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千葉ジェッツ、新戦力とともに今季こそリーグ戦王者へ

千葉ジェッツ,Ⓒマンティー・チダ
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Ⓒマンティー・チダ

昨季はファイナルでアルバルク東京に敗れ準優勝

千葉ジェッツ(以下 千葉)は、昨季ファイナルで敗れ、準優勝に終わった。激戦の東地区をトップで通過し、リーグ優勝の呼び声も高かったレギュラーシーズン。開幕戦が行われるのは、リーグトップの観客動員数を記録し、常時5000人前後のブースター(ファン)が訪れるホームの船橋アリーナだ。

今季のBリーグ1部開幕戦は他のカードに先駆け、昨季激しい戦いを繰り広げた川崎ブレイブサンダース(以下 川崎)と対戦する。外国籍選手が入れ替わり、3名の日本人選手が新規加入。そして帰化選手となったニック・ファジーカスにも注目の今季の千葉は、大野篤史ヘッドコーチ体制となり3年目を迎える。そこで、あえてこのタイミングでヘッドコーチと選手に心境を聞いてみた。

千葉ジェッツ

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「慣れるものかと思ったら、変わらず緊張しますね」大野篤史ヘッドコーチ

「慣れたりするものかと思ったら、変わらず緊張しますね」

大野ヘッドコーチは、3季目の開幕を迎えるにあたって心境を語った。1年目であれば、初めてのことが多くて緊張や不安もあると思うが、3度目の開幕を迎える瞬間でも「そこは変わらない。どうなっていくのか不安が大きい」とコートサイドで見せる堂々とした姿とは少し違う印象を受けた。

「開幕戦だな、頑張ろう」と思っていた選手時代。チームを預かる指揮官となると立場も違う。「開幕戦だからというよりも、試合の前日、特にホームゲームの前日は大きなプレッシャーを感じながら過ごしている」と漏らした。

昨季のプレシーズンは、マカオ開催の「SUPER 8」で優勝し無敗だった。しかし今季はアーリーカップ関東、The Terrific 12などで実戦を重ね敗戦した。その中でリーグ戦開幕を迎える。

「プレシーズンでこれだけ負けたのは、3年目で初めてなので危機感はある。しかし、このメンバーで戦えるとスタートしたので、開幕までしっかり仕上げて良い試合を見せられるように責任感を持って取り組んでいる」と意気込みを語った。念願のリーグ戦王者奪取に向けて、大野ヘッドコーチの挑戦が始まる。

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「自分をさらけ出したい。富樫とは呼吸でわかるので合わせる必要はない」田口成浩

新加入選手として千葉ジェッツに入団した#5田口成浩は、2季ぶりにB1の舞台で勝負する。

「覚悟を持って千葉ジェッツに移籍したので、いつもとは違う新たな気持ちで開幕を迎えられる。早く開幕して田口成浩をアピールしたい。自分をさらけ出したい。楽しみですね」と気持ちを新たにしている様子が伺えた。

田口の話となると、やはり秋田ノーザンハピネッツ(以下秋田)の話から始めないといけない。秋田生まれ秋田育ちの田口は、当時のヘッドコーチ・中村和雄に見いだされ、現在日本代表で活躍する富樫勇樹と共にチームの中心選手となる。そしてチーム創設以来初のファイナルズ進出を果たした。準優勝に終わった2013-14シーズンの田口&富樫のコンビネーションは、当時の男子バスケットボール界に大きな衝撃を与えた。

ファイナルで敗れて以降、富樫は海外挑戦の為に秋田を離れ、田口は秋田に残留。田口と富樫が同じチームで顔を合わせるのは、実に4年ぶりだ。「出会ってから兄弟のように接していた。同じチームでやれるとは思っていなかったが、一緒にやりたいという気持ちはあった」と話し、代表活動で合流が遅れた富樫との合わせについて「ほとんどいらない。呼吸でわかるので。目や表情、空気みたいな感じでだいたいわかる。自分が外からシュートを沈めることで勇樹のスペースは空いていく」と富樫とのコンビネーション復活に自信をのぞかせた。

大野ヘッドコーチについては「合流するまでは、クールでバスケットボールに熱いものを持っているという印象だった。実際に顔を合わせても印象そのままで、戦術の細かな指示や、選手への想いはすごく感じるし尊敬できる」とイメージ以上のものを感じ、さらに「オンとオフの切り替えがすごい」と好印象のようだ。その他にも「練習時間は1時間半から長くても2時間。選手、スタッフ全員がピリッとするような空気を大野さんが作るので、身の締まるような練習が出来ている。一方、終わった後の大野さんは面白くて自分の事もいじってくれる。コミュニケーションを色々取ってくれるのでやりやすい」と、うまくチームに溶け込む様子も語られている。

「大野さんの話を試合で遂行すれば、結果はついてくる」田口は指揮官を信頼し、富樫をはじめとした選手たちと共に新たなステージに挑む。船橋アリーナで持ち味を発揮し、勝利の「おいさー!」を何回響かせることができるのか。今季の田口から目が離せない。

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「守備でこれは何だと驚かせたい」藤永佳昭

今季から千葉ジェッツに入団し、開幕を控えた#15藤永佳昭も「緊張はするだろうけど、寝られないということは無い。学生時代からいつもすんなり寝られるので」と心境を明かした。アーリーカップ関東では周りを見過ぎ少々ぎこちなさを感じさせられたが、本人曰く「日を追うごとにタイミングは良くなっている。アーリーカップの時よりは良くなっていると思う」とのこと。

藤永は守備が持ち味のポイントガードだ。富樫や#11西村文男に比べ地味なところは否めないが「守備でこれは何だと驚かせたい。最初からファウルをしないようにがつがつ守備をしたい。攻撃については、コントロールして、空いたらシュートを打って、良いリズムで展開したい」とアピールしている。

昨季名古屋ダイヤモンドドルフィンズに在籍していた藤永は、アウェイで川崎との開幕戦を経験しており、その時は1勝1敗に終わった。「メンバーは変わっているけど、ポイントガードは変わっていない。是非経験は生かしたい」と語る。また、恐らく途中からの出場になるが「チームの勝利を最優先に考えたい」と、「自分がなぜ今コートに立っているのか、理解や集中をして、何分でも良いから、流れを一瞬で変えられるようにしたい」とコメントしている。

新戦力がそろった千葉ジェッツ。リーグ戦王者へ向けての各選手の活躍に注目したい。

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