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【B.LEAGUE試合レポ】第23節 千葉VS.栃木「戦う相手を間違っていた。レフェリーと戦ってしまった」

千葉VS.栃木
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ⒸSPAIA

【前半】1Qで栃木・田臥の得点でリードを許すも、千葉はチェンバースの得点などで逆転に成功

千葉VS.栃木

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立ち上がり栃木#0田臥にファストブレイクなど6得点を許した千葉は、#21エドワーズ、#10チェンバースが得点に絡みすぐに勝ち越しに成功する。栃木はタイムアウトを請求し、#31喜多川が2本の3pシュートを決め追い上げていくが、スチールなどで守備からペースをつかんだ千葉が、#3パーカーのダンクシュートなどで得点を重ね、千葉8点リードで1Q終了する。

2Qに入ってオフィシャルタイムアウト明けで10点リードする千葉は、#2富樫から#8ライオンズへアリウープが決まるなどリードを広げようとするが、栃木も喜多川、#46生原の3pシュートなどで得点を重ね、結局千葉10点リードで前半が終了する。

【後半】DAY1の敗戦を教訓に引き離した千葉に対し、栃木はファウルで自滅する

千葉VS.栃木

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後半に入り「10点リードでは足りないので引き離すつもりでコートに入った」と試合後に話した千葉・パーカーが、速攻からの攻撃など3回連続で得点を決める。たまらず栃木は残り7:38タイムアウトを請求するが、千葉の勢いは止まらない。富樫とパーカーのコンビでアリウープを成功させる一方で、栃木もパーソナルファウルを重ねてしまう。#10竹内が連続でディフェンスファウルをコールされると田臥もファウルをしてしまい、栃木は残り5:22でチームファウルを4回となってしまった。

そして、ベンチも段々冷静さを失っていく。千葉・エドワーズにシュートを決められた後、栃木・安齋HCはレフェリーに抗議をして、テクニカルファウルを宣告される。テクニカルファウルで獲得したフリースローを千葉・富樫が1本決めた後、今度は栃木ベンチにもテクニカルファウルがコールされた。

ここを皮切りに千葉はチェンバースのダンクなどで主導権を握ると、栃木は#9遠藤がアンスポーツマンライクファウルをコールされ、千葉に勢いが増す。このファウルで獲得したフリースローをチェンバースがしっかり2本そろえ、パーカーもバスケットカウントとなる3点ショットを決めリードを広げた。

その後、千葉・大野HCが栃木#4ギブスと同時にテクニカルファウルを宣告される場面もあったが、速攻からパーカー、ポストプレーから#34小野が得点し、千葉が26点リードで3Qを終了する。

4Qに入って栃木は#18鵤、遠藤の3pシュートなどでオフィシャルタイムアウトまでに20点ビハインドまで戻す。その後18点差まで詰めてきた栃木だったが、3Qまでのビハインドが大きすぎた。結局千葉が85-66で栃木を下し、DAY1の雪辱を果たした。

【振り返り1】「4Qを迎える段階で10点リードでは危ないとみんな思っていたと思う」千葉・富樫

千葉VS.栃木

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千葉はDAY1、3Q終了時点で10点リードしていたが、逆転を許す結果になった。DAY2も前半が終わった段階で10点リードをしていたが、後半気持ちを切らさずリードを広げ勝利をつかんだ。

後半立ち上がりから速攻からの得点に絡んだ千葉・パーカーは「前日10点をひっくり返されて良い結果ではないと思った。後半からリードを15点、20点と広げるつもりで試合に臨んだ」と話す。

富樫も「4Qを迎える段階で10点リードでは危ないという認識はみんな持っていたと思う。だから3Qも落とさずにできたし、20点30点リードでも負けるという気持ちがあったのでアグレッシブなディフェンスから走ることができたのでは」と続けた。

少しでも気を緩めてしまうと、一気に相手の流れになってしまうのがバスケットボールの魅力でもある。同時に勝負にも影響する。千葉も栃木もチャンピオンシップに向けて、タフなゲームをしっかりものにすることでチーム力を上げたいところだ。

【振り返り2】「戦う相手を間違っていた。レフェリーと戦ってしまった」栃木・安斎HC

千葉VS.栃木

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栃木としては、DAY1で劇的な逆転勝利をした勢いでDAY2も勝利を飾りたいところだった。しかし、DAY2の栃木は立ち上がりからイライラする場面が多くファウルも重なり、遠藤も1Qで2回個人ファウルをコールされ早々にベンチに下がるなど流れが悪かった。

そして後半に入り、栃木のイライラは最悪な結果をもたらした。千葉・パーカーに速攻などで3連続得点を許した後、タイムアウトを請求して間を置いたが、その後竹内と田臥にファウルが重ねり、ベンチも悪いムードが漂っていく。

「戦う相手をまちがった。レフェリーと戦っていた。チームをそのように向かせてしまった責任はある」
安斎HCはテクニカルファウルを宣告され、さらに栃木ベンチにもテクニカルファウルがコールされた。「誰かがいなくてもそれをカバーするのがうちのコンセプトでもある」安斎HCはこのように力説するも、「千葉に得意なバスケをさせてしまった。我慢が足りなかった」と反省の弁を述べた。

「あまりいいスペーシングでないところで攻撃を組み立ててターンオーバーで走られる、リバウンドで行き過ぎて走られるというのが後半に入っても続いた結果、自分たちを見失ってフラストレーションもたまってしまった。この経験は次に生かさないといけない」と3Qでファウルが重なり冷静さを失ったシーンを振り返った。

一方、千葉・大野HCはこの場面をこのように振り返った。

「自分たちのトランディションオフェンスがしっかり展開できたから、栃木にファウルが増えたと思う。ディフェンスからリバウンドを取って、自分たちがアウトナンバー(オフェンスがディフェンスよりも多い状況)で攻めた分だけ栃木にファウルが増えた」と話す。

チームが追い込まれている状況でいかに勝負できるか。良い形で試合を進行できれば結果はついてくるが、いつもそうではない。この日の栃木は、千葉に得意なオフェンスをさせた結果、戦う相手を相手チームではなく「レフェリー」に向けてしまったのだ。

これからもタフな試合が続く中、栃木が経験したこの日の状況は必ず次に生かさないといけないだろう。