「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

高さのハンデを凌駕する攻撃力!カミングス加入で名古屋Dが台風の目に【Bリーグ】

2018 11/16 11:00SPAIA編集部
バスケットボール,ⒸShutterstock.com
このエントリーをはてなブックマークに追加

今季も3Pシュート多投

西地区で幸先の良いスタートを切ったのは名古屋ダイヤモンドドルフィンズ。開幕節でシーホース三河に連勝すると、その後も下位クラブに対しての目立った取りこぼしがなく、確実に勝利を重ねて西地区の首位に立っている。

梶山信吾ヘッドコーチが就任した昨季は、中盤まで安定さを欠いたが後半に調子を上げてチャンピオンシップに出場。そのスタイルは、外国籍選手を含めて3P シュートを多投するもので、昨季の成功数はトップの琉球に次ぐ528本。得点も79.22と上位に付けた。

そんな特徴的な攻撃の中心となるのが、ルーキーながら昨季も平均10点近い数字を残していた#9安藤周人。今季は得意の3Pシュートを軸に開幕から得点を重ね、13.9点を記録。ドライブでも得点を挙げ日本人エースと呼ぶにふさわしい活躍を見せている。

新加入のカミングスがキーマン

そして、名古屋Dの好調を支えているのが新加入の#2マーキース・カミングスだ。192cmのパワーフォワードということもあり、どうしても高さのミスマッチが生じてしまうが、それを逆手に取りスピードで対抗。切れ味鋭いドライブでディフェンスを置き去りにして、ブロックに飛んできた選手までもフィジカルの強さを生かしてなぎ倒していく。

出場試合数の関係でランキングには入っていないものの、23.9点は非公式ながらリーグ3位の成績だ。外角シュートも得意と、まさにアンストッパブルな存在で、好調な名古屋Dの攻撃の中心になっている。

この2人に引っ張られるように身体能力の高い#3満田丈太郎や#12中東泰斗、堅実な#8張本天傑らが活躍。さらにここに来て司令塔の#21笹山貴哉が復帰し、チームの状態はさらに良くなってきている。

チーム全体でも3Pシュート成功数は147本でリーグダントツ、得点も82.40は3位と、数字に表れているように好調だ。

12月は千葉ジェッツや栃木ブレックスなど、強豪クラブとの対戦が続くが、自慢の攻撃力で打ち破っていく攻撃が想像できる。

カミングス不在時と守備に課題

その中で課題を挙げるのであれば、カミングス不在時をどう乗り切るか。黒星が付いている3試合は全てカミングスが不在。出場試合・時間帯でも彼にかかる負担は大きくなっている。

カミングスがいない試合でも白星を挙げているが、そのときは安藤をはじめとした日本人選手が活躍。安定した活躍が求められる。

また長年の課題であるディフェンスも改善が急務。今季、11月15日時点で10勝以上を挙げているクラブの中で名古屋Dの失点は最多で、リバウンド数も18クラブ中17位。外国籍選手はカミングスのほか、#24ジャスティン・バーレル、#34クレイグ・ブラッキンズと総じてインサイドで体を張る選手ではないため、リバウンドはどうしても弱くなってしまう。

「今季の名古屋Dは昨季と違う」とリーグにはっきり知らしめるためには、さらなる進化が必要だ。