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【Bリーグ第13節】千葉ジェッツ 役割を果たしたジョーンズ、石井

2018 12/14 16:44マンティー・チダ
Bリーグ,トレイ・ジョーンズ,石井講祐,千葉ジェッツ,Ⓒマンティー・チダ
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千葉が8連勝 ジョーンズ、石井が攻撃面で躍動

北海道は#8多嶋朝飛がコーナーから3pを決めて先制すると、千葉も#21ギャビン・エドワーズが得点。五分の戦いを見せていた。

しかし残り4分30秒、千葉は#10アキ・チェンバースに代わって、10月13日の三遠戦以来のロスターとなった#7トレイ・ジョーンズがコートに入り、すぐにレイアップを沈める。次の攻撃でも果敢にドライブを仕掛け、#27石井講祐の3pをアシストした。流れに乗った千葉は、#2富樫勇樹がジャンプシュートを決めて7点リード。ここで北海道はたまらずタイムアウトを請求した。

タイムアウト後も、ジョーンズの勢いはさらに増す。ダブルクラッチを決めるなど、リングに向かってアタックし、結局千葉が10点リードで1Qを終了する。

2Qに入っても千葉のペースが続く。このQからコートに入った#11西村文男の3pを皮切りに、#5田口成浩、ジョーンズが3pを沈め、守備もオフィシャルタイムアウトまで、北海道をわずか5点に抑えて、ダブルスコアでリードを奪う。終盤に向けても石井が2本3p入れるなど、アウトサイドから得点を重ねていく。北海道は#17川邉亮平の3pを含む5点に抑えられ、千葉は前半終了時点で22点リードとする。

千葉のエンジンは後半になるとさらに加速。石井の3pから始まり、#3マイケル・パーカーがオフェンスリバウンドからのジャンプシュート、エドワーズのダンクなどが決まり、得点差はどんどん広がっていく。北海道の#13デイビッド・ドブラスにゴール下で決められるシーンもあったが、千葉のリードは30点台に突入する。64-31となり北海道にタイムアウトをコールされるが、千葉の攻撃は緩むことなく、33点リードで3Qを終了する。

Bリーグ,トレイ・ジョーンズ,石井講祐,千葉ジェッツ,Ⓒマンティー・チダ

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4Qに入ってもプレッシャーをかけてディフェンスをする千葉は、北海道に得点を許さず、田口、#31原修太のレイアップなどで、リードは40点台に入ってきた。終盤、北海道に少し盛り返されたが、結局一度も主導権を譲ることなく試合終了。98-60で千葉が北海道に勝利し、8連勝を飾った。

「しっかりイメージしてレイアップを決めた」トレイ・ジョーンズ

久々のロスター入りだった。左肩関節脱臼で戦線を離脱していた、トレイ・ジョーンズ。出番は1Q残り4分30秒。チェンバースに代わってコートに入ると、すぐに自らボールをキープし、迷うことなくペイントエリアに突入してレイアップを沈める。「インディアナ・ペイサーズに所属している時に、スポーツ心理学の方から『イメージをすることが大事だ』と教わっていたので、コートからしばらく離れていたこともあって、しっかりイメージして入った」とコートに入る前の心境を明かした。

ジョーンズが縦の動きを見せたことで、千葉の攻撃に躍動感が出てきた。ジョーンズ自身も果敢にリングへアタックし、味方の得点につながる動き、自らもダブルクラッチを見せ、6000人を超える観衆が集まった千葉ポートアリーナのブースターを大いに沸かせた。

「最初はシュートの感覚は良くなかったが、試合が進むにつれ、自分の感覚も戻ってきて、自信をもって打てたように感じる。コンディションに関しては100%ではないので、1試合ずつしっかり戻していきたい」と今後に向けて抱負を話した。

試合途中では、インサイドのポジションに入ることもあったが「練習でもやってきたので、特に悪くはなかった。3人のローテーション(エドワーズ、ダンカン)になるので、エドワーズ、ダンカンが抜けた時は、自分も4番という役割もあるので」と違和感なく試合に臨んでいたようだ。

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今回#1ジョシュ・ダンカンが欠場したが、ジョーンズの起用に目途がついたことで、外国籍選手の負担が大幅に緩和できる。年が明けると、天皇杯も含めハードなスケジュールが続くが、その中で、選手を休ませながら試合を迎えることができる。これは、勝利したことよりも大きな収穫となりそうだ。

「チームの勝利を優先するマインドで練習ができている」石井講祐

「絶好調ですか?」と最初に声をかけると、「そうですね。決まって良かった」と石井は笑いながら話す。先週の名古屋D戦では、2試合で7本の3pを投じて、1本も決められなかった。しかし、この日は3pを5本投じて4本決めた。12得点すべて3pで成し遂げたことになる。

「1本目は外してしまったが、2本目で決めたことで、シュートの感覚を掴むことができ、気持ちよく打つことができた」と満足そうに答える石井。

「自分のスタッツよりも、チームの勝利を優先するマインドで練習ができている。スクリーンをしてくれる仲間ありきのシュートでもあるので、お互い助け合いながらできているのではないか」とチームの雰囲気にも手応えを感じているようだ。

前半22点リードしていても、大野HCから「後半の出だしをもっと大事にしていこう」と指示があったようだ。「誰一人として気を抜かずに、チームが目指しているバスケットをやろうとしている意識が高いのは良い」と石井は話す。

そして、1月に開催するBリーグオールスターゲームにおいて、スリーポイントコンテストの出場が決まった。3pシュート成功率で安藤周人(名古屋D)に次いで2位(2018年12月14日現在)につける石井は「出るからには優勝したい」と優勝宣言まで飛び出した。

「いつもとは勝手が違うかもしれないが、やるからには楽しみながら狙っていきたい」と意欲を示した。NBL時代のオールスターゲームでスリーポイントコンテストの出場経験があり、その時は金丸晃輔(三河)に敗れている。

「特化したコンテストに呼ばれるのは、自分のスキルを認められた証拠でもあるので、うれしいですね。(金丸に)リベンジですね」と続けた。

コンテストの準備についても「練習後に、優勝経験のあるシゲ(田口成浩)に手伝ってもらう」と体制は万全だ。

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リーグ開幕の頃に比べれば、チーム状態は明らかに上向きのようだ。それぞれが自分の役割を全うできれば、これから迎える上位チームとの対戦でも、互角以上の戦いが期待できそうだ。