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【B.LEAGUE試合レポ】第20節 千葉VS.A東京「アクシデントもあった中、チーム一丸となって戦えたのは収穫」

千葉ジェッツ
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【前半】1Qは千葉が10点ビハインドからカムバック、11点リードとし前半終了

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千葉はDAY1でケガをした#11西村が欠場し、スタート5には#1阿部が名を連ねた。立ち上がりはA東京が優位に立つ。阿部のパスミスから、ボールを奪ったA東京#3安藤がファストブレイクで得点をする。そして#53カークがチーム8点目となるシュートを決める。千葉の攻撃時、#3パーカーのシュートがカウントにならず、その後テクニカルファウルが宣告され、A東京にフリースローと攻撃権を献上する。#24田中がバスケットカウントとなる3点ショットを獲得し、A東京はリードを10点に広げていった。この時点で残り7:24だった。

このままA東京が優位に試合を進めるかと思われたが、千葉は主将#34小野のポストプレーからの得点で、一気に追い上げ態勢へ。「気が付いたらイライラは無くなっていた」と試合後にこの場面を振り返った小野。シュートモーションからのフリースローを2度続けて獲得し、しっかり4本フリースローを決め4点を獲得する。その間A東京は個人ファウルを重ねてしまい、千葉は#10チェンバースの3pシュートなどで点差を詰めていく。残り3:04にA東京#21レーンが、チームファウル5つ目となるディフェンスファウルをして、千葉はフリースローを獲得。#21エドワーズがフリースローを2本揃えて、10点ビハインドから一気に2点差まで詰めていった。

終盤には、交代でコートに入っていた千葉#8ライオンズが、ブザービーターとなる3pシュートを決めるなど、気が付けば千葉が3点リードして1Qを終了する。

2Qに入っても千葉のペースは続いた。終盤に小野が3pシュートを決めるなど、千葉が11点リードで前半が終了する。

【後半】チームを救った千葉・伊藤のハードワーク

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後半に入っても千葉は得点を重ね、リードを18点まで広げる。一方で個人ファウルを重ねてしまい、残り3:19にはエドワーズが個人ファウル4回目のコール。ライオンズと交代して、ベンチに下がっていく。

しかし、ここでチームを救ったのがチーム最年長の#44伊藤だった。残り1:13に小野に代わってコートに入ると、すぐにA東京カークとマッチアップする。「カークに対してハードワーク出来るのは伊藤だと思ったので起用した」と大野HCは起用の理由を語る。カークに仕事をさせないどころか、ボールを持っていないときでも献身的な動きを見せ、A東京に得点を許さない。結局千葉が11点リードで3Qが終了する。

4Qに入っても、千葉は立ち上がりから#27石井の3pシュートが決まり優位に立つ。その後ファウルを重ねることもあったが、パーカーのフリースローが外れた直後に、伊藤がオフェンスリバウンドの獲得に成功し、ライオンズの得点につなげた。そして、ライオンズのアシストからゴールに飛び込んでいった伊藤がレイアップシュートを決め、13点リードとして勝負を決めた。

結局、千葉がA東京を79-69で勝利し、DAY1の雪辱を果たした。

【振り返り1】「アクシデントもあった中、チーム一丸となって戦えたのは収穫」千葉・大野HC

千葉VS.A東京

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千葉はDAY1で西村が負傷し、#2富樫も戦列を離れている。ポイントガードを本職とする選手は、この日スタート5に名を連ねた阿部のみだった。「阿部さん一人で大変なので負担を軽くしたかった」と主将小野が言う通り、全員ができることをコートで表現した。

阿部が出場していない時間帯で、ポイントガードに入ったのは、石井とライオンズだった。 ポジション上いつもよりボールに触る時間が多かった石井は「文男さんのケガもあって、試合に臨む上で気持ちの準備はしていた。シュートが第一の強みなので、触れる機会が多くなることをプラスに考え、ゴールに向かってアタックをしようと考えていた」とその時の状況を話す。

ライオンズは「自分のプライドは、どのポジションでもプレーできることにあるので、ポイントガードとしてプレーすることで私のベストなプレーを出すことができた」と話す。昨年末からチームに合流後、ワンポイントでボールを運ぶシーンがあったが、この日の試合で万能さをアピールした。

石井とライオンズのポイントガードの評価について大野HCにコメントを求めたが、苦笑いしながら「どう評価?したくないですね」とした後「アクシデントもあった中、チーム一丸となって戦えたのは収穫」と結んだ。誰が欠けてもチームとしての戦いができるところに、今シーズンの千葉の強さを感じた。

【振り返り2】「冷静さを失っていた時間帯があった」A東京・パヴィチェヴィッチHC

千葉VS.A東京

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一方のA東京は、1Q残り7:24に田中がカウントワンショットを決めて、10点リードした後から、ファウルトラブルなどで崩れてしまった。ここまでインサイドの要として活躍していたカークがファウルを重ねてしまうと、一気に千葉に逆転を許し、結局その後はリードを奪うことなく、DAY2は敗れた。

「冷静さを失っていた時間帯があった」パヴィチェヴィッチHCは、終始記者会見でこの言葉を発していた。同時に「千葉がタフに戦っていた」と相手チームを称賛する。

レギュラーシーズンでは、このカードの対戦は終了するが、チャンピオンシップに進出すれば顔を合わせることも考えられる。2戦先勝することが必須になるが、どんな時でも冷静にゲームコントロールができるチームになれるか、これを克服すればリーグ戦制覇は見えてくるのではないだろうか。