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【B.LEAGUE試合レポ】第30節 川崎VS.京都 川崎がホーム最終戦を白星で飾る

川崎VS.京都
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ⒸSPAIA

【DAY2前半】京都のスモールラインナップに苦しみながら川崎は優位に進める

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立ち上がりは五分でスタートして中盤あたりから、川崎は#00デービス、#0藤井が得点をして主導権を握る。京都は#3伊藤がバスケットカウントとなる3点ショットを決め1点差に詰めるが、川崎はデービスが速攻でゴール下に飛び込んで6点リードとし、京都は残り4:30タイムアウトを請求する。結局川崎は8点リードで1Q終了する。

DAY2の京都は#5ダブが欠場し、外国籍選手は#34スミスのみだった。2Qオンザコート2(外国籍選手2人)で申請していた京都は、オンザコート0(外国籍選手なし)でスタートする。しかし、京都は10点差で踏みとどまりながら試合を進めていき、残り6:52スミスをコートに戻すと、スミスが幸先よくゴール下から得点を決めるが、そのタイミングでスミスはアンスポーツマンライクファウルをコールされ、川崎に攻撃権を渡す。京都は#43永吉などの得点でこれ以上離れることなく踏みとどまり、川崎10点リードでオフィシャルタイムアウトを迎える。

オフィシャルタイムアウト後、川崎に得点を許す場面もあったが、タイムアウトを挟んで京都の猛攻が始まる。川崎は前線からプレッシャーをかけていくが、京都は伊藤がフローターシュートを決めると、永吉のジャンプショット、スミスのダンク、さらに伊藤のレイアップシュートが決まり6点差まで詰めていく。続けて#7晴山が3pシュートを決めて3点差まで詰めたところで前半は終了する。

【DAY2後半】京都の2-3ゾーンシステムに対しテンポアップした川崎が再逆転で連勝を飾る

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京都は伊藤からアシストを受けた晴山がシュートを決めて流れを掴むと、伊藤がレイアップシュートを決めて逆転に成功し、この日初めてリードを奪う展開とする。川崎も#33長谷川が3pシュートを決めて再逆転するが、京都も伊藤が3pシュートを決めて再び逆転に成功し、続けてスチールからファストブレイクを決めて4点リードとしたところで、川崎は残り6:34タイムアウトを請求する。追いかける展開となった川崎は、速攻から#11野本がレイアップを決めると、ファジーカスがバスケットカウントを獲得し決める。そして、京都#91片岡の3pエリア外におけるシュートモーションによるディフェンスファウルから獲得したフリースローを藤井が3本しっかり決めて、川崎は1点差まで詰める。その後1点差の攻防を続け、川崎・野本がフリースロー1本決めて同点とし、3Q終了する。

4Qに入り京都は川崎のディフェンスファウルから獲得したフリースローを着実に決めてリードを広げていくと、守備では2-3ゾーンディフェンスを敷き、相手の得点を抑えることに成功する。攻撃ではスミスが2本シュートを決めて京都6点リードとし、残り4:39オフィシャルタイムアウトを迎える。

オフィシャルタイムアウト後、引き続き2-3ゾーンディフェンスを敷く京都に対し、川崎は長谷川の3pシュートを皮切りに、ファジーカスも3pシュートを決め、そして#14辻が同点となるレイアップシュートを決めて、残り3:45京都はタイムアウトを請求する。タイムアウト後、点の取り合いになったが、川崎・ファジーカスの得点の後、藤井がスチールを決めて自分で得点し、川崎4点リードとしたところで京都はタイムアウトを請求。逆転に成功した川崎はそのまま京都を振り切った。DAY2は川崎が77-73で京都を下した。

レギュラーシーズン最後のホームゲームで連勝

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川崎はレギュラーシーズンとしては最後のホームゲームを白星で終えることができた。同時に東芝バスケットボール部から68年に渡って続いた、東芝グループの一員としての川崎のホームゲームも最後になった。とどろきアリーナにはラストホームゲームに4,446人が詰めかけ、試合展開もエキサイティングなものとなった。詰めかけたファンからは「川崎コール」「ディフェンスコール」が鳴り響き、数年前のとどろきアリーナでは考えられない光景がそこにはあった。指揮をする川崎・北HCは選手時代も含め、長年にわたり東芝のバスケットボール部を支えた一人だ。

試合の話に戻すと、DAY2は主将の篠山が不在だったことも影響したのか、課題も浮き彫りになった。「うまくいかないときに足がとまる」と北HCは課題を口にする。「守備、攻撃がうまくいかない。そうなると、次どうするの?となり、みんなコートで歩きだした。切り替えを大事にしていかないといけない」と続けた。

篠山に代わりスタート5に名を連ねた藤井は「自分は守備でエナジーを与えられるようにいつも通りした」と試合に入った時の心境を明かした。大観衆のなかで試合を進めていく中で、追いかける展開となっても「大きな後押し」となったようだ。

「BGMが無くても『川崎コール』『ディフェンスコール』が聞こえる。追い上げていく展開は声援なしではできない」藤井をはじめ、川崎の選手たちはファンの後押しで勇気をもらい、そして逆転につなげた。

A東京が琉球と1勝1敗とし、残り3試合で3連勝が必須条件となった川崎だが、この日の声援を胸にレギュラーシーズン、そしてチャンピオンシップを戦う。

オンザコート0で立ち向かった京都

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一方の京都は連敗したものの、昨シーズン歯がたたなかった川崎を追い詰めるぐらいの試合を展開した。そして、DAY2は外国籍選手がスミスだけという苦しい布陣だった。

川崎・北HCも「京都の事はよくわからない」としながらも、「浜口HCを中心にいい意味で嫌らしいチームになっていた。戦術も素晴らしく、スモールラインナップには苦戦した。ハーフタイムの時に『テンポをあげなさい』と指示をしたらシュートも入りだし、最後のダブルチームのディフェンスが効いた」と苦しみながらの勝利が伺えた。

藤井も「予想外だった。でも決して崩されていたわけではなかったが、インサイドを狙いすぎてしまった」と反省の弁をする。

一方、京都・浜口HCは「勝たせてあげたい試合だった」と話し、「膝から下のルーズボールについて修正した」と続けた。スモールラインナップについては、「外国人とか日本人とかの言葉を使うのは好きではない。サイズが低くなるからアクティブに動かないといけない。小さい分ボールもよく動いていた」と一定の評価を下した。

綿貫が怪我のため、ポイントガードのポジションも担っていた片岡は「オンザコート0は相手も少しやりにくかったと思う。どんな状況でも浜口HCは勝負を捨てないから、自分自身もそれをわかっているのでチャンスがあれば切り開くという事が求められた試合だったが、詰めが甘い、勝負どころの判断の悪さなど個人的には悔しい気持ち」と振りかえる。

しかし「アドバンテージがないという厳しい状況はチャンピオンシップでもあると思うので、そのような場面でも数分間戦えることは証明できた。収穫になった」と手応えも付け加えた。

京都は西地区2位でチャンピオンシップ進出が決まっている。相手は恐らく東地区の2位チーム。数的不利になってもこの日の経験を忘れずにステップアップとなると、これほど厄介なチームはないだろう。