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頭角を現し始めた“八村世代” 2020年の主役になるのは誰だ(後編)【Bリーグ・大学】

2019 3/13 11:00SPAIA編集部
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筑波大と青山学院大にも好素材

1997年4月〜1998年3月生まれの選手には、今夏のNBAドラフトで上位指名が期待される八村塁(ゴンザガ大)を中心に有望な人材がそろっている。同世代で国内にいる選手は来年度で大学4年になる。

前編では特別指定選手の制度ですでにBリーグ入りしている選手を紹介したが、彼ら以外にも来季Bリーグ入りを見据える選手がいる。

まず紹介するのは筑波大の牧隼利。ボール運び、スコアリング能力、リバウンド力、ディフェンスが全て良し、獅子奮迅の活躍を見せるオールラウンダーだ。3年になった今季はキャプテンを務めるなど、リーダーシップも十分。フィジカルも強く、獲得に向けたクラブ間の競合は必至か。

前編で紹介した増田啓介(川崎ブレイブサンダースに特別指定選手で加入)のほか、203cmと上背のある森下魁、スピードがウリの村岸航と好素材が多い筑波大。また、琉球ゴールデンキングスに加入したナナーダニエル弾、明成高時に八村とチームメイトだった納見悠仁、シューターの伊森響一郎と有望株がそろう青山学院大。

過去にインカレ連覇を経験している両校だが、日本一を逃した今季は彼らを中心に王座奪還を狙う。

連覇を目指す東海大3年生の世代は豊作

インカレ連覇を目指し、今季からスタメンを3年生以下で固めた東海大。平岩玄(アルバルク東京に特別指定選手で加入)が大黒柱であるが、その他の選手も小粒。春先までは、スタメンで、クイックネスが魅力のガード・寺嶋良、大ケガから復帰した大倉龍之介、Bリーグでは貴重な存在になりそうなコンボガードの笹倉怜寿など、ほかにもビッグマンをそろえている。

特に笹倉は学生では珍しく潤滑油となれる存在で、ボール運びからのゲームメイク、正確なミドルシュートと、ともに出場する選手に合わせて役割が変えられる。インパクトこそないが、Bリーグに入れば重宝されるだろう。

インカレ3位の日本大には、3Pシュートに強く3x3にも参戦している松脇圭志と、身体能力を生かしたプレーが得意なジャワラ・ジョゼフが在籍。また、白鷗大には万能選手の前田怜緒や大柄でシュート力の高い星野曹樹などがおり、こちらも3年生が中心。

このように、今季から3年生を主体にしているチームが多く、国内には有望な選手が多い。

海外を舞台に活躍する選手も

八村以外にも海外を舞台にしている選手が多いのがこの世代の特徴で、現在は休学中だがシェーファーアヴィ幸樹(アルバルク東京)も、強豪校のジョージア工科大の門を叩いた。

高校2年時にサッカーからバスケットに転向した彼のバスケット歴は、僅か4年。その後、様々な縁で当時アンダーカテゴリー日本代表のヘッドコーチだったトーステン・ロイブル氏に見出され、2016年のU18日本代表に選出されると、メキメキと上達。205cmのシェーファーがさらに成長すれば、PFに八村、Cにシェーファーが日本代表のスタメンを務めていてもおかしくない。競技歴の浅さを考えると、伸びしろたっぷりだ。

加えて、2017年のU19ワールドカップで頭角を現した榎本新作(イースタン・ニューメキシコ大)もいる。彼の場合、幼少期を除きアメリカで生活をしていたため、日本バスケットボール協会が“発掘”した形になる。このワールドカップでは、突破力を武器に活躍。195cmという上背も魅力で、今後は日本にはいないスラッシャータイプとして名前を聞く機会が増えそうだ。

有望な選手が多く集まる“八村世代”。年齢的に2020年の東京オリンピックに絡む選手は少ないだろうが、次世代の日本代表には多くの選手が名を連ねるだろう。彼らの時代はすぐそこまで来ている。