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プレイオフ台風の目となり得るセブンティシクサーズ

2018 4/23 16:49OSはーでん
ジョエル・エンビード
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Ⓒゲッティイメージズ

過去5年のドラフト上位指名(3位以上)は4回 若手オールスターチーム

2000年代に最低身長得点王のアレン・アイバーソンを要し、イースタンの強豪チームとして名を馳せたシクサーズ。しかし、アイバーソンが2006-2007シーズンに移籍したあたりから、年々成績は低迷していった。その後も、FAやトレードでのチーム補強は上手くいかず、なかなかチーム再建の鍵を握れずにいた。

NBAドラフトロッタリー(抽選)システムで上位指名権を獲得すると、シクサーズに期待のルーキー達が集まるようになったのだ。


直近5年ドラフト

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2013年新人王ウィリアムスをはじめ、有力な若手選手をしっかり集めるシクサーズのドラフトは、NBAでも屈指の巧みさだろう。ポジションもセンター、フォワード、ガードと上手く分散し、強固なチーム作りが成功したのだった。

期待のルーキー達が次々脱落 苦しいシーズンが続いた

ドラフトで優秀な若手達を集めたもののそう簡単にはいかず、苦労して集めた若手選手が次々と怪我をしたため、万全のメンバーでシーズンに臨めない年が続いた。


シクサーズ 若手欠場

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さらに、2017-18シーズンが始まる前にシクサーズは大きな決断を迫られた。3年間でわずか31試合しか出場できなかったセンター、ジョエル・エンビードとの契約だった。再び怪我によって戦列から離れる可能性はあるものの、シクサーズはエンビードに5年総額約167億円と賭けに出たかのような超大型契約を結び、彼中心のチームにする意思表示をしたのだ。

そして、昨季ドラフト1位のベン・シモンズ、今季ドラフト1位のマーケル・フルツと、ベテランシューターのJJ・レディックらサポートメンバーを充実させて、今シーズンに臨んだ。

エンビードがオールスター級の活躍! シモンズも噂に違わぬ実力

若手の怪我も癒え、ようやく構想通り本来のチームメンバーで戦えるようになったシクサーズ。その力は本物で、イースタンカンファレンス3位でシーズンを終えようとしている。

この原動力は大型契約を交わしたエンビード、そして昨年のドラフト1位シモンズの活躍だろう。エンビードは昨年まで悩まされていた怪我を克服し、その実力をいかんなく発揮。オールスターのスターターにも選ばれた。


エンビード成績

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エンビードは、セブンフッター(213cm)のサイズを持ちながらアウトサイドもインサイドもこなせるセンターで、リーグでも止められない選手の1人として有名だ。

シモンズは1年目とは思えない落ち着きとフィジカルを持っている。ネクストレブロンとも呼ばれているが、キラリと光るパスセンスはロサンゼルス・レイカーズのレジェンド、マジック・ジョンソンをも彷彿とさせる。


シモンズ成績

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まだアウトサイドシュートに難があるものの、この成績を残しているのは脅威以外の何者でもない。来期はさらにレベルアップした姿を見られるだろう。

エンビードを怪我で欠きながら14連勝 プレイオフでも勢いを持続できるか

3月29日(現地時間)、エンビードが脳震盪と眼底骨折の症状を訴え、2~4週間の欠場予定と発表された。プレイオフ前のシクサーズにとっては残念な知らせだったが、その間はルーキーのベン・シモンズが大活躍。エンビードが抜けてからの6試合中3試合で、トリプルダブルを記録するなどチームを牽引した。

そのおかげもあってかチームは好調を維持し、35年振りの14連勝。そしてアイバーソン時代以来のシーズン50勝を記録した。この一連の流れは、ルーキーシーズンでNBAファイナルまで出場し、エースセンターのカリーム・アブドゥル・ジャバーの代わりを務め、見事優勝を果たしたマジック・ジョンソンに似ている。

新人ながらチームを勝利に導いたシモンズ。まだシーズン途中でありエンビードも復帰予定だが、マジック・ジョンソンを彷彿とさせるようなパスセンスと2m超えとは思えない器用さを持つシモンズに、今後も期待できそうだ。

※今シーズンのデータは2018/04/10現在の数値