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【B.LEAGUE試合レポ】第20節川崎VS.北海道 〜20点のリードはセーフティーリードではない〜

川崎VS.北海道
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ⒸSPAIA

【前半】北海道にゾーンディフェンスから追い上げを許すも、川崎が8点リードで終了

川崎VS.北海道】

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1Q立ち上がりから4点ビハインドで追いかける川崎は、#22ファジーカスのポストプレーからフェイダウェイシュートが決まり同点とする。
#14辻も3pシュートで続き、#00デービスがファジーカスからのアシストを受けてダンクシュート。川崎の5点リードとなり、北海道はタイムアウトを請求する。

しかし、川崎の勢いは止まらない。#33長谷川の速攻からのファストブレイクなどで、リードは13点まで広がる。
終盤に北海道の#32松島がゴールするが、川崎が12点リードで1Qが終了する。

12点ビハインドから追い上げ態勢を作りたい北海道。2Q立ち上がりの相手攻撃に対して、2-3ゾーンディフェンスを敷いて凌ぎ、#9折茂がシュートを決める。
その後、攻勢に転じた北海道は折茂の3pシュートなどが決まり、川崎へ3点差まで迫る。
しかし川崎は、ファジーカスや#7篠山の3pシュートなどで再びリードを広げる。北海道は終盤#23野口の3pシュートなどで喰らいつくが、川崎の8点リードで前半が終了する。

【後半】終盤北海道に1点差まで詰められるも、川崎が粘り勝ち

川崎VS.北海道】

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後半は、スタートメンバーに戻した両チーム。川崎は、北海道#5ミラーにバスケットカウントとなる3点ショットを許したが、辻が積極的にゴールに向かっていく姿勢を見せ、相手のディフェンスファウルとしフリースローを獲得。そしてチーム42得点目となるフリースローを決め、Bリーグ通算1000得点を達成する。
辻はアシストで貢献。

バウンドパスを出した相手は、同期の長谷川だった。長谷川はカットインしゴールを決め川崎は11点リードとする。
ここで北海道はタイムアウトを請求する。川崎の勢いは止まらない。ファジーカスがシュートを決めた後のディフェンスで、ファジーカスがスチールに成功。
攻撃に転じた川崎は再び辻がラストパスを長谷川に供給。長谷川はファストブレイクとなるシュートを決める。

3Qを14点リードで終えた川崎は、4Qに入っても#0藤井の3pシュートで13点リードする。ここで北海道がタイムアウトを請求し、流れは北海道へ。
伊藤が3pシュートを決めると折茂も続き、点差を詰める。オフィシャルタイムアウトを挟んでしばらく膠着状態が続いたが、ミラーの得点から北海道が追い上げを開始。
川崎は個人ファウルが重なり、4Qに入って5つのチームファウルをしてしまい、フリースローを相手に献上。それを折茂が2本そろえて3点差まで詰める。

両チームの得点差が1点となり、最後の攻防を迎える。1点を追いかける北海道は、川崎が3回目のタイムアウトを請求後、ファウルゲームを仕掛けるが、そこで獲得したフリースローを辻が2本しっかり決めて勝負あり。
川崎が北海道に82-79で勝利し、同一カード連勝を果たした。

【振り返り1】「20点のリードはセーフティーリードでは無い」川崎・北HC

川崎VS.北海道】

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DAY1は、北海道が最大21点までリードしたものの、最終的には川崎が逆転をして勝利を飾った。DAY2は、川崎・北HCが「立ち上がりからハードなプレーが出来ていた」と試合後に話した通り、1Qで一気に12点リードする展開に持ち込んだ。
しかし2Qに入って、川崎のセカンドユニットを攻略した北海道が、折茂の得点をきっかけに追い上げを図っていく。

同じような場面は4Qでもあった。残り6:02に北海道がタイムアウトを請求するまで、川崎は藤井の3pシュートなどで13点リードしていた。
しかし北海道はタイムアウト後、伊藤の3pシュートを皮切りに点差を詰めていく。川崎のリードは、終盤になるとわずか1点だった。

試合後の記者会見で川崎・北HCは「20点はセーフティーリードではない。ゲームコントロールをしていかないといけない」と反省の弁を述べた。
しかしこの日は、立ち上がりで北海道に連続得点を許した以降、リードを許していなかった。
「川崎さんは勝負所でしっかり決めていた」と北海道・水野HCが振り返るように、1点差まで詰め寄られた川崎は、最後まで北海道のファウルゲームに屈することなく、辻もフリースローを確実に2本決めた。

内容も重要になるが、勝負所で得点をして、勝利を手にすることができるかが今後のカギとなる。

通算1000得点達成も、この日はアシストで貢献 川崎・辻

川崎VS.北海道】

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Bリーグ通算1000得点をDAY2で達成したのが川崎・辻だった。「今週になって初めて知って、達成できてほっとした」とまずは安心した様子が伺えた。 3Qの途中、フリースローを決めた場面での達成となった。この日のフリースローは8本中8本決めたのに対し、フィールドゴールは1Qの最初に決めた3pシュートのみにとどまった。
一方で、アシストは9本を数え、同期の長谷川にラストパスを通す場面も数回見られた。

「(長谷川とは)特に話はしていなかったですが、長谷川も前に走る意識が強い選手なので、速攻にもつながっていいパスが出せてよかった」と振り返る。

これまでの川崎だと、辻とファジーカスで得点を重ねる傾向があった。さらに篠山と藤井がポイントゲッターの役割を果たせるようになってきた。
この日のように、辻がアシスト役に回り他の選手を生かせるようになると、チーム戦術のバリエーションが増えることも予想される。様々な得点パターンを構築できれば、東地区上位に顔を出す日もそう遠くはないだろう。