間2位クラブ
・レギュラーシーズン自地区2位/三地区間3位クラブ

栃木が東地区1位でチャンピオンシップに進んだ場合、チャンピオンシップ順位は1位から3位、東地区2位の場合は4位から6位の中で割り当てられる。セミファイナルはチャンピオンシップ順位上位チームのホームアリーナで開催されるので、仮に東地区2位のままだと、セミファイナルをホームのブレックスアリーナ宇都宮で迎えることができない可能性がある。栃木としては、東地区1位で勝ち上がり、セミファイナルまでホームアリーナで戦える権利を獲得しておきたいのだ。

この日の試合で栃木はSR渋谷に追い詰められる場面が何度かあった。追い詰められた場面を、栃木・渡邉に問うと「相手どうこうではなく自滅だった。すべて自分たちのミスから始まっていた」とした。安齋HCも「ロングリバウンドを取られてから崩れてしまい、4Qだけで30点取られている。負ける可能性をかなり高めてしまうことだったので、今後はやって欲しくないし、一人ひとりが反省しないといけない」と話す。

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セミファイナルまでホームのブレックスアリーナで試合をするためには、東地区1位通過が必須になる。「自滅しないためにも、コミュニケーションをしっかり図ることが大事」と渡邉。残り15試合、3月末には千葉と直接対決も控えている。そこまでは一つも取りこぼしが許されない。コート内のコミュニケーションを向上させて、チャンピオンシップを取り返すための戦いはまだまだ続く。