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3人制バスケプロリーグ「3x3.EXE PREMIRE 2018」開幕

3人制バスケ
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Ⓒマンティー・チダ

今年で5シーズン目、6カンファレンス36チームで開催

3人制バスケ「3x3.EXE PREMIRE(スリーバイスリー ドット エグゼ プレミア)」が今年も開幕した。2014年に8チームでスタートし、年々参加チームが増加している。今年は6カンファレンス36チームがしのぎを削る。7都市(仙台市、千葉県印西市・習志野市、静岡県焼津市、佐賀県唐津市、大分市、鹿児島市)で初開催を迎え、試合数も454試合に増加した。3人制バスケは東京五輪の正式種目に採用されているため、これからますます注目を集めるだろう。

同リーグは、6月初旬にシーズン開幕を迎え、8月までレギュラーラウンドが行われる。カンファレンスは、北日本、関東北、関東南、中部、西日本、九州・沖縄の6カンファレンスから構成される。さらに各カンファレンスに6チームずつ所属し、ラウンド優勝を争う。シーズン中に一度、6カンファレンス合同で「Cross Conference Cup」を実施し、優勝チームは、7月27日から29日まで宇都宮で開催する「FIBA 3x3 World Tour Utsunomiya Masters 2018」の出場権を獲得できる。

レギュラーラウンドが終わると、各カンファレンス上位2チームに加え、3・4位チームから上位4チームの計16チームによりトーナメントでシーズン優勝を決定する。シーズン優勝チームは「FIBA 3x3 World Tour Chengdu Masters 2018」の出場資格を得ることができる。

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3人制バスケ「3 x 3」のルールとは

3人制バスケの主なルールについて認知度がそこまで高くないのでまとめてみた。

・コートは横15m、縦11m。(5人制の半分)
・1チーム3人までコートに入ることができる。控え選手も含め4人でチーム編成をする。
・1試合は10分又は21点先取。(Bリーグは1試合40分、各Q10分ずつ)
・ボールサイズは6号球、重さは7号球。(Bリーグはサイズ・重さも7号球)
・ショットクロックは12秒。(Bリーグは24秒。ただしオフェンスリバウンド後は14秒)
・チームファウル制限は6回まで。7回以降は相手チームにフリースローを1回与える。10回以上の場合は、フリースロー2回の上、ボールの所有権を確保できる。
・得点は1点。(2点ポイントエリアの外であれば2点)
・攻守交替した後、ボールを保持したチームの選手は一度2点ポイントエリアの外に出ないといけない。

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2018年のROUND1を制したチームは?

3x3.EXE PREMIREの開幕戦(ROUND1)が6月9日、10日と3会場で開催された。

北日本、関東北カンファレンスは9日に東京都で行われ、それぞれ「BREX.EXE」「TACHIKAWA DICE.EXE」が制した。 中部、西日本カンファレンスはそれぞれ「SEKAIE.EXE」「OSAKA DIME.EXE」が優勝し、九州・沖縄カンファレンスは「KARATSU LEO BLACKS.EXE」が優勝を決めた。

「SEKAIE.EXE」「OSAKA DIME.EXE」「KARATSU LEO BLACKS.EXE」は今シーズンからの初参戦でラウンド優勝となった。

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昨年のシーズンを制した「TOKYO DIME.EXE」が関東南カンファレンスの開幕戦を制する

関東南カンファレンスは10日に大森ベルポートで行われ、「TOKYO DIME.EXE」(昨シーズンまでの名称はDIME.EXE)が制した。同チームは選手としてもプレーする岡田優介、芸人の田村裕(麒麟)、大西ライオンが共同所有という形で運営する。選手は岡田の他に、日本のトップリーグでもプレー経験が豊富なエドワード・モリス、ジョシュア・ドラード、3人制バスケ日本代表の小松昌弘と鈴木慶太、2度のシーズン優勝を知る岩下達郎で編成する。

レギュラーラウンドは6チームが2グループに分かれてリーグ戦を行い、上位2チームが準決勝に進む。そして決勝には「TOKYO DIME.EXE」と「YOKOHAMA CITY.EXE」が勝ち進んだ。「YOKOHAMA CITY.EXE」には、リーグトップの世界ランク22位、クラブ世界一決定戦で優勝した経験を持つ、二コラ・パヴロヴィッチが所属する。

試合は、TOKYO DIMEジョシュア・トラードがインサイドに切り込んでスコアを重ねれば、YOKOHAMA CITYも二コラ・パヴロヴィッチの個人技が冴えて互角な戦いを演じる。しかし、中盤になって、TOKYO DIME・岡田が2pシュートを炸裂させ流れを引き寄せると、その後はTOKYO DIMEが優位に試合を進め22-16で勝利し優勝を手中に入れた。MVPにはジョシュア・ドラードが選出された。

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「カンファレンスを勝ち続けることが使命」TOKYO DIME・岡田優介

優勝を決めたTOKYO DIMEの中でも、ひときわ存在感を大きく見せていたのはオーナーも兼任する岡田優介だった。決勝戦の優勝を決めた2pシュートや、流れを手繰り寄せる2pシュートを入れるなど、要所では岡田が見せていた。「任せてください。おいしいところは持っていきますから」と笑顔で話すも「コンディションは最悪だった」と明かした。

公式戦の出場は、Bリーグ京都ハンナリーズがアルバルク東京と試合をしたクォーターファイナル以来。「足が痛かったので、限られた時間の中でやりました。みんなが頑張ってくれたおかげ」と喜び、「OSAKA DIMEも優勝しているのに、TOKYO DIMEも優勝しないといけないでしょう。両方見ていたので」とOSAKA DIMEとのダブル優勝にほっとする場面も見せた。

「決勝の相手、YOKOHAMA CITYは二コラをはじめ外国人が3x3慣れしているので、勝利も含め良い経験値になった。BEEFMAN.EXEもBリーグ選手が所属しているので良いライバルになると思う」とカンファレンスのライバルになるチームにも目を光らせていた。

岡田は選手としても3シーズン目を迎えた。「今日は勝たないといけないと思った。大事なのはクロスカンファレンスやプレーオフなので、カンファレンスで勝ち続けることがDIMEに与えられた使命でもある」と意欲を示した。

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「総合優勝に向けては通過点」TOKYO DIME・岩下達郎

過去2回シーズン優勝の経験がある岩下達郎は、ラウンド優勝を決めても気を引き締めていた。「この結果は嬉しいけど、単体のラウンドなので総合優勝に向けては通過点。一つ一つ着実に積み上げていきたい」と優勝に浮かれることなく、視線は次に向いていた。

岩下は、3人制バスケ選手として活動する傍ら、普段は商社勤務の日々を送っている。大学時代は慶應義塾大学で大学日本一、5人制の年代別日本代表にも選ばれた実績を持つビッグマンだった。しかし、大学卒業後は一般企業に就職する。

チームも全員が揃って2週間が経過したところで、開幕戦を迎えていた。「日本代表で2人(鈴木と小松)いない中、着々とかみ合い方が良くなっている。実戦で結果を得られたのでこれを糧にして次のラウンドに向かっていきたい」と手応えを示した。

「コンディションを各自ある中、戦い方は調整しながらしていた。ファイナルで勝ち切れたので良かった」と決してチームのコンディションは万全でなかったようだ。

「この結果に甘んじず、結果を積み重ねることが大事。3か月半は集中を切らさずやっていきたい」3x3の戦い方を熟知する岩下がチームにもたらすものは大きい。ラウンドを積み重ねていく中でどう成長するのか注目をしていきたい。

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