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【B.LEAGUE試合レポ】第22節 川崎VS.西宮「藤井はいなければならないベンチプレーヤー」

川崎VS.西宮
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ⒸSPAIA

【前半】2Q西宮に立ち上がりから点差を詰められるが、2Q川崎・藤井が3pシュートを決めて流れを取り戻す

1Qの立ち上がり、#5ヒルのジャンプシュート、#2バーンズの3pシュートで西宮に先制を許した川崎だったが、すぐに#7篠山、#14辻の3pシュートで同点に追いつく。その後#00デービスや#33長谷川のファストブレイク、辻からのバウンドパスを受けた#22ファジーカスの得点などでリードを広げていく。

西宮も「DAY1で辻に良くついていたし、攻守のバランスも考えて」と試合後高橋コーチが振り返るように、この日スタート5に名を連ねた#3松崎のレイアップなどで喰らいつくも点差はつまらない。逆に川崎はデービスが速攻からシュートや、バスケットカウントとなる3点ショットを決めるなど主導権を握り続けた。終盤途中出場していた#9栗原が、#0藤井のアシストからゴールを決めて13点リードとし1Qを終了する。

2Qに入って、西宮は#19梁川のドライブ、#55リドリーの得点で点差を詰めていく。川崎はタイムアウトを請求した直後のオフェンスで、3秒バイオレーションをコールされ攻め手を欠くも、絶好調の藤井が3pシュートを決める。西宮・#13道原にバスケットカウントとなる3点ショットを許すものの、ファジーカスがフェイダウェイシュート、#18鎌田がゴール下から確実にシュートを決めて点差をキープする。

西宮のタイムアウトを挟んで、川崎は鎌田がオフェンスファウルをし、流れを悪くする可能性があったが、ルーキー#4青木がスチールを決めゴール下まで持ち込み、シュートモーションから相手チームのファウルを誘いフリースローを獲得する。青木はフリースローを1本決め、そのあと鎌田も得点をする。終盤#11野本が得点をし、川崎が16点リードとして、前半が終了する。

【後半】川崎は3Qでファウルトラブルに苦しむも逃げ切り勝ちを収める

川崎VS.西宮

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後半立ち上がりから両チーム互角に戦うが「今日は不要なファウルもあった」と試合後に川崎・北HCが振り返るように、鎌田が連続でファウルを重ねてしまい、個人ファウルの回数が4回となって、野本と交代する。野本もコートに入ってすぐにファウルを重ねてしまうが、長谷川がバスケットカウントとなる3点ショットや、辻からのキラーパスに反応し得点を挙げてリードをキープする。西宮は道原の3pシュートなどで点差を詰めていく。終盤川崎・野本がこの日個人ファウル5回目を喫し退場となるが、川崎は12点リードでしのぎ最終Qへ。

4Qに入り、川崎・藤井がバスケットカウントとなる3点ショットを決め、再び主導権を握っていく。西宮も#30岡田がレイアップを決め追い上げ態勢を図りたいところだったが川崎の勢いを止められず、結局川崎が西宮に対し99-75で勝利。このカード連勝を果たした。

【振り返り1】「野本?鎌田? うーんファウルが多いね」川崎・北HC

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結局この日も西宮相手に75点で抑え連勝を達成した川崎だったが、北HCからは反省のコメントもあった。

「ファウルが22回。不要なファウルもあった。ハードなディフェンスはできているが、ぎりぎりのところでファウルがあると流れが相手に行ってしまう」とディフェンスは評価したものの、ファウルの多さに課題を残すことになった。

その中で特に多かったのが、野本と鎌田だった。2人ともオンザコート1(外国籍選手がコートに1人まで)の時間帯ではリングに近いエリア、4番ポジションに入る選手だ。リング下でリバウンドするなど体を張っていかないといけないポジションでもある。

野本は出場時間10:45で2得点3リバウンド5ファウル、鎌田は9:58で4得点4ファウル。「野本は2回ほど不要なファウルがあった。いいディフェンスは出来ているが、プレッシャーをかけすぎている。鎌田はブロックに行けないときに無意識に飛んでしまいファウルをしてしまう事があるので、映像でしっかり伝えたい」と北HCは2人の課題をあげた。

しかし「野本はフロントコートまでボールを運んだりしてくれているので、鎌田も含め日々やっている練習が徐々に結果として表れていることは良いこと」と2人の成長を認めた。

彼らと同じ時間帯にコートでプレーすることが多い藤井は「チームファウルが多くなると相手にフリースローを与えてしまうので、判断はしてほしいと思う」とした上で「4Qはジョシュ(・デービス)、#17ルー(・アマンドソン)、ニック(・ファジーカス)に任せても良いので、2Q・3Qで積極的にやって欲しいし、出し切って欲しい。ファウルが多くなっても、リバウンドを頑張って欲しいという気持ちはある」と話す。

2日間とも勝利はしたが、2Q・3Qで相手より得点が下回ることがあった。そのためにも、オンザコート1の時間帯で、野本・鎌田の奮闘が昨シーズンの雪辱を果たす上でも大きな意味を持つに違いない。

「藤井はうちではいなければならないベンチプレーヤー」川崎・北HC

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川崎・藤井はこの日も16得点、ここ4試合で3試合が2桁得点となり、チームの得点源に成長した。

藤井の活躍ぶりをどう見ているのか。川崎・北HCに投げかけたところ、開口一番「もうすばらしいですね」と笑みをこぼしながら答えてくれた。

「セカンドユニットでは彼が引っ張ってくれているし、彼のディフェンスから流れが良くなっているので、うちではいなければいけないベンチプレーヤーですね」と褒めたたえた。

藤井に対しては、得点することに意識をしているのかと尋ねると「そこまで意識はしていない」と答えた上で「2Qで得点が止まってしまう事が多くて、そこをどうしようかと考えていた。自分が積極性を持つことで流れが良くなれば」と話す。

一方「イージーショットも外していたし、3pシュートも1本しか決まらなかった。自分が行けるときは行って、周りを生かす場面はいかしていきたい。2Qだけ負けているという事もあるので、内容をつきつめていきたい」と課題をあげた。

藤井は今シーズンの川崎を象徴する選手の一人になってきた。「うちではいなければならないベンチプレーヤー」藤井は、チャンピオンシップホームアドバンテージを獲得する上でキーマンになる選手だろう。