「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【Bリーグ第6節】横浜ビー・コルセア―ズ「走るバスケ」で自信を持つ

,横浜ビー・コルセア―ズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒマンティー・チダ

【DAY1前半】SR渋谷が横浜のゾーンディフェンスを攻略 主導権を握る

横浜、SR渋谷共に互角の立ち上がりを見せていた。しかし、残り6分弱のところで、2点リードしていたSR渋谷の#6ロバート・サクレがバスケットカウントとなる3点ショットでリードを広げる。横浜も#21田渡凌が負けじと得点し、4点差で終盤へ。残り1分を切って横浜・#0細谷将司の3pで同点にすると、横浜は2-3ゾーンディフェンスを敷くが、SR渋谷の#34ライアン・ケリーが得点をし、2点リードされて1Qが終了する。

2Qに入り、横浜は最初の攻撃で#12ジャボン・マックレアが得点すると、2-3ゾーンディフェンスを敷く。SR渋谷は、#32山内盛久が交代でコートに入ってすぐに3pを沈めると、今度は山内のアシストを受けた#0満原優樹が得点してリードを5点とする。直後の守備では、満原と#1清水太志郎がダブルチームで相手に得点を許さない。

その後、山内のダブルクラッチ、ケリーのバックショットでリードは11点となり、残り5分を切ったところで、横浜は#8アマンゼ・エゲケゼのバスケットカウントから反撃に転ずる。相手のファウルが重なりフリースローで着実に得点して点差を詰めると、オフェンスリバウンドから田渡が得点して3点差とする。ここでSR渋谷は2-3ゾーンディフェンスを敷き、#24広瀬健太がスティールを決めるが、横浜も#1川村卓也がスティールをやり返す。終盤、SR渋谷はケリーがレイアップを2本続けて入れて、横浜を6点リードし前半が終了する。

横浜ビー・コルセア―ズ

Ⓒマンティー・チダ

【DAY1後半】横浜はマンツーマンディフェンスに切り替え、逆転勝利に成功

後半に入り両チームのスコアが動かなかったが、残り5分を切って、横浜マックレアのバックショットをきっかけに、試合が動く。

横浜は速攻からエゲケゼが得点し1点差まで詰めると、田渡が2連続でスティールに成功する。すぐに得点には繋がらなかったが、マックレアが連続得点をし、細谷が3pを沈めて逆転に成功。横浜が3点のリードを奪い最終Qへ。

SR渋谷は4Q出だしの守備から、2-3ゾーンディフェンスを敷き、相手の攻撃を抑えて、サクレがダンクを叩き込む。そして、再び2-3ゾーンディフェンスを敷き、#7伊藤駿のディフェンスファウルがあったものの、サクレがブロックショットで難を逃れる。

横浜は1点差まで詰められるが、川村の3pで引き離しに成功。エゲケゼが速攻から得点し、4点リードでオフィシャルタイムアウトを迎える。タイムアウト明け、横浜はSR渋谷・サクレにダンクを決められるが、川村、エゲケゼの3pが連続で決まり再び引き離しにかかる。終盤SR渋谷・#9ベンドラメ礼生にレイアップと3pを許し、横浜は4点差まで詰められものの、最後は踏ん張り84-79でSR渋谷に勝利した。

横浜ビー・コルセア―ズ

Ⓒマンティー・チダ

「マンツーマンディフェンスをステップアップしよう」トム・ウィスマンHC

横浜は今季からトム・ウィスマンHCが指揮をする。ウィスマンHCは2016-17シーズンに栃木ブレックスを初代Bリーグ王者へ導いた実績がある。HCの交代で、昨季から大きく変わったのが、とにかく走ることだ。ディフェンスにフォーカスをし、オフェンスに切り替わった時点で、リングへ一目散に走っていく。この日も速攻から得点をするシーンが何度もあった。守備面もマンツーマンディフェンスで、相手選手に密着マークを展開した。

前半は2-3ゾーンディフェンスを敷いていた時間帯もあったが、後半からは一切なくなり、マンツーマンディフェンスで勝負。「ハーフタイムの時に、ロッカールームでマンツーマンディフェンスをステップアップしよう」と選手に檄を飛ばした。その結果、3Qは相手を12点に抑え、リバウンド争いも優位に立った。

「今日の立役者は#25竹田謙選手。ディフェンスでチームにエナジーを吹き込んでくれた。40歳なのに、それができることは尊敬に値する」といぶし銀の活躍を見せたベテランの活躍を称えた。

「後半からシュート決定率も上がり、改めてディフェンスは大切だということを認識した。相手がゾーンだろうと、マンツーマンだろうと、オフェンスのスピードを遅くするのではなく、走り続けたことで、オフェンスのテンポをつかめた」とディフェンスからきっかけを掴んだ事に手応えを口にする。

残念ながらDAY2で22点リードからひっくり返され、SR渋谷との対戦成績は1勝1敗に終わったが、ウィスマンHCが掲げる「走るバスケ」がチームに浸透してきた場面も垣間見えた。シーズンはまだ序盤。長いシーズンの中で、走るバスケを継続できれば、勝利を重ねるシーンも生まれてくるだろう。

横浜ビー・コルセア―ズHCトム・ウィスマン

Ⓒマンティー・チダ

「自分たちはできるという自信を持つ」田渡凌

田渡は第6節を迎える時点で、6試合連続スタート5に名を連ねている。勝負どころでは、ジャンプシュートをしっかり決めて得点にも貢献していた。この日は前半に多くの得点を許し、厳しい状況の中、後半を迎えていた。「SR渋谷さんは得点力がそこまで無いが、守備を頑張るチーム。しかし、相手に前半36点取られていたので、後半守備に集中しないといけない」と考えていた。

「守備に集中しないと、後半自分たちのリズムは掴めない。コーチからも言われていたので意識して戦った」と振り返る田渡。

チームディフェンスも後半からマンツーマンディフェンスに切り替えたことについては「前節の新潟戦で40分間ゾーンディフェンスを敷いたが、相手のリズムで試合が終わってしまいダメージが残った。今日も、どこかでマンツーマンディフェンスを混ぜる必要があり、マンツーマンディフェンスもできるということを証明できた」と話す。

横浜ビー・コルセア―ズHCトム・ウィスマン

Ⓒマンティー・チダ


「勝つことが一番の薬」と田渡は勝利に飢えていた。「自分たちはできる」という自信を持つことで、チームも田渡も大きくジャンプアップできる。DAY2のように22点リードから逆転負けという経験も、学ぶべきことはたくさんある。ただ、学ぶだけではなく良い結果に結びつけるためのプロセスにしないといけない。今、チームは変化の最中、変化を成し遂げた時、どのような姿になっているのか注目したい。