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【B.LEAGUE試合レポ】第28節 A東京VS.名古屋 「課題を解決させるのもベテランの仕事」

A東京VS.名古屋
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ⒸSPAIA

【DAY2前半】名古屋Dに立ち上がり主導権を握られるが、A東京は2Qで逆転に成功

A東京VS.名古屋

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DAY1の勢いそのままに名古屋Dが立ち上がりを制する。#24バーレル、#9安藤が3pシュートなどで5得点を稼ぎ、7点リードとしたところでA東京は早々にタイムアウトを請求する。A東京はその後持ち直し、#15竹内のフリースローをきっかけに徐々に差を詰める。#10バランスキーが3pシュートを決めた後、名古屋は#88大宮、#21笹山が連続でファウルを重ね、チームファウルが4回を超えたため、A東京にフリースローを献上。#21レーンは1本決めて2本目を外したが、竹内がオフェンスリバウンドを決めて攻撃権を獲得すると、最後はバランスキーがシュートを決め1点差に詰めたところで1Q は終了した。

2Qに入り、名古屋は#34ブラッキンズがバスケットカウントとなる3点ショットを決めると、#33ティルマンも続いて得点を決める。A東京は#6馬場が得点するも、レーンがその後の攻撃時に、オフェンスファウルをしてしまい、#53カークと交代した。次の名古屋Dの攻撃時に、A東京#1小島がスチールを決め、ファストブレイクに成功。これを皮切りに、カークが同点となるシュートを決めると、#31ウィリアムズが3pシュートを決めてこの日初めてリードを奪う展開となる。名古屋Dのタイムアウト請求後、両チームとも中盤にかけて互角に試合を進めるが、名古屋Dは#6船生の3pシュートで再び勝ち越しに成功し、オフィシャルタイムアウトを迎える。その後、A東京はカークとウィリアムズの連続ダンクで再逆転に成功。名古屋Dもティルマンのダンクで粘りを見せるが、A東京が2点リードで前半は終了した。

【DAY2後半】4Qに5点差まで詰められるも、A東京辛くも逃げ切り勝ち

A東京VS.名古屋

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後半に入りA東京は、竹内が3pシュートも含め連続得点をすると、#3安藤がスチールからファストブレイクに成功し9点リードした残り7:51、名古屋Dはタイムアウトを請求する。名古屋Dはタイムアウト後、#8張本がA東京・カークのバスケットカウント獲得のきっかけになる個人ファウルをしてしまうなど、Q中盤ながら個人ファウルは4回を超えることになってしまうためファウルに気を付けないといけない時間に突入した。そんな名古屋Dに対し、A東京はカークの3pシュートとファウルで獲得したフリースローを決めて、リードを広げていく。終盤には小島が3pシュートを決めてA東京17点リードで3Qは終了した。

4Qになると、A東京も名古屋Dもシュートがなかなか決まらず重たい展開となり、オフィシャルタイムアウトまでA東京は3点、名古屋Dは6点しか獲得できなかった。この段階でA東京のリードは14点。そして、名古屋D・バーレルのダンクなどで少しずつ差を詰めていく。A東京は終盤になっても最後のカークのダンク以外は得点が生まれなかったが、名古屋Dも笹山の3pシュートなどで5点を稼ぎ詰めていく。結局A東京が73-63で名古屋Dを下し、辛くも勝利した。

【振り返り1】「チーム力を上げる手応えはある」A東京・パビチェビッチHC

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A東京は名古屋DとDAY1も含め、1勝1敗で終えた。DAY2は勝利したものの、課題も露呈した。それは4Qのゲーム展開。3Qまでは優位に進めていても、4Qで追いつかれてから逃げ切ること、若しくは逆転されるという状況だ。顕著に現れたのが、23節の北海道戦あたりからで、ここから栃木、川崎、渋谷、名古屋Dの順番で対戦しているが、栃木の試合を除き、1勝1敗で終えている。勝敗関係なく4Qのスコアは負け越しが続いている。北海道戦の前を遡れば、新潟に対し2連敗を喫したこともあった。A東京が1勝1敗ペースで試合を重ねている裏で、千葉がA東京に代わって東地区首位に躍り出ている。

ではなぜ、A東京は4Qで崩れる傾向となってしまったのか?ルカ・パビチェビッチHCは理由のひとつに「代表活動」を挙げた。A東京は日本代表に多くの選手を送り出している。竹内、田中、そして先日ケガから復帰したばかりの馬場。日本人だけで3選手送り出している。けが人も多く出た、竹内、馬場、安藤、小島、バランスキー。他にも公表されていない件があるかもしれない。けが人の多さだけを見ていると、ここまでうまくやりくりをしてきたというのも伺える。

「ここまで様々な問題があり、厳しい状況だった」とパビチェビッチHCは記者会見の席上、そう切り出した。しかし「(チーム力を上げる)手応えはある」と強調する。「チーム内でも色々話をしている。改善しようと努力している。問題があった中で今の状況なので、しっかり冷静に残り7試合最後まで戦う」と話す。

チャンピオンシップの初戦を迎える頃に、4Qの試合展開も含め改善できた状況であれば、もう誰にも止められないチームになっているだろう。

【振り返り2】「課題を解決させるのもベテランの仕事」A東京・菊池

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では選手はどのように感じているのだろうか?

A東京の選手の出場傾向を探ると、特に4Qに限れば、オンザコート2(外国人2人態勢)を採用しているため、インサイド側の選手は外国人となる。ベテランと呼ばれる選手(菊池、竹内、正中)は、最終Qに出場しない傾向にある。選手起用については、チームの方針なので仕方がない部分もある。実際4Qはベンチに座っていることが多い菊池にマイクを向けてみた。

「相手が策を講じている中で、たとえ攻撃が駄目でも守備に影響するようではいけない。日頃の練習から守備が崩れないチームを目指して練習をしてきた。しかし、最近は守備が崩れ負け試合となることや、連勝ができない状況である」とチームの現状について明かしてくれた。

「DAY1の時は守備が崩れてしまい、チームとして反省した。本来ならばベテランが出場して修正をすることが理想なのかもしれないが、出場しないなりにベンチから声で貢献できたと思う」と続けた。

ただチャンピオンシップに関しては、ファイナルまでは2連勝しないと勝ち進めない。菊池は「相手に1日目から勝つチャンスを与えない。そういう戦い方ができない限り、優勝は厳しいと思うので、この課題を残り試合でできる限り解決し、良い雰囲気でチャンピオンシップに入れるようにしていきたい。これはベテランの仕事だと思う」と締めくくった。

これからシーズンの佳境を迎える中で、ベテランの選手たちが、どのように「仕事」をし、課題解決に向けて取り組むのか注目をしたい。