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【B.LEAGUE U15レポ】「河合海輝(みき)は、私の『秘蔵っ子』ですね」

河合海輝
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FE名古屋は惜しくも優勝ならず

FE名古屋 河合海輝

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FE名古屋U15は、昨年開催された「B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2017」の優勝チームとして、今回の大会に挑んだ。しかし、2日目U15横浜に敗れて準優勝に終わる。敗れた相手、U15横浜とはわずか1点差という接戦。「コンマ何秒の戦いでした。成長を大いに感じました」とBリーグ強化育成部の塚本剛平さんが振り返る通り、激しい試合となった。

これでFE名古屋U15は3年生が卒業し、4月から新しいチームでスタートする。ここまでチームが成長できた背景には、ベテラン指揮官と「秘蔵っ子」の絆があった。どんな体制でチームを強化し、選手も成長の跡を残したのだろうか。それぞれの立場で振り返ってみたい。

指導歴26年目を迎えたベテラン指揮官の新たなる挑戦

青木幹典

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FE名古屋U15の指揮を執るのは、青木幹典(もとふみ)HC。指導者歴は、1993年当時JBLに所属していたデンソーから始まり、今年で26年目を迎える。旧bjリーグの高松ファイブアローズ(現 香川ファイブアローズ)、東京アパッチ(現在活動休止)、信州ブレイブウォリアーズ、東京サンレーヴスでも指揮を執っていた。

高松ファイブアローズを指揮していた2006-2007シーズンは最優秀コーチ賞を受賞。常にアウトサイドからリングに向かっていくバスケットを追求し、コートサイドでは常に選手たちを鼓舞し続ける。2014-2015シーズンの東京サンレーヴスを最後に指導者生活から離れていたが、2017年にFE名古屋U15のヘッドコーチに就任した。

「大きな選手でもアウトサイドができるよう指導・育成したい」FE名古屋U15・青木HC

河合海輝

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閉会式後、青木HCにマイクを向けることができた。私自身も久しぶりの再会になる。トップリーグを指揮していた頃に比べると、ずいぶん穏やかな印象だった。 「昨年のチャンピオンシップを優勝しているので、今回も優勝したかったが残念で悔しい結果となった。勝つことに力を入れていたので」とまずは今大会を振り返ってもらった。「2年生も7人連れてきたので、来年度を見据えたメンバー選考をした」という。

試合を見ていると、アウトサイドからゴール下に走りこんでレイアップシュートを打つシーンが目立った。シュートが決まらなかったとしても、こぼれ球に反応してシュートを決める。

「サイズはあるけど、インサイドのプレーはあまりさせないようにしていた。高校に行っても、190cmあっても、5人全員がアウトサイドからスリーポイントを打てるようにすることや、1対1のスキルでリングにアタックするという指導をしてきたので、それはできたかな」と振り返る。

指導のスタンスは、トップリーグを指揮していた頃と大筋では変わらない。ただ、U15世代を指導するにあたって「ここは育成するところなので『なんでできないの?』とは絶対に言わないようにしている。できない子がいるのは自分の指導が足りないから。言葉をかみ砕いて説明することや、これから必ず必要になるバスケットボール用語は伝えていた」という。

今後は「大きな選手でもアウトサイドができるような指導・育成をしたい」と意気込みを語った。

「河合海輝(みき)は、私の『秘蔵っ子』ですね」FE名古屋U15・青木HC

青木HCは今後期待できる選手として「河合海輝(みき)」の名前を挙げた。今大会MIPを受賞した選手の一人で、192㎝とサイズもある。青木HCは、試合中もコートサイドから頻繁に「海輝」と叫び、出来ていないことを的確に教えていた。

「私の家の近くに住んでいて、私がスクールをする事になった時に1番に入ってきてくれて、私に指導してほしいと来たので、1番かわいいです。もう『秘蔵っこ』ですね」と嬉しそうに話す。

河合も「通っている中学校にスクールの案内が来ていて、唯一その中学校で申し込んだのが僕で、それで行ったのが始まりだった」と明かす。「青木HCには基本のプレー、特にアウトサイドができなかったので教えてもらった」と続けた。

河合海輝

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「誰にも負けない強いプレーをしたい」FE名古屋U15・河合

河合に今大会を振り返ってもらった。「初日はみんな攻撃・守備共に声も出ていて良いプレーができていたが、3日目は雰囲気が崩れ、攻めにくいし守りにくい状況になってしまった」と話した後「でも2位で終えてよかった」と続けた。

今後はバスケ関係の仕事に就きたいという。行きたいチームは「FE名古屋です」ときっぱり話してくれた。

高みを目指すために必要な事として「基本プレーをしっかり身につける事」をあげた。「リバウンドですね。誰にも負けない強いプレーをしたい」と今後の課題を口にした。青木HCの教えを胸に、高校進学後どのような成長曲線を歩むのか注目したい。