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2018-19シーズン開幕節から見る今季のBリーグ 川崎、富山、名古屋Dが絶好スタート

2018 10/12 15:00SPAIA編集部
バスケットゴール
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エース不在の川崎が2連勝。新たなスタートを飾る会心の試合運び

開幕に先立って行われた千葉ジェッツと川崎ブレイブサンダースの一戦。川崎はエースの#22ニック・ファジーカスが足首のケガで不在だったが、昨季準優勝の千葉を相手に2連勝した。

その要因となったのはバランスの良い攻撃と相手の長所を消したディフェンスだ。絶対的な得点源が不在だからこそ、司令塔の#7篠山竜青を軸に各選手の強みを生かした攻撃を展開。シューター#14辻直人、インサイドで力強さを発揮した#21バーノン・マクリン、幅広いプレーを見せた#31シェーン・エドワーズなど、初戦は5名、第2戦は4名が2桁得点を記録した。

ディフェンスでも、千葉が得意とする速い展開を見事封じ込めることに成功。昨季、千葉のファストブレイクポイントは平均17だったが、この2戦でわずか12と5。武器を封じられた千葉は、自分たちのリズムで攻撃を展開できなかった。

オフェンスという得意な部分を見せ付けながら、相手の強みをも消すバスケットで、エース不在ながら好スタートを切った川崎。運営会社がDeNAバスケットボールに変わった初陣で勝利し、連勝を飾った。

今季のダークホースか。ハイスコアゲームで2勝の富山と名古屋D

一方、連敗スタートとなった千葉。速い展開を出せなかったこと、#34小野龍猛の不調など敗因はいくつかあるものの、悲観することはない。#2富樫勇樹は健在であり、#21ギャビン・エドワーズなど脇を固める選手たちも決して調子が悪いわけではない。

また千葉はエドワーズのほかにも、強力な外国籍選手が在籍し、試合によって彼らの登録を入れ替えることが可能。選手層の部分では申し分なく、あとは日本人ウィングポジションの得点力アップに期待したいところだ。

川崎のほか、2連勝スタートをきったのは栃木ブレックス、アルバルク東京、富山グラウジーズ、琉球ゴールデンキングス、名古屋ダイヤモンドドルフィンズの5クラブ。なかでも注目したいのが、富山と名古屋Dだ。

2年連続で残留プレーオフに進んでいる富山は、#11宇都直輝の負担軽減が大きな課題だった。そこで、かつてタイムシェアを駆使してトヨタ自動車(現A東京)を優勝に導いたドナルド・ベックヘッドコーチが就任。トヨタ自動車時代と同様、富山でもタイムシェアを取り入れ、宇都の開幕節の出場時間は2戦ともに30分以下になり、昨季より10分近く減少した。その分勝負どころで力を発揮できるようになり、宇都は数字以上の存在感を放っている。

さらには#0レオ・ライオンズ、#34ジョシュア・スミスの両外国籍選手が開幕節で大暴れ。#6船生誠也、#7阿部友和など移籍組も好調で、攻撃力の高い今季の富山はダークホースとなる可能性を秘めている。

そして、三河に連勝した名古屋Dは梶山ヘッドコーチが掲げる「攻撃的バスケット」が開幕間もないにも関わらずチームに浸透している。どこからともなく3Pシュートを全選手が放ち、若い選手たちがコート狭しと躍動。新外国籍選手の#2マーキース・カミングスも幅広い活躍で、すでにチームの得点源になっている。

司令塔の#21笹山貴哉が不在だったが、その中での連勝は、チームが自信を付ける上でも大きな意味を持つ。

開幕節が終わったばかりではあるが、すでにチームカラーがはっきりしてきた。躍進が期待できるクラブも、まだ成熟度が低いクラブも今後の修正は十分可能。60試合、チャンピオンシップと長い戦いを制し、Bリーグ3代目の王者になるのは、いったいどこのクラブか?

毎週末、バスケットに熱狂する季節を迎え、各クラブの動向から目が離せない。