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「日本一丸」男子バスケ日本代表、W杯予選に向けてファジーカス、八村らを選出【男子バスケ日本代表記者会見】

男子バスケ日本代表,記者会見,ⒸSPAIA
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ファジーカス、八村を含め24人の日本代表候補選手を発表

W杯アジア地区1次予選WINDOW3の2試合、6月29日のオーストラリア戦(日本・千葉ポートアリーナ)、7月2日のチャイニーズ・タイペイ戦(チャイニース・タイペイ)に向けて日本代表候補24人が発表された。富樫勇樹(千葉)、比江島慎(三河)馬場雄大(A東京)らの常連に加え、日本で最もNBAに近い選手と言われている八村塁(NCAA ゴンザガ大)や4月に日本国籍を取得したファジーカス・ニック(川崎)が選出された。

日本代表候補となった24選手は以下の通り。

  • 太田敦也(三遠)
  • 竹内譲次(A東京)
  • ファジーカス
  • 古川孝敏(琉球)
  • 橋本竜馬(三河)
  • 篠山竜青(川崎)
  • 辻直人(川崎)
  • 比江島慎
  • 熊谷尚也(大阪)
  • 宇都直輝(富山)
  • 永吉佑也(京都)
  • 田中大貴(A東京)
  • 西川貴之(三河)
  • 張本天傑(名古屋D)
  • 富樫勇樹(千葉)
  • ベンドラメ礼生(SR渋谷)
  • 渡邊雄太
  • 馬場雄大(A東京)
  • 玉木祥護(筑波大)
  • 平岩玄(東海大)
  • シェーファーアヴィ幸樹(ジョージア工科大学)
  • 八村塁(ゴンザガ大学)
  • テーブス海(ノースカロライナ大学ウィルミントン校)
  • 田中力(IMGアカデミー)

※所属は2018年6月10日現在

結果を残すために組まれたチーム編成「可能性は十分にある」フリオ・ラマスHC

記者会見の冒頭から、日本バスケットボール協会の三屋裕子会長が「もうがけっぷちです。欲しいのは結果だけ」と危機感を見せ、東野智弥技術委員長も「東京五輪を迎える上で、1976年のモントリオール五輪から破られていない壁を破らないといけない」と言葉厳しく挨拶をした。

チームを指揮するフリオ・ラマスHCは24選手の選考について「現状ではベストのチームでタレントが揃っている。心臓とフィジカル面で評価できる選手を候補として選考できた」と、手応えを示した上で「オーストラリア、チャイニーズ・タイペイに勝利する可能性は十分にある」と力強く宣言した。

ワールドカップ1次予選本番まで選手選考が残されている為、戦術面などは明かされなかったが「ファジーカスは4番(PF パワーフォワード)か5番(C センター)、八村は3番(SF スモールフォワード)か4番を担うだろう」とだけ話した。

この2人がW杯を突破する上でカギを握るのは間違いないという事が伺える。

男子バスケ日本代表,記者会見

「リバウンドや高さで負けていると思っていた」八村塁(ゴンザガ大)

ラマスHCからは「よく帰ってきてくれた」と喜んでもらい、記者会見中「リバウンド」という言葉を繰り返し使っていたのは、今回の代表候補で一番注目を集めた八村だった。

フィリピンやチャイニーズ・タイペイに、リバウンド数で上回ることができなかった1次予選を振り返り、「リバウンドや高さで負けていると思っていた。リバウンドでチームに貢献できればと思う。高さもあるけど、リバウンドから速攻に持ちこむ、ブロックショットや1番から5番のポジションを担える」と、自身の強みを淡々と語る八村。

また、期待されていることについて質問が及ぶと「期待をされているのはうれしいが、僕だけのチームでもないし、誰か2・3人のチームだけではない。選手・スタッフ全員で良い結果をもたらせるように頑張りたい」と続けた。

同じく日本代表候補に選出された太田も八村について「若くて能力が高いですね」「自分自身を抑えることもない」と感心し、「年齢を重ねると自分を抑えてしまう場面も」と苦笑した。自身がすべきことは「彼ら(八村、ファジーカス)にどうやってうまくやらせるか」だそうだ。

男子バスケ日本代表,記者会見

「トップレベルのスラッシャーになりたい」宇都直輝(富山)

ファジーカスと八村が選出されたことで、インサイド選手に注目が集まっている今回の日本代表候補。ガードのポジション争いは、さらなる熾烈が予想される。

チームの司令塔となるポイントガード(1番 PG)は、富樫をスタート5に起用し、篠山が2番手で出場するケースが多く、比江島が2番(SG シューティングガード)と兼任で起用される場面もあった。さらに今回は橋本、宇都、ベントラメ、テーブス海がポイントガードとして選出されている。

Bリーグ入替戦で富山の1部残留に貢献した宇都は「外国人相手にドライブをどれだけできるかを一番練習している」と話し、「外からのシュートは練習次第で打てるチャンスは増えると思うが、中に入っていける力があるのは自分にとって良いことだし、できる選手も限られると思う」と次なる目標とその理由を語った。

先日の入替戦も含め、富山では積極果敢にドライブを仕掛けチームの1部残留に貢献した。外国人相手にドライブを仕掛けることが得点につながれば、代表チームにとっても貴重な財産となる。

「トップレベルのスラッシャーになりたい」と話す宇都は、ワールドカップの代表入りも視野に入れながら自身のプレースタイルに磨きをかけ、世界と勝負するようだ。

男子バスケ日本代表,記者会見

「日本一丸」に込められた想い 「ツジーカス+篠山」を代表で

記者会見の途中で予選に対する意気込みを発表する場面があり、選手を代表して篠山が直筆で「日本一丸」と書いた書を披露した。そこには「候補となった24人の選手は、一人の力でここまで来たわけではない。様々な方々の協力でここまで来ることができた」という想いが込められているという。ラマスHCも「我々だけではできない部分もあるので、全員で一緒に次のステップに進みたい」と補足した。

書を披露する場面ではサポート役に回った辻は「僕が『日本一丸』という言葉を出した。それをあの人(篠山)が書いただけです。字は普通にうまいですね。」「そして行き着いた先がマイクアシスタントということでした」と笑いながら裏事情を披露した。

WINDOW2で得意の3pシュートを多数決め、日本代表の得点源となった辻。今回、川崎からファジーカス、篠山と共に召集されたことについて「コートに立てばチームメートなので相当やりやすい」「全力で試合に臨むだけです。良い形で迎えられると思う」と大いに歓迎した。

辻の3pシュート成功率が高くなれば、日本代表の勝利も近くなるだろう。代表の大舞台での「ツジーカス+篠山」を期待したい。

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