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【B.LEAGUE試合レポ】第26節 川崎VS.A東京「シューターを活かすスクリーンは定着できている」川崎・鎌田

川崎VS.A東京
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ⒸSPAIA

【前半】1Qで優勢にたった川崎が2Qに3pシュートが炸裂し優位に試合を展開する

川崎VS.A東京

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川崎は立ち上がりから#22ファジーカス、#00デービスのハッスルプレーなどで得点を重ねる。A東京も#3安藤の3pシュートで同点に追いつくが、ここから#13菊池、#24田中がディフェンスファウルを取られ、残り4:58の段階でチームファウルは4つを数える。ここから川崎はデービスとファジーカスがゴール下からシュートを決め、ファジーカスはタフショットも決める。A東京は終盤#15竹内のファストブレイクなどで追いすがるが、川崎も#0藤井が3pシュートを決めるなど、川崎が7点リードで1Qが終了する。

2Qに入り両チームとも互いにシュートを決めた後、川崎は3度のオフェンスリバウンドから#7篠山がシュートを決める。ここからお互いに3pシュートを決めていく展開に。オフィシャルタイムアウト明けから、川崎は藤井と篠山が3pシュートを連続で決め13点リードし、A東京は残り3:27タイムアウトを請求する。しかし川崎のペースは続く。#14辻の3pシュートが決まり、速攻から篠山がレイアップシュートを決め引き離すと、A東京は残り1:34再びタイムアウトを請求。終盤A東京は#24田中と竹内がシュートを決めるも川崎が14点リードで前半終了する。

【後半】A東京のファウルにも助けられ、川崎が逃げ切る

川崎VS.A東京

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後半に入り、3Q中盤までは互角の戦いとなるが、残り5分から川崎は#18鎌田、#33長谷川が続けてファウルを重ね、この段階でチームファウルは4回となる。A東京は竹内のアシストから#53カークがダンクを決めて11点差まで詰めたところで、川崎はタイムアウトを請求。このタイミングで川崎は藤井と#17アマンドソンをコートに投入すると、藤井の3pシュートなどで15点リードとしたところで、A東京がタイムアウトを請求。A東京は菊池のレイアップシュート、#10バランスキーの3pシュートが決まり差を詰めるが、川崎は藤井が1対1で勝負をかけシュートを決めて13点リードで3Q終了する。

4Qでは、A東京・菊池のバスケットカウントとなる3点ショットなどで追い上げ、10点ビハインドで川崎に喰らいついていくが、早いペースでチームファウルが4回を数える。ファウルができなくなったA東京に対し、川崎は長谷川の3pシュートを皮切りにリードを14点としてオフィシャルタイムアウトを迎える。その後A東京は粘りを見せるも、残り3:43に#31ウイリアムズがディフェンスファウルをコールされ、テクニカルファウルも宣告されてしまう。川崎は、ここで得たフリースローをファジーカスが3本しっかり決めて引き離す。A東京は終盤にかけて粘りを見せるもファウルを重ねてしまい、川崎が逃げ切る形で勝利をもぎ取った。DAY2は川崎がA東京を89-73で下し、DAY1の雪辱を果たした。

【振り返り1】「球際の部分をきちんとやらないと勝てない」川崎・篠山

川崎VS.A東京

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川崎は前節の千葉、今節のA東京と東地区の上位と戦っていた。しかし、千葉、A東京戦共にDAY1は敗れ、もうこれ以上落とせない状況だった。

この日は特に2Q、3Qの立ち上がりで篠山が積極的にゴールに向かっていく姿勢を見せ、シュートも決めた。「DAY1ではファウルトラブルなどで迷惑をかけてしまったので、今日にかける想いはあった。8日間で5試合というハードなスケジュールの中、終わり方として大事な試合だと思っていたので立ち上がりは意識した」とその場面を振り返る。

2Q残り7:55では、篠山・鎌田がオフェンスリバウンドでボールを拾って、最後は篠山が得点するシーンもあった。「チームとして東地区上位と対戦する場合、球際の部分をきちんとやらないと勝てない。チームに良いスイッチが入った」と続けた。

川崎・北HCも記者会見で「選手が素晴らしいゲームをしてくれた。完璧だった。チームでプレーをしている。5人以上の力が出たと思う」と話す。

篠山も「ディフェンス、リバウンド、ルーズボールで負けるとこのチームは勝てないと思う。それを気づかされた試合だった。残り1か月これらを高めて持続させ、厚みのある攻撃をしていきたい」と今後に向けて意気込みを語った。

【振り返り2】「シューターを活かすスクリーンは定着できている」川崎・鎌田

川崎VS.A東京

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川崎は今シーズンの課題だったオンザコート1(外国人1人)の時間帯で、勝ち越しをすることができた。特に2Qは相手がオンザコート2(外国人2人)の場合が多くて、実際データ上も(第26節時点)平均得点が17.4、平均失点が18.5で、4Q中唯一失点が得点を上回っていた。

この日のオンザコート1の時間帯でキーマンとなったのが鎌田だった。鎌田は野本と共に、オンザコート1の4番ポジション(PF、パワーフォワード)を担当しているが、体を張るポジションでもあり、個人ファウルも多くなる傾向があった。しかし、DAY2は鎌田が20分間出場し、個人ファウルも2回で終えることができた。

川崎はDAY2で3pシュートを10本決めているが、そのうち2Qで5本決めている。北HCも「オフェンスも良いスクリーンをかける、ノーマークで空いたらパスをしていたことで、相手にディフェンスをさせていたことが一番の要因」と話す。

(※スクリーンプレーとは、攻撃側が味方プレイヤーをマークする防御側に対し、コート上のある位置を正当に占めてその進路をふさぎ、味方を追いかけるのを遅らせたり妨げたりすること)

そのスクリーンを効果的にかけていたのが、鎌田だった。「スクリーンの位置、角度を変えながらプレーしていた。いい形でシューターがシュートを打ってくれたので良かったと思う」と結果に満足する。

4番ポジションとしての役割については「(開幕当初より)シューターを活かすスクリーン、体を張ったリバウンドは定着できている」と手応えを感じていた。

スクリーンで味方のシューターをフリーにさせていく動きは地味であるが大事な要素でもある。数字としても評価をしにくい部分である。川崎は篠山、藤井、辻、谷口とシュート力のある選手が揃っている。彼らをお膳立てする役目としても、鎌田の存在はチーム力を向上させるキーマンとなる。彼らをフリーでシュートを打たせるためにも、鎌田が考える「シューターを活かすスクリーン」は今後チームの武器にしないといけない。