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得点力だけじゃない!アルバルク田中は万能のエース SPAIA編集部が独断と偏見で選ぶ Bリーグベスト5〜SG編〜

2018 7/31 11:44SPAIA編集部
田中大貴,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

各クラスのスコアラーが集う花形ポジション

バスケットボールにおいてシューティングガードは花形ともいえるポジションで、NBAではマイケル・ジョーダン(元ブルズほか)、コービー・ブライアント(元レイカーズ)などが有名だ。日本では、三河#6比江島慎とA東京#24田中大貴、川崎#14辻直人、横浜#1川村卓也といった代表選手たちがしのぎを削っている。

各地クラブによって異なるものの、このポジションの大きな役割は点を取ることだ。シュート力や突破力に優れ、得点力が高い選手が担うことが多い。また、司令塔を補佐する役割も任され、ターンオーバー(ミス)の少なさやアシスト、ゲームメイクを託される場合もある。そういう意味でもシューティングガードが担っている役割は非常に多い。

正確さの比江島か オールラウンダーの田中か

その中でNo.1プレーヤーを挙げるとすれば、やはり比江島と田中の一騎打ちとなるだろう。

比江島は言わずとしれた日本のエースで、学生時代から数字上ではあまり計れないここ一番の勝負強さを発揮してきた。特筆すべきはシュートの精度で、今季挙げている平均12.9得点は日本人5位の数字である。

シューティングガードはリングから遠い位置を主戦場とするため、どうしてもシュートの確率が落ちてしまう。しかし、比江島のフィールドゴールパーセントは驚異の50.5%で、ポイントガード、シューティングガード、スモールフォワードの中ではダントツのトップ。

この結果から、シュート力の高さに加え無理なシュートは打たないなど、判断力も兼ね備えているということが読み取れる。そして、「(得点+リバウンド+アシスト+スティール+ブロック)–(フィールドゴールの失敗数+フリースローの失敗数+ターンオーバー)」で導かれるエフィシェンシー(選手を公平に評価する数字)も富山#11宇都に次いで日本人2位の成績だ。

例年に比べ調子が良い今季の比江島は、1桁得点に終わった試合も多く、時には0点に終わったことも。チームの方針とはいえバラバラな出場時間で受賞したMVPは、数字の上で少々物足りない部分もあった。

一方、田中は非常に活躍の場が広い選手である。得点力(平均12.2得点は日本人7位)もさることながら、今季はアシストが5.1本と倍近く増加。特に#53アレックス・カークとのアリウープする場面は、多くのファンの脳裏に焼き付いていることだろう。そして毎試合30分近い出場時間が与えられていながら、ターンオーバーが1.3本と非常に少ない。A東京を優勝に導き、エースと呼ぶにふさわしい活躍を見せてくれた。

田中は体調不良やケガもあり、53試合の出場。全試合のスタッツを見ると、たとえ1桁得点に終わってもアシストが多く、短い出場時間であってもしっかりと存在感を残している。また、メンバーの調子が悪いと見るやいなや、すぐさま仲間のサポート役に回るなど、得点を大前提に置きながら自らの役割を瞬時に変えられるのは彼の魅力の一つと言える。

比江島と田中、非常にハイレベルな選考ではあるが、数字的な総合力で上をいっているのは田中だろう。得点力とポイントガードレベルのアシスト数とターンオーバーの少なさは、“数字上”ベスト5と呼ぶにふさわしい。