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【Bリーグ第15節】川崎・マクリンが奮闘 前半劣勢から2点差まで追撃

2018 12/26 14:41マンティー・チダ
Bリーグ,川崎ブレイブサンダース,バーノン・マクリン,Ⓒマンティー・チダ
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Ⓒマンティー・チダ

【DAY1前半】川崎、名古屋Dの激しいプレスに苦しみ、前半わずか28点

川崎は、立ち上がりから名古屋Dの激しいプレスディフェンスに苦しみ、得点を挙げることができない。名古屋Dは、守備からの良い流れを攻撃に繋げ、#34クレイグ・ブラッキンズのジャンプシュート、#2マーキース・カミングスがスティールからのダンクを叩き込み、#0小林遥太が3pを沈めるなど、一気に11点を獲得し、川崎を突き放す。

タイムアウトを請求し流れを変えたい川崎。この日スタート5から外れていた#7篠山竜青をコートに投入し、チーム全体の落ち着きを取り戻すと、#21バーノン・マクリンの連続得点、#0藤井祐眞の3pで追い上げ体制を作っていく。終盤になって、再び川崎は名古屋Dの守備に苦戦し得点を挙げることはできず、結局名古屋Dが10点リードで終了する。

Bリーグ,川崎ブレイブサンダース,バーノン・マクリン,Ⓒマンティー・チダ


2Qの出だしも、川崎は名古屋Dの前線からプレスに苦戦する。1Q途中からコートに入っていた#21笹山貴哉に、2連続でスティールからファーストブレイクを許してしまい出鼻をくじかせた。その後もマクリンが孤軍奮闘するが、差を詰めることはできない。アウトサイドからの得点がなかなかできない中、インサイドで勝負するものの得点には繋がらなかった。一方、名古屋Dは#9安藤周人と笹山が3pを入れて17点リードとし前半が終了する。

【DAY1後半】川崎・マクリンがポストプレーで奮闘も2点差届かず

後半の出だしこそ、攻撃の体制が作れなかった川崎だが、マクリンがポストプレーで得点を重ねるようになる。守備も2-3ゾーンディフェンスが機能し始め、#33長谷川技のスティールから藤井がファーストブレイクを炸裂させるなど、追い上げムードを作っていった。

ゾーンディフェンスが機能し始め、名古屋Dの得点が止まりつつあった残り4分23秒。#3林翔太郎に代わってコートに戻った篠山がチームに勢いをつける。この日初得点となった3pに続き、シュートで点を詰めていく。名古屋D・安藤にスティールを許したため流れを渡しかけるが、藤井の好守備から攻撃に。長谷川がコーナーから3p、さらに藤井が倒れこみながらシュートを決めると、シュートモーションのファウルから獲得したフリースローを確実に入れ、バスケットカウントを成功させた。その後、マクリンもペイントエリアで2本シュートを沈め、5点差まで追い上げたところで3Qが終了する。

4Qを迎えるころには、歓声が最高潮に達していたとどろきアリーナ。

篠山と#31シェーン・エドワーズの得点で、一気に1点差まで縮めた川崎と、ブラッキンズの得点で逆転を許さない名古屋D。両者一歩も譲らないこの状態を先に抜けたのは、名古屋Dだった。カミングスのバスケットカウント、#8張本天傑の3pなどで名古屋Dが10点リードする。川崎・藤井に得点を返されるが、名古屋Dが8点リードでオフィシャルタイムアウトを迎えた。

Bリーグ,川崎ブレイブサンダース,バーノン・マクリン,Ⓒマンティー・チダ


一方でホームの後押しを受け、マクリンの得点により追撃態勢に入った川崎。じわじわと点差を縮め、残り40秒には藤井の得点で3点差まで追い上げた。しかしファウルゲームなどで2点差となり勝ち越しまでには至らず、78-80で川崎は名古屋Dに敗れた。

「最後の2スローを決めるべきだった」バーノン・マクリン

この日は、#22ニック・ファジーカスが第14節の富山戦で退場処分となり、今節は規約・懲罰規定で欠場。辻はベンチ入りしたものの、出場までには時間がかかる見通し。さらに篠山は前日まで体調不良で、コンディション調整のため、スタート5には名を連ねていなかった。

「申し訳ないことをしてしまった。ニックも辻も出場できない中、自分がやらないといけなかった。迷惑をかけてしまった」と篠山も反省しきりだった。

40分フル出場を果たしていたマクリン。前半はうまく抑えられていたが、後半は修正して得点を重ねていく。「インサイドの所は、もうそこしか起点が無く、名古屋さんの少し弱いところかなと思って継続した」と北HCも記者会見でコメントした。

35得点とチームトップの稼ぎ頭となったマクリン。個人の反省として最後の場面について「最後の2スローを決めるべきだった」とコメント。

4Q残り2秒、2点差を追いかける川崎は、ファウルゲームを仕掛けていた。藤井がファウルをし、相手にフリースローを打たせる。権利を受けた名古屋・カミングスはフリースローを2本とも外した。詰めかけた川崎のファンからの猛烈なブーイングで、相手の得点を許さなかった。

攻撃権を獲得した川崎は、果敢にリングに飛び込んでいったが、シュートは外れる。「あそこはバスケットカウントを決めるぐらいにならないといけない」と北HCが苦言を呈したほど、大切なシュートだった。

シュートモーションでファウルを受けていたので、フリースロー2本を打てる権利を獲得したマクリン。これを2本決めれば同点だ。ところが1本目を外してしまった。こうなれば、決めたところで1点加算となるだけで同点にはならない。そのため、外してオフェンスリバウンドを獲得し、時間一杯で得点した方が同点のチャンスはある。

2本目を打つ前、コートサイドからは北HCが「外せ」と叫んでいたが、マクリンにその声は届いておらず2本目を沈め1点差にしてしまう。
「ローポストで得点はできたが、負けてしまったので気持ちが良いとは言えない。後半からローポストの動きを調整することができ、それが結果につながった」とペイントエリアで攻撃の起点となったことについても振り返る。

結果としては敗れたが、前半のビハインドから2点差まで詰めての敗戦だった。「よく後半盛り返したな」と一定ではあるが、北HCも評価を下す。

ファジーカス不在の中、インサイドで孤軍奮闘したマクリン。「ニックがいない中、たった2点差しか負けていないので、負けだけど色々学んだこともあった。ニックが戻ってきたら、もう少しチームのレベルを上げることができる」と敗戦を前向きに捉えていた。

長いシーズンを戦っていく上で、必ずしも選手全員が万全に体調を整えられるとは限らない。今回のように、ファジーカスが懲罰規定ながら欠場したとしても、チームとして戦っていかないといけないからだ。

Bリーグ,川崎ブレイブサンダース,バーノン・マクリン,Ⓒマンティー・チダ


ファジーカスが戻ったDAY2はオーバータイムの末、101-91で名古屋Dを下し1勝1敗とした。今回の名古屋D戦は2戦とも守備に苦しみながら、後半は追い上げ体制を作れていた。この1勝1敗が、チームの成長に大きな手助けとなる分岐点になるよう願うばかりだ。