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今年もレジェンドが誕生! バスケットボール殿堂入り2018

2018 4/19 12:25OSはーでん
ジェイソン・キッド
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Ⓒゲッティイメージズ

バスケットボール殿堂入り2018はどんなメンバー?

毎年さまざまな人物が選出されるバスケットボール殿堂「ネイスミス」。バスケットを生み出したと言われるジェームズ・ネイスミスが名前の由来と言われており、正式名称は「ネイスミス・バスケットボール・ホール・オブ・フェイム」だ。

「ネイスミス」には、バスケットボールに影響を与えた人物であると判断されれば、人種や国籍、バスケットに携わった形は関係なく選出される。
2018年も新たな殿堂入りメンバーが発表された。


  • レイ・アレン(NBA/選手)
  • モーリス・チークス(NBA/選手)
  • チャールズ・”レフティ”・ドリーゼル(カレッジ/コーチ)
  • グラント・ヒル(NBA/選手)
  • ジェイソン・キッド(NBA/選手)
  • スティーブ・ナッシュ(NBA/選手)
  • ケイティ・スミス(WNBA/選手)
  • ティナ・トンプソン(WNBA/選手)
  • ロッド・ソーン(功労者)
  • リック・ウェルツ(功労者)
  • オーラ・マエ・ワシントン(女子選手)
  • ディノ・ラジャ(NBA/選手)
  • チャーリー・スコット(ABA・NBA/選手)

10選手、1コーチ、2功労者の計13名となった。今年は審判からの選出はなかった。

オールスター選出10回 NBA優勝2回 歴代屈指の”シューター”レイ・アレン

2018年には歴代屈指のシューター、レイ・アレンが殿堂入りの仲間入りをした。ミルウォーキー・バックス、シアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)、ボストン・セルティックス、マイアミ・ヒートなどで活躍したシューターだ。

アレンは、NBAで歴代1位の3P成功数2,973本やキャリアでのFT成功率89.4%で、歴代6位とNBA史上トップクラスのシューターであると同時に、アスレチック能力を活かしたドライブも得意とした選手だった。

彼が全盛期と呼ばれる時代には優勝ができなかったものの、ポール・ピアースやケビン・ガーネットらと共にキャリア後半に結成したBIG3(ボストン)では、自身初の優勝を経験している。
続いて、レブロン・ジェームズやドウェイン・ウェイドら率いるマイアミ・ヒートにシューターとして加入。ベテランとしての活躍を見せながら、ファイナルでは劇的に決勝3Pを決め2度目の優勝を果たした。

その端正なルックスに加え、キャリアでオールスター選出10回、オールNBAチーム2回選出という実力がある選手なので、ファンも非常に多かった。

“Mr.トリプルダブル” チームの力を引き出すジェイソン・キッド

”Mr.トリプルダブル”の異名を持っていたジェイソン・キッドは、現役時代通算107回のトリプルダブルを達成。試合中に一人で、得点、アシスト、リバウンド、スティール、ブロックショットの中から3つをこなし、2ケタ以上の成績を記録するのが「トリプルダブル」だ。

トリプルダブルの回数に表れているように”※ドアマットチーム”と呼ばれるチームでも、キッドが入ればチームは上手く回りだし、1年で強豪チームに押し上げてしまうほどの影響力を持っていた。例えば、1997-1998シーズンのサンズでは前年+14勝、2001-2002シーズンのネッツは前年+26勝を挙げている。

それでも優勝は果たせないままキャリア晩年に、ダーク・ノビツキー率いるダラス・マーベリックスに移籍。ここではベテランらしい巧みなゲームコントロールを活かし、マブスと自身に初の優勝をもたらした。
彼が19シーズンで積み上げたアシストは12,091本、スティールは2,684本。どちらも歴代2位という数字を残し、NBAに名を刻むポイントガード(PG)となった。

※ドアマットチーム:ドアマットのように踏みつけられてしまうチームという意味。当時は、リーグ最下位クラスのチームをこう呼んでいた。

カナダ人初のMVP しかも2シーズン連続 スティーブ・ナッシュ

カナダ出身のスティーブ・ナッシュは、カナダ人初のMVPだ。しかもNBA史上、未だ11人しか達成していないMVP2年連続達成者である。ナッシュは身体能力では劣っていたものの、PGとして必要なスキルを全て持っていた。

巧みなボールハンドリングやコート全体が常に見えているかのような視野、そして歴代最高と言ってもいいシュート力。シュートについては、偉大なシューターの証である※2:50-40-90を一人で4シーズンも達成している。
これはNBA史上ナッシュだけが記録しているもので、レジェンドと呼ばれたラリー・バードですら2回、史上最高のシューターと呼ばれているステフィン・カリーでも1回しか記録していない。

残念ながらNBAでの優勝は果たせなかったが、19シーズンのNBAキャリアで8回のオールスター、7回のオールNBAチーム選出、歴代3位の10,335アシスト、そして歴代1位のFT%(フリースロー成功率/90.4%)と輝かしい記録を叩き出したナッシュ。彼がカナダや他の外国籍選手たちに与えた影響は計り知れない。

※2:50-40-90とは、シーズンでFG50%以上、3P40%以上、FT90%以上を記録すること。