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【Bリーグ第10節】SR渋谷・満原「最後の場面で出場して得点しないと男ではない」

2018 11/22 16:46マンティー・チダ
サンロッカーズ渋谷,Ⓒマンティー・チダ
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Ⓒマンティー・チダ

【DAY2前半】京都はファウルトラブルに苦しむ

Bリーグ第10節。サンロッカーズ渋谷(以下SR渋谷)は、青山学院記念館に京都ハンナリーズ(以下京都)を迎えて試合を開催した。DAY1は京都が最後に#50デイヴィット・サイモンの得点で65-64と勝利。連勝を狙いたい京都、ホームアリーナで雪辱を期すSR渋谷。DAY2はSR渋谷が優勢に進める。

1Q、立ち上がりから2-3ゾーンディフェンスを敷いた京都は、#3伊藤達哉、#12岡田優介、デイヴィッド・サイモンが立て続けにファウル。SR渋谷は、サイモンのファウルから#34ライアン・ケリーがバスケットカウントで加点。さらに#14杉浦佑成が3pを沈め、5点リードした。ここでタイムアウトを請求し、盛り返していく京都。オフェンスリバウンドからサイモンが得点し、伊藤達哉はスティールからファストブレイクを完成。そして、再びサイモンのジャンプシュートで追いつく。残り5分を切ったところで岡田が早くも2つ目の個人ファウルをコールされ、#91片岡大晴に交代。終盤に向けて互角な戦いを続けたが、残り3分を切り、SR渋谷は#24広瀬健太の3p、#6ロバート・サクレのポストプレー、ケリーの3pで一気に引き離し、28-20で1Qが終了。

1Q終了間際の勢いのまま2Qに突入。SR渋谷が#22長谷川智也とケリーの3p、さらにダンクが炸裂し、13点リードする。京都は前半2回目のタイムアウトをコール。そして、#7晴山ケビン、片岡のバスケットカウントで8点差まで詰める。オフィシャルタイムアウト明けに、#23シャキール・モリスの連続得点で京都が6点差まで縮め、タイムアウトをコールしたSR渋谷。再開直後、#9ベンドラメ礼生の3pを皮切りにリードを広げるが、残り1分前後に京都・岡田の3pと伊藤達哉のレイアップで6点差まで盛り返す。SR渋谷が6点リードで前半が終了。

サンロッカーズ渋谷

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【DAY2後半】SR渋谷が終盤にビックラインナップを形成 京都を突き放す

後半出だしでベントラメが3pを決めたSR渋谷だったが、広瀬健太が連続でファウルをコールされる。ここで流れに乗りたい京都だったが、渋谷・広瀬にスティールを許した後、晴山がたまらずアンスポーツファイルをやってしまう。一方、SR渋谷はフリースローと攻撃権の献上後に、ベントラメのアシストからケリーのシュートで差をつける。#33内海慎吾をコートインさせた京都は、SR渋谷のサクレとベントラメにシュート決められが、片岡と内海の応戦で主導権を渡さない。残り4分を切って、SR渋谷はタイムアウトをコールする。

ここから京都はゾーンディフェンスの位置を高い位置まで引き上げ、フロントコートからプレスをかけていく。最初こそ、ケリーがアリウープを決めたSR渋谷だったが、伊藤の得点などで同点まで持ち込んだ京都。結局69-69で3Qは終了し4Qへ向かう。

4Qに入っても拮抗した展開が続く中、残り7分20秒、SR渋谷はベントラメに代わってサクレがコートイン。3Q終盤からコートに入っていた#0満原優樹、そしてケリーと共にビッグラインナップを形成した。

サンロッカーズ渋谷

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しかし、ここで京都にアクシデント発生。伊藤達哉がルーズボール争いに起こったケガで途中退場する。ここからSR渋谷はケリーのファストブレイク、満原のシュートで一気に6点までリードを広げる。京都はタイムアウトを請求し体制をしっかり立て直すが、逆にSR渋谷は満原の好守備とケリーのブロックショットで相手の攻撃をストップさせると、ベントラメが3pを炸裂させ、85-78でSR渋谷を下した。

「『早く出せよ!』ずっと思っていました」SR渋谷・満原優樹

「『早く出せよ!』ずっと思っていました」11月7日以降は出場時間が減少傾向になっていたため、コートに立ちたくて仕方がなかった満原。出番がやってきたのは3Q残り1分だった。#3ファイ・サンバと変わってコートに入った瞬間は「マッチアップしていた選手(シャキール・モリス)が1対1をどんどんやってくる選手だったので、まず1対1でやられないように、あとは相手がゾーンをしていたので、ハイポストに上がってフラッシュするなどをベンチでイメージしていた」と話す。

3Q後半に入って、ここまでフル出場を続けていたケリーに疲れが見え始めると、サンバが呼ばれた。サンバを先にコートへ入れた理由が「サイズが大きかったから」と伊佐勉HC。ところがサンバは、わずか1分30秒余りでターンオーバーと個人ファウルをしてしまい、すぐに満原とチェンジする。それより前にコートサイドのファンからも「満原入れろ」と声が掛かるほど、アリーナ全体が満原の登場を待ちわびていた。

コートに入ってすぐシュートを放つが、得点することはできなかった。「シュートを外した後は、ディフェンスに力を入れていた」と話す通り、ここからはマッチアップしていたシャキール・モリスを止めることに注視。「1対1に関してはイメージ通りできた」と手応えを掴む。

4Qに入るとベントラメに変わってサクレがコートに戻り、ケリーと3人でビッグラインナップを形成。そして、サクレのジャンプシュートとケリーのブレイクが成功後、満原も慎重にコーナーからシュートを決め、6点までリードを広げた。そのことに関して「ライアン(ライアン・ケリー)にファウルが重なるまで、京都の晴山ケビンにマッチアップしていたので、3pをやられないようにしていた。相手もゾーンを敷いている中、ビッグラインナップの時はフロアバランスが悪くなる傾向もあったので、ライアンが中にいるときは外で、外にいるときは中でということはすごく意識した」と語る。さらに「あの場面は良かったと思うけど、その前に約35分間のプレー、みんな走ってという中での最後のビックラインナップだったのが効果的だったと思うし、みんな落ち着いてプレーできたので良かった」と話しており、試合全体の流れが良かったことを強調している。

試合終盤は「自分の持ち味」であるオフェンスリバウンドや、好守備も見せた満原。数字には表れていないが、10分近くプレータイムを確保し、チームの勝利に貢献した。

「いやーまだ全然ではないですかね。まだまだだと思うし、コートに入った時は結果を残すことが大事。ここ数試合最後に出ることが多いので、そこまでにしっかりベンチで準備して、最後に出されるということは本当に重要な部分だと思うし、そこでシュートも決めないと男ではない」

自身が自分の出番と認識した最後の場面で、外国籍選手の負担を減らせるような活躍を続けることができれば、中盤以降上位に顔を出してくるのではないだろうか。