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苦しみながらも横浜1部残留 昨年の経験値生きる【B.LEAGUE残留プレーオフ2回戦】

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Ⓒマンティー・チダ

【前半】横浜・川村が前半だけで13得点し、チームを引っ張る

立ち上がりから少し重い展開でスタートした残留プレーオフ2回戦。残り8:03富山#15青木が1Qのチームファウル5個目となるディフェンスファウルをコールされ、ここで得たフリースローを横浜#1川村が2本揃えて先制する。富山#11宇都にドライブから得点を決められるも、両チームスティールの奪い合いの末、川村が3pシュートを外から沈める。残り5:54、横浜は川村がレイアップを入れると、川村のアシストから#34サビートが得点し、さらに川村がピック&ロールから点を決めるなど、横浜が10点リードとし、富山は残り3:34タイムアウトを請求する。

横浜は#25竹田がスティールからボールを奪うと、富山#45ピットマンのディフェンスファウルから竹田がフリースロー2本決める。終盤、富山は#22上江田とピットマンが得点し、さらに上江田が3pシュートを沈めるが、横浜9点リードで1Qを終了する。

2Q開始後、スコアが動かない展開が続く。残り8:05、富山・上江田が得点した後、横浜は#4パーマーがバスケットカウントとなる3点ショットを決める。次の守備で上江田が好プレーをみせるが、横浜は#21田渡とサビートでアリウープダンクを成功させて、16点までリードを広げる。

中盤に入り富山は、宇都の個人技から得点をするなど上昇のきっかけをつかもうとするが、点差はつまらない。終盤、富山は#24大塚の得点から追い上げムードを作る。横浜#8満田にブロックショットを決められるが、ピットマンのバスケットカウント、最後は上江田の3pシュートで7点差まで詰めたところで前半を折り返した。

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【後半】富山に逆転を許したが、速攻からの展開で息を吹き返した横浜が1部残留に

後半も重たい雰囲気でスタートしたが、宇都のスティールから富山が流れに乗る。ウィラードが3pシュートを含む連続得点し、富山は同点に追いつき、残り6:19横浜はタイムアウトを請求する。タイムアウト後、今度は横浜がペースを握る。川村が3pシュートできっかけをつかむとサビートのダンクを挟んで、川村が再び得点をする。リードを許した富山は、#34ウィラードが3pシュートなど連続でシュートを決めて、1点差まで詰める。

終盤になり富山は宇都のドライブから、ウィラードのダンクで勝ち越しに成功し、富山2点リードで3Q終了する。

3Qで逆転に成功した富山は、宇都の得点などでリードを広げる。6点ビハインドとなった横浜は、満田の3pシュートから追い上げムードとなり、速攻から#0細谷のレイアップ、そして再び速攻から細谷のアシストを受けたサビートがダンクを決めて2点差まで詰める。

富山は残り2:19タイムアウトを請求するが、横浜はパーマーが3pシュートを入れて勝ち越しに成功。3点リードとし、再び富山はタイムアウトを請求する。終盤、富山は1点差まで詰めるシーンもあったが、結局、横浜が逃げ切った。残留プレーオフ2回戦は、横浜が79-76で富山を下し、1部残留を決めた。富山はB2熊本と入れ替え戦に臨む。

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「ボールを持った時はプッシュする。チーム一丸となって勝利できた」横浜・細谷

東京都大田区西蒲田にある片柳アリーナには、2887名のブースターが集結した。ブースターから両チームに送られた熱い声援がコート上で大きく響き渡り、ゲーム展開にも大きく影響した。前半の立ち上がり、横浜はファウルの数が多くなり厳しい展開となる予感もしたが、川村を中心に得点を稼ぎ、試合を優位に進めた。

しかし3Qに、富山・宇都のスコアなどで同点に追いつかれると、一進一退の攻防となり、4Qに入って富山がリードを広げる。そして残り4:36のオフィシャルタイムアウト、富山が6点リードのところから、この日最大のハイライトが始まる。

横浜・尺野HCはオフィシャルタイムアウトの時に「少し慌てていた場面もあったので、気持ちをリセットさせた。オフェンスはインサイドにアタックし、ディフェンスはトランディション(速攻)、リバウンドをしっかり獲得することまでやるように」と指示を出していた。その言葉に応えるように、細谷は速攻からレイアップを決めて追撃態勢のきっかけを作る。「ウィスマン(アドバイザー)から、アップテンポな展開に持っていくようアドバイスがあった。ボールを持った時はプッシュしようと考えた。他の4人(満田、川村、パーマー、サビート)も合わせてくれた。プッシュしていくことがみんなに伝わっていき、チーム一丸となり良い結果となった」とその場面を振り返る。

細谷も含め、横浜の多くの選手は昨年のB2との入れ替え戦を経験する。細谷は「昨年の経験もあり、今年は最初から落ち着いてプレーが出来ていた」と経験値を強調した。

横浜は1部残留を決めたが、2年連続残留プレーオフ2回戦に進出した事も事実だ。残留圏を抜け出すために、細谷は「徹底する。信じあうこと」が大事だとコメントした。ブースターには「2年連続でこういう想いをさせてしまい申し訳ない」と謝罪する。細谷は自分自身の成長を認めたものの、チームとしては2度目の轍を踏んでしまった。

「徹底する。信じあう」ブースターの熱い声援にこたえるためにも、来期はぜひ「徹底・信じる」ことにこだわりを持って、気持ちよくシーズンを終えてほしい。

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「残り3分から締め直せなかったのは自分の責任」富山・宇都

富山は後半に入ってから、宇都を中心に躍動感あふれるゲーム展開を見せた。客観的にみると、インパクトが強かったのは富山の方だった。3Qは序盤からペースを握り同点とし、4Qは宇都のスティールから得点を重ねリードを広げていった。宇都が1対1を制し、会場を沸かせる場面もあった。

宇都は「勝てた試合だった。4Q残り3分のところでもう一度締め直せなかったのは自分の責任」と話す。残り3分とは、横浜が速攻から得点のシーンを連続で作った場面だ。富山は2回タイムアウトを請求し状況を打開しようとしたが、結局達成できないまま試合は終わった。

富山は敗れたものの、B1残留のチャンスはまだ残っている。B2熊本との入れ替え戦を控える。「B1残留が最低目標ですから」宇都はそう言い残し、最後の戦いに挑む。

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