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頭角を現し始めた“八村世代” 2020年の主役になるのは誰だ(前編)【Bリーグ・大学】

2019 3/12 11:00SPAIA編集部
バスケットボール,ⒸSPAIA
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アンダー時代に世界10位の成績を残す

日本バスケは男子A代表が今夏のワールドカップ出場を決めた。これまで主力選手はアンダー時代に世界を経験していなかった。しかし今のアンダーカテゴリーの選手たち、とりわけ1997年4月から1998年3月までに生まれた世代はすでに複数回、世界大会に出場している。

2013年のアジアU16 選手権で3位となり、15年ぶりに出場したU17世界選手権は14位、さらに2017年のU19ワールドカップでは、並みいる強豪国と対等に渡り合い10位で大会を終えた。

その中心はゴンザガ大のエースで、NBAドラフトで上位指名が期待される八村塁。U17世界選手権で大会得点王となり、自らの手でゴンザガ大入学を切り開くと、その後の活躍は周知の通りだ。U19ワールドカップに関しては、大会直前の合流となったが、何度もクラッチシュートを決め、その存在を世界に知らしめた。

八村に引っ張られる形ではあるが、世界10位という輝かしい成績を残した彼らは現在大学3年生の代。今年はいよいよ大学最終学年、勝負の年を迎える。

今季は8名がBリーグ入り

大学最終年を前に、Bリーグの特別指定選手の制度を利用して、B1とB2合わせて8名がすでにBリーグ入りを果たしている。

その中で、世代の先頭を走る筆頭格を紹介しよう。まずは高校時代、八村と何度も名勝負を演じた平岩玄(東海大)。昨季は琉球ゴールデンキングス、今季はアルバルク東京で経験を積んだ。

身体能力の高さや199cmながら速攻の先頭を走る機動力と、これまでは、どちらかというと技術以外での評価が高かった。しかし今季はシュートエリアを3Pまで広げたり、巧みなステップワークを見せたりとスキル面でも成長が見られる。

東海大のシーズン前ということでA東京をすでに離れているが、最終学年の活躍が大いに楽しみだ。

また横浜ビー・コルセアーズの中村太地は、1年時はシーホース三河、2年時は富山グラウジーズ、そして今季は横浜と3年連続でBリーグでプレー。この2年は出場時間が少なかったが、チーム事情もあり横浜ではプレータイムが増加。鋭いドライブや190cmながらPGをこなすからこそ生じるミスマッチを突いたプレーを見せている。

各校のエースクラスも続々Bリーグを経験

数字上で最も活躍を見せているのが、専修大の盛實海翔だ。盛實は“和製ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)”と称されるほどスキルが高く、そのプレーで観客を魅了する。

ウイングが手薄なサンロッカーズ渋谷において、しっかり出場時間を与えられ、1月末からは20分以上コートに立つ試合も。その中で期待どおりの結果も残しており、チャンピオンシップ出場を目指すSR渋谷としてはこのままシーズン終了まで盛實に残ってもらいたいのが本音だろう。

また筑波大のエース・増田啓介も今季は川崎ブレイブサンダースに所属。プレー機会は少なかったものの、積極的にボールに絡む姿勢への評価は高い。持ち味のステップインやミドルシュートはそこまで見られなかったが、この経験は大学でのプレーに生きることだろう。

最後に紹介するのがアースフレンズ東京Zに加入した鈴木空(名古屋学院大)。桜丘高時代は1対1の強さとキャプテンシーでチームをけん引、インターハイ準優勝に導くなど活躍。関東以外の大学に進んだため、あまり情報が出てこなかった、東海地区でしっかりと力を付けてきた。

高校時代同様、積極性は今も変わらず、最年少ながら果敢にシュートを放つ。さらに大学で身に付けた3Pシュートを武器に2桁得点を挙げるなど、今や東京Zになくてはならない存在になった。盛實同様、シーズン終了までその活躍を見たい選手である。