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【Wリーグ】トヨタ自動車・馬瓜エブリン 改めてリバウンドの重要性を説く

Wリーグ,トヨタ自動車アンテロ―ブス,馬瓜エブリン,Ⓒマンティー・チダ
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Ⓒマンティー・チダ

【DAY1前半】トヨタ自動車・馬瓜エブリンの攻守にわたる活躍でロケットスタート

1月19日(土)に行われたトヨタ自動車vs. 東京羽田。トヨタ自動車は東京羽田に先制を許したが、次の攻撃で速いパス回しから#15安間志織が3pを沈める。守備では#0馬瓜エブリンがブロックショット、スティールと見せ場を作り、自らもパスを受けてジャンプシュートを決めると、さらに#7水島沙紀の3pで7点リード。東京羽田はたまらずタイムアウトを請求した。

切り替えをしたい東京羽田。しかしパスミスが続いて流れを取り戻せず、それを横目に馬瓜エブリンがスコアを重ね、さらにリードを広げていく。

東京羽田#12本橋菜子にようやくこの日初得点が生まれ、チームの得点が動き始める。トヨタ自動車は、水島のレイアップを皮切りに、最後は#12三好南穂の3p、安間のファストブレイクで得点を重ね、26-12で1Qを終えた。

2Q立ち上がりからトヨタ自動車は、#33馬瓜ステファニー、安間のスティールで流れを掴むが、得点にはつながらない。そして、東京羽田#8丹羽裕美に得点されると、トヨタ自動車も#20近藤楓が3pを決めるなど、点の取り合いに。しかし、トヨタ自動車は、近藤が2回続けてディフェンスファウルをコールされてベンチに下がり、チームファウルを重ねてしまう。

Wリーグ,トヨタ自動車アンテロ―ブス,馬瓜エブリン,Ⓒマンティー・チダ

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残り2分49秒、15点ビハインドとなった東京羽田は、タイムアウトをコールすると、#6星澤真の得点などで10点差まで詰めていく。トヨタ自動車はタイムアウトを挟んで、ベンチに下がっていた馬瓜エブリンをコートに戻すものの、フリースローの1点しか上積みはできなく、トヨタ自動車が11点リードで前半を終了する。

【DAY1後半】出だしを乗り切ったトヨタ自動車 貫録の勝利

後半の出だしから両チームとも点を取り合うものの、トヨタ自動車が3pで得点を重ねたシーンが多かったため、トヨタ自動車のリードは少し広がっていく。東京羽田は、星澤の得点からトヨタ自動車のディフェンスファウルに付け込みたいところだったが、決め手を欠く。トヨタ自動車はここを乗り切って、#2長岡萌映子がゴール下からジャンプシュートを決める。東京羽田がショットクロックバイオレーションや星澤のオフェンスファウルで流れに乗れない中、トヨタ自動車は#23山本麻衣の3p、安間のバスケットカウントなどでリードを広げた。結局、トヨタ自動車が25点リードで最終Qへ。

4Qに入っても、トヨタ自動車ペースで試合は進み、ここまでスコアに恵まれていなかった#24栗原三佳がスティールからファストブレイクを成功させる。そして、リードが30点近くなったところで、主力を下げて控えの選手がコートに入っていく。ここに付け込みたい東京羽田だったが、ディフェンスファウルを重ね、トヨタ自動車#17出水田理絵、馬瓜ステファニー、最後は近藤に3pを沈められた。

Wリーグ,トヨタ自動車アンテロ―ブス,馬瓜エブリン,Ⓒマンティー・チダ

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残り4分を切って、東京羽田は#42ワシントン錦がコートイン。早速、ピック&ロールから得点し会場を沸かせたものの、大量リードがものを言い、トヨタ自動車が逃げ切った。88-55でトヨタ自動車が東京羽田を下し、JX-ENEOSに続いてプレーオフ進出を決めた。

「どのチームでもボックスアウトからリバウンドを取らないといけない」馬瓜エブリン

トヨタ自動車は、皇后杯でJX-ENEOSに65-86で敗れ、王者の連覇を止めることはできなかった。大会ベスト5に選出されていた馬瓜エブリンは「自分たちのプレーが悪かったから負けた。JX-ENEOSは、普段からあれだけのメンバーで切磋琢磨しているけど、自分たちもそんなに変わらないと思う。変わらない中で、しっかり決勝に持ってこられるのか。みんなでベストの状態を持ってこられるように頑張りたい」とコメントしていた。

皇后杯から6日後、トヨタ自動車はWリーグの試合で東京羽田戦を迎えた。馬瓜エブリンは「皇后杯の悔しい負けからの切り替えと、リーグ再開初戦で、何が起こるかわからないので、羽田戦に向けて、油断を許さずにプレーしようとみんなで意識していた」とチーム内で共有したことを明かした。

馬瓜エブリン自身については「勢いのあるプレーをしっかり見せて、チームを良い流れに持っていけるように考えた」と話す。

この日は出だしから、ブロックショット、スティールと守備で見せ場を作って、得点を稼ぐことも出来ていた。「ディフェンスの修正は必要だが、他の点については良かった」と試合の内容においても一定の評価はした。「最後のファイナルに向けてどう戦うべきかを考えた時に、プレーも大事だし、チームとしても大事なので、どんどんプッシュしていこうと思った」と皇后杯の悔しさを早速ゲームで生かしていた。

一方で「チームも個人も守備が課題。最後ボックスアウトまでやって、リバウンドを取るはずが、リバウンドを取られ過ぎた」と説明する。

トヨタ自動車は、インサイドに180㎝台の選手が揃い、代表にも多く選出されている。対戦相手の東京羽田は、概ね平均170後半だが、リバウンドの総数はトヨタ自動車と同数(1月20日)。しかも、オフェンスリバウンドで考えれば、トヨタ自動車の10に対し、東京羽田は18。先程、馬瓜エブリンがコメントした「ボックスアウト」の徹底が、こういうところからも読み取れる。

この日は、トヨタ自動車の選手たちのシュートタッチが良くて、大きくリードすることができたが、もし悪くなれば、リバウンド1本が勝負を分けることも考えられる。さらに、東京羽田の得点源、本橋菜子を6点に抑えたことも大きく後押しした。

「どのチームに対しても、しっかりリバウンドを取っていかないといけない。そうでないと、いい流れはできないので、みんなで徹底していかないといけない」馬瓜エブリンは、リーグ戦の頂に向けて「勝って兜の緒を締めよ」と、こう締めた。

チームはこの日の勝利を以て、プレーオフの進出を決めた。何位で進出できるかも大事だが、とにかくリーグ戦ファイナルの舞台に、チームでやってきたことを持ち込み、JX-ENEOSの連覇を止めることができるか。その前にリーグ戦で顔を合わせる。そこで、どこまで喰らいつけるか楽しみだ。

Wリーグ,トヨタ自動車アンテロ―ブス,馬瓜エブリン,Ⓒマンティー・チダ

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最後に、先日のオールスターで話題になった「いいねダンス」の評判を聞いた。「反響良かったですよ。歌っていた人だと言われて」と明るく答えてくれた。試合中も、3・4Q間で『U.S.A』が流れていて、コート上では、チアガールが「いいねダンス」を披露していた。「踊りたかった。気持ちは行きたかった」と明かした。こちらも、今後また違った演出を見てみたい。