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【Bリーグ第26節】SR渋谷・サンバがつなぎ役で貢献 CS進出へ望みを繋ぐ

Bリーグ,サンロッカーズ渋谷,ファイ サンバ,Ⓒマンティー・チダ
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Ⓒマンティー・チダ

【DAY2前半】SR渋谷サクレ ファウルトラブルもサンバが見事に繋ぐ

試合開始から両チームが速いテンポで得点を重ねる中で、SR渋谷は残り5分を切ってから#6ロバート・サクレが個人ファウル2回目をコールされて、#0満原優樹と交代する。その後、ローテーションで選手を交代させながら、#44盛實海翔と#14杉浦佑成が3pを沈めるなどリードをキープしていくが、新潟は#54ダバンテ・ガードナーがバスケットカウントを含め7得点するなど、新潟が1点リードして1Qを終了。

2Q、SR渋谷は1Q終盤からコートに入っていた#3ファイ サンバを中心にゾーンディフェンスを仕掛ける。これが効いたのか、新潟の得点が止まる。その間、SR渋谷は#34ライアン・ケリーのアシストから#7伊藤駿の得点などで逆転する。

Bリーグ,サンロッカーズ渋谷,ファイ サンバ,Ⓒマンティー・チダ

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新潟のタイムアウトを挟んでガードナーを戻した新潟だったが、SR渋谷は杉浦の3p、ケリーがバスケットカウントを成功させてさらにリードを広げていく。新潟ガードナー、#34ラモント・ハミルトンにインサイドで得点を許すものの、終盤にSR渋谷#9ベンドラメ礼生がスティールからファストブレイクを決めて7点リードで前半を折り返した。

【DAY2後半】SR渋谷が新潟に連勝 サクレが存在感を見せつけ杉浦も躍動

後半に入って、SR渋谷はケリーのバスケットカウントなどで得点を重ねる。新潟もガードナーの3pで喰らいつくが、ハミルトンとガードナーに個人ファウルが重なっていく。そのしわ寄せは徐々にSR渋谷に有利に働く。

SR渋谷は、#24広瀬健太のスティールからケリーがファストブレイクダンクを叩き込むなど点差を広げていき、前半ファウルトラブルでベンチに下がっていたサクレもポストプレーで存在感を見せる。盛實と杉浦のコンビプレー、そして締めは盛實のブザービーターとなる3pが炸裂し、12点リードで3Qを終えた。

4Q。出だしこそ、新潟#3柏木真介、ガードナーに得点を許すが、SR渋谷杉浦がフェイントをかけてリングにアタックすると、ドライブから得点し、新潟は流れを悪くする。

Bリーグ,サンロッカーズ渋谷,ファイ サンバ,Ⓒマンティー・チダ

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その後新潟ハミルトンに個人ファウル4回目がコールされると、SR渋谷はサクレが得点に絡んできて優位に試合を進める。オフィシャルタイムアウトを挟んでも、サクレがポストプレーから確実スコアを重ねリードをキープし、SR渋谷は新潟に84-72で勝利し、このカード連勝を達成した。

「2人を止めることに必死だった」SR渋谷ファイ サンバ

中地区2位の新潟相手に連勝を果たしたSR渋谷。しかし、決して順調ではなかった。

ポイントになったのは2Q。新潟の得点を12に抑えたことだった。SR渋谷は、2日間とも80点を超えたが、ディフェンスから走る――むしろディフェンスのチーム。しかし、第26節の段階で、平均得点が平均失点を下回っており、サクレやケリー、ベンドラメが得点源になっているとはいえ、オフェンス力があるとは言い難い。そんな中、得点源のサクレが1Qで個人ファウル2回をコールされファウルトラブルに。ベンチに下がらざるを得なくなり、2Qはサクレを欠いた布陣で臨まないといけない状況となってしまった。

ここでサクレと代わってポジションに入ったのが#3ファイ サンバだった。試合全体の個人スタッツは、4リバウンドだったが、それは全て2Qでもたらしたものだった。さらに、新潟の強力なインサイドを構成するハミルトンとガードナーの得点を12に抑えつつ、それ以外の選手に得点を許さなかった。

「満原とサンバが良くつないでくれた」と伊佐HCも評価する。サンバは2Qフル出場。新潟自慢の強力インサイドコンビを抑えられれば上出来ではないだろうか。

サンバは、自分の立場を理解していた。「サクレがファウルした時点で、自分が仕事をしないといけなかった。ミツ(満原)がケガをしていたので、繋げる事だけを意識していた」と、2Qは新潟の攻撃に対して、ゾーンディフェンスを敷く時間が長く、フロントコートからゾーンを仕掛けることもあった。

「ゾーンディフェンスをして、相手にタフショットを打たせよう」とサンバは、コートの中で心掛けていた。「相手の強いところを消して、タフショットを打たせて、しっかりリバウンドを取れれば攻撃はやりたいことができる」と守備に集中していた。
フィジカルの強いインサイド陣(ハミルトン、ガードナー)をしっかり止めつつ、新潟#7五十嵐圭をはじめとしたシューター陣に得点をさせない。それは結果となって表れた。「守備が良かった。コートの5人全員が体を張っていた。落ちているボールをしっかり奪って攻撃に繋げることができた」とサンバも素直に評価した。

「ハミルトンとガードナーは半端なく強い。あそこを止めるのに必死だった。行きたいところへ簡単に行かせるとやられるので、そこに行かせる前に仕事をした。リングからできるだけ遠いところにと」とサンバは必死に2人を抑えていたようだ。

Bリーグ,サンロッカーズ渋谷,ファイ サンバ,Ⓒマンティー・チダ

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いつも主力と呼ばれる選手が、順調に試合へ出場できるとは限らない。こうして、ファウルトラブルで試合に出場できない時に、どう切り抜けるのかも大事なことだ。サンバはスタッツには残らないが、チームのピンチを救い勝利をもたらした。

チャンピオンシップ進出には、かろうじてワイルドカードで出場の可能性を残している。これから東地区上位のチームと対戦することが多くなるが、わき役と呼ばれる選手がこうして活躍してくれるとチームとしても助かるはず。サンバのように、ここ一番で活躍できる選手がもっと現れると、土壇場でのチャンピオンシップ出場も夢ではない。