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【Bリーグ】W杯効果で15試合が満員となったB1第25節 観戦文化を根付かせる好機

2019 3/6 15:00SPAIA編集部
篠山竜青,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

全18試合のうち15試合が満員に

2月21日、24日に行われた「FIBAバスケットボールワールドカップ2019 アジア地区 2次予選 Window6」において13年ぶりにワールドカップ出場を決めた男子日本代表。自力出場としては1998年以来21年ぶりの快挙になったが、帰国後、代表選手は慌ただしくセレモニー等をこなして自チームに戻っていった。

そんな彼らの凱旋試合となった、3月2日と3日のB1第25節。3週間ぶりのリーグ再開に加え、ワールドカップ出場を決めたことで、前売りから完売となるカードがあるなど、週末を迎える前から好調な客足が予想できた。

蓋を開けてみれば、全18試合のうち満員となったのは15試合。Bリーグでは動員85%以上を満員と定義しているが、実に8割以上の会場で普段以上の熱気を放ったのだ。試合も代表選手の活躍や大逆転勝利、接戦の試合など、内容は違っていたものの、全会場で満足度の高いプレーを見せてくれた。

Bリーグを盛り上げることの重要性

Bリーグ初年度は開幕戦のド派手な演出から始まり、その真新しさで観客を集め、2年目は元NBA選手の加入や初年度のバブルがまだ残っていたため、観客動員数は増加。だが、3年目の今季は少々のマンネリ化があったからなのか、1月の時点で昨年比の観客動員数は減少していた(初年度の1試合平均入場者数は2016−17シーズンが1,989人、2017−18シーズンは2,223人、今季は2,175人)。

そうした中、ワールドカップ出場という起爆剤となり得る出来事があり、日本代表でキャプテンを務めた#7篠山竜青(川崎ブレイブサンダース)は「文化にするためには、Bリーグを盛り上げていくことが重要だと思っています」と何度も、力強く口にした。

今節の満員連発の状況は一過性に過ぎないかもしれない。だからこそ、日本にバスケットを観戦する“文化”を根付かせることは重要だ。そのためには秋から春、シーズンを通して行われているBリーグの存在が必要不可欠なのである。ここからは途切れなく試合が催されるため、国内では毎週最高峰のバスケットが見られることになる。

そういう意味では今回のWindow6、11月のWindow5において、篠山をはじめ多くの選手が「国内組で構成された」と話していたように、Bリーグで戦う選手のみで出場権を獲得したことも、国内のバスケット人気獲得のためには大きな要素となった。

夜明けが近い日本のバスケット

今回のメンバーに加え、8月からのワールドカップではNBAで活躍する#12渡邉雄太(メンフィス・グリズリーズ)、今春のNBAドラフトで上位指名が予想される#23八村塁(ゴンザガ大)が名を連ねる見込みで、上位進出も期待される。

この布陣は“日本歴代最強”と称されており、2020年の東京オリンピックを前にして日本のバスケットのレベルは夜明けが近いと表現しても良いだろう。渡邉、八村以外にも有望な若手は多く、彼らが今回のメンバーに一矢報いることも想像でき、今後数年、アジアでも脅威のチームとなりそうだ。

また先述したように、Bリーグの人気もこのワールドカップ出場を機に盛り返してきそうで、コート外でも光がさしている状態。今まさに、転換期、夜明けのときを迎えている。

そして今週末もBリーグでは試合が行われる。多くの選手が声高に叫んでいるように、観客動員数を増やすことが国内のバスケット人気に直結する。残り20試合を切ったBリーグだが、チャンピオンシップを含めた残りの2か月間は、日本バスケット界の未来を左右する大事な時期となる。