【DAY1前半】秋田のファウルトラブルでSR渋谷が主導権を握る
試合の出だしからSR渋谷の、#9ベンドラメ礼生が3p、#7伊藤駿がセカンドチャンスからミドルシュートを決めて好スタートを切る。しかし、#14杉浦佑成、ベントラメが早くも個人ファウル2回もらい、選手交代をせざるを得なくなってしまう。
秋田はSR渋谷のファウルトラブルから差を詰めたいところだが、3秒バイオレーション、#43カディーム・コールビーのオフェンスファウルもあって、攻め手を欠く。一方、SR渋谷は#0満原優樹が3pを沈めるなど、秋田に7点リードで1Qを終了。
Ⓒマンティー・チダ
2Qに入り、秋田は序盤からファウルを重ねる。#40ジャスティン・キーナンから始まり、#55谷口大智、#7野本建吾、#24保岡龍斗、そして野本がこのQ2度目のファウルを喫し、残り6分10秒で早くもチームファウル5回を数えた。
SR渋谷は、出だしから追加得点ができなかったが、#1清水太志郎が3p、#34ライアン・ケリーの6得点で一気にリードを広げて、オフィシャルタイムアウトを迎える。
その後、秋田にファウルが重なり、SR渋谷はフリースローを獲得する回数が増えて、順調に決めていく。フリースローだけで6点獲得したSR渋谷。秋田には得点を許さず、17点リードで前半が終了した。
【DAY1後半】SR渋谷・ベントラメのビッグショットで勝利を手繰り寄せる
後半に入ると、一転して秋田がペースを握る。キーナンのバスケットカウントで点差を詰め、#13成田正弘が3pを沈めると、SR渋谷ベンチはたまらずタイムアウトを請求する。
SR渋谷はタイムアウトをきっかけに立て直し、#6ロバート・サクレのインサイド、ケリーのパスを受けて、#44盛實海翔が速攻を決めるなどリードを広げていく。その後、ファウルを重ねてしまうが、盛實のアシストからケリーがダンクを叩き込み、ベントラメも3pを沈め、終盤に秋田・保岡が3pを決めるものの、SR渋谷の9点リードで3Qを終える。
4Q、SR渋谷は、出だしから果敢にリングへアタックする。盛實のドライブインが外れたが、ベントラメが3pとレイアップ、清水もキャッチ&シュートを入れて、リードは10点を超えてきた。秋田カディーム・コールビーのファストブレイクから得点差を詰められるシーンもあったが、サクレが得点をし、流れを止める役割を果たした。
Ⓒマンティー・チダ
オフィシャルタイムアウトを挟んで、SR渋谷は伊藤が1on1を制すると、ベントラメがこぼれ球に反応しボールを奪うと、リングまで一気に駆け抜けてレイアップを決め、リードを14点とした。
このプレーで勝負を決めたSR渋谷。最後は、盛實のアシストからサクレがダンクをお見舞いし、SR渋谷が秋田を75-63で下した。
「コートに立っているときは、自分のプレーをしよう」盛實海翔
ここ5試合を3勝2敗で乗り切ったものの、東地区の強豪である栃木と千葉に敗れていたSR渋谷。そんな中、少しずつ存在感を大きくしている選手がいる。現在専修大学3年生で、12月末に特別指定選手として入団した盛實海翔だ。
「本当に大学生かなという感じ。ディフェンスのエラーはあるが、クリエイトしながらもミスをしないので、良い選手の資質かなと思う」と伊佐勉HCがコメント。ベントラメも「今の大学生はうまいな。僕がアーリーで入った時は、あんなに落ち着いてプレーはできなかった。左利きなので、タイミングはとりづらいがセンスあるなと思う」と評価した。
それはスタッツにも表れている。1月28日の滋賀戦では18分11秒のプレータイムを勝ち取り、9得点を挙げている。大敗した30日の千葉戦でも、20分超のプレータイムで13得点を獲得していた。そして、秋田戦では、DAY1で19分23秒、DAY2では24分13秒とすっかり主力級の活躍を見せている。
合流して1か月足らずでどのように感じているのか、本人に直撃してみると「思っていたよりは楽しいですが、プレー的にはフィジカル面で差がある」と課題を口にした。
「プレータイムをもらえている事はありがたい。コートに立っているときは、自分のプレーをしようと考えている。3pを狙う事やリングにアタックする事は、自分の良さだと思っているので積極的にやろうと思っている」と話す。
コートの外から見ていると、盛實は積極的にコミュニケーションを取ろうとしていた。「外国人選手がいる中で、難しい部分はあるが、わからない所は積極的に聞いている。遠慮はしていないが、周りの人からもどんどん言ってくれる」とすっかりチームに溶け込んでいる印象を受けた。
「ディフェンスに関しては、早いうちに飲み込んでおきたい。大学のシステムとは全然違うので、いつもやっていることがぱっと出てしまうこともある。自分のやるべきディフェンスをしないといけない」と守備に関しては課題として認識している。
盛實は数か月の帯同後、再び大学に戻って最上級生として新シーズンを迎える。「コミュニケーションの部分やアグレッシブさで違いを感じている。そういう部分は大学でも出していきたい。大学生は静かにやっているイメージがあるので、すぐに出せるかなと思う。サクレさんはいつも元気というか、チームを盛り上げるような声出し、オン・オフの切り替えなど参考になるし、ベントラメさんは、プレー的にもポジションが同じなので勉強になる」と新たな発見が続いているようだ。
Ⓒマンティー・チダ
「海翔に頼っているようでは上には行けない。彼の活躍はラッキーぐらいに思っておかないといけないときついかな」とベントラメに言わせるほど、盛實の成長曲線は大きく上昇している。もちろん、チームとしても彼に頼りすぎるわけにはいかない。「僕が期待しているのは(杉浦)佑成かな」とコメントするように、盛實の活躍により、杉浦が覚醒するぐらいにならないと、チーム力は上がらないと認識しているようだ。
ぜひ盛實には、若さでチームの起爆剤となってから、大学に戻っても成長した姿を見せてほしいと同時に、杉浦が刺激を受けてチームの中核に成長することを願いたいところだ。