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【Bリーグ】今季B1へ昇格した秋田と福岡、残留に向け勝負の後半戦

2019 1/22 15:35SPAIA編集部
バスケットボール,ⒸShutterstock.com
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チームバスケットで善戦する秋田

今季で3季目を迎えたBリーグにおいて、今回注目したいのは昇降格制度だ。B1、B2、B3と各カテゴリーの階層に、所属するにふさわしい成績や経営状況に応じてライセンスが与えられ、レギュラーシーズン後のB1残留プレーオフ、B2プレーオフ、入替戦等で翌シーズン戦うステージが決まる制度である。

B1においては過去2年、自動昇格と降格でクラブが入れ替わっているが、2017−18シーズンは、B2から昇格した西宮ストークスと島根スサノオマジックがともにわずか1シーズンでB2に降格してしまった。

今季はB1に秋田ノーザンハピネッツとライジングゼファー福岡が昇格。シーズンがおよそ半分終わった現段階での両クラブの戦いを振り返る。

B1→B2→B1と毎シーズン戦う舞台が変わっている秋田だが、前評判は決して高くなかった。というのも、これまでエースとしてチームを支えてきた田口成浩が千葉ジェッツに移籍。田口に代わる選手も獲得できず、エース不在のままシーズンを迎えた。

しかし、ジョゼップ・クラロスヘッドコーチが掲げるタイムシェアのバスケットがフィット。エース不在のチーム状況を強みに変え、全員バスケットで戦うスタイルを確立した。

中山、キーナン、コールビー…職人気質の選手が奮闘

こうした全員バスケットに職人気質の選手が奮闘を続けている。

インサイドで体を張りながら、外角シュートも得意の#40ジャスティン・キーナン、リーグ1位の平均ブロックを誇る#43カディーム・コールビーの外国籍選手は高さこそないが、チームを支える貴重な選手たちだ。

そして何よりも、2年目ながら幅広いプレーでチームの顔に成長した#17中山拓哉の存在が大きい。平均アシストでリーグ3位、平均スティールはリーグ1位、182cmながら平均リバウンドは日本人3位(帰化選手除く)と派手さはないが、玄人好みのプレーを見せる。

またルーキーの#24保岡龍斗も毎試合成長を続け、徐々に役者が揃いつつある。そうした要素もあり、シーホース三河や京都ハンナリーズ、新潟アルビレックスなど強豪クラブにも勝利を収めた。

ここまで11勝を挙げており、このままの調子が続けば、18勝に終わった一昨季の成績は越えられそうだ。ただし、秋田は強豪が集う東地区に所属しているため、今後も栃木ブレックスなど、手強い相手との試合が続く。残留プレーオフに回るのは是が非でも避けたいところだ。

指揮官交代もあった福岡、ベテラン中心に巻き返しなるか

秋田同様、福岡も毎年ステージが変わっているが、B3→B2→B1と最短で這い上がってきた。

念願のトップリーグで迎えた今季はベテランを多く獲得したが、なかなか噛み合わず開幕から11連敗。その間、河合竜児前ヘッドコーチが解任されるなど、苦しい時期が続いていた。

しかし、ボブ・ナッシュヘッドコーチが就任し、12月に入ってからは徐々に調子も上向いてきた。日本人選手では#0遥天翼、#13津山尚大、#31城宝匡史の移籍組が奮闘し、ここまで一つずつ勝利を積み上げ8勝。まだ残留プレーオフ圏内にいるが、早くここから抜け出したいところだ。

改善点を挙げるとすれば、オフェンスだろう。得点が先に挙げた3選手と外国籍選手に偏ることが多く、得点が伸びない傾向だ。また、主力選手の調子が安定しないのも痛い。ここ2年間エースだった#6小林大祐や司令塔#5山下泰弘の復調が待たれる。

上位のチャンピオンシップも気になるところだが、下位の残留争いもBリーグの注目ポイントの一つ。秋田と福岡は残りのシーズンをどのように戦っていくのか、今後の浮上に期待したい。