「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

2連覇を狙う前年のウインターカップ王者!福岡第一の注目ポイント

2017 10/13 10:05Mimu
バスケ
このエントリーをはてなブックマークに追加

2016年はインターハイ・ウインターカップの2冠

2017ウインターカップ、福岡第一は優勝候補の一角として名前が挙げられるだろう。2016年度は、インターハイ・ウインターカップを共に制覇し、2冠を達成。名実ともに、2016年最強のチームであった。

だが、2017年のインターハイでは、宮城県の強豪、明成高校に敗退してしまい、まさかの準決勝敗退。しかも優勝したのが県内最大のライバルである福岡大大濠。
今後さまざまな大会で当たる可能性が大きいライバルだけに、絶対に後れを取るわけにはいかない。2017年のウインターカップ、もはや王座奪還は彼らにとっての使命となっている。

前年は1年生ながら活躍した松崎裕樹選手に注目

注目選手は、松崎裕樹選手だ。2016年のウインターカップで1年生ながらスターターに選ばれ、準々決勝の市立船橋戦でチーム最多位の23得点し、決勝の東山高校戦では相手エースの岡田侑大選手を徹底的にマークし、攻守の両面でチームの優勝に大きく貢献した。そして2年生になった今回のウインターカップでは、チームの柱としての活躍に期待がかかっている。

190cmという長身が武器で、激しいプレーにも定評がある。大きな体を持ち、50m走も6秒5となかなかのタイムでスピードがある。更に最初の3歩が速いため、相手ディフェンスが反応する前に切り込んでいけるのだ。

プレーに対しての理解力が高評価

だが松崎選手が一番評価されているのは、プレーではなく「頭脳」だという。とにかくプレーに対する理解が速いのだ。入学した直後から試合に出場していたのだが、その当時からチームが今どのように動いているか、このプレーにはどういった意図があるのかなどを、瞬時に理解していたそうだ。

これも両親の教育のたまものなのか、松崎選手の両親はともにバスケ選手であり、父親は社会人まで、母親も高校までプレーヤーであった。松崎選手がバスケを始めたころ、父親にバスケの基礎を徹底的に叩き込まれており、それが高校に入っても生きてきているようだ。ちなみに190cmという体格も両親譲りだという。

理解力が速ければ、最初の3歩が速いという武器がさらに活かされることになる。ボールを受け取った瞬間、どこに切り込むべきか、誰にパスを出すべきか、そういったことがすぐに見えている。そういったバスケ能力の高さにも注目だ。

十八番の速攻は今年も健在

福岡第一の十八番といえば、やはり速攻である。2016年は、高さのある蔡錦鈺(サイ・キンギョク 現:日本経済大学)選手やバム・アンゲイ・ジョナサン選手がリバウンドを取り、スピード感あふれる双子のガード、重冨周希・友希選手(現:専修大学)らがすばやく切り込んでいく、この得点パターンで2冠を達成した。

そして今年からは、松崎選手を中心にしてこのパターンを展開していく。彼が常に先頭を走り、チームを鼓舞していく。
昨年2年生だったジョナサン選手は、今年もチームの中心として活躍しており、2人のコンビネーションにも注目だ。今年はフォワードであるが、将来的には超大型のガードとして活躍してもらう予定だという。このウインターカップだけでなく、将来的にも楽しみな選手である。

群雄割拠の男子高校バスケ界で圧倒的な存在感を示せるか

現在男子高校バスケ界は、群雄割拠の状態である。福岡第一、福岡大大濠に加えて、明成高校や帝京長岡高校、東山高校など、どこが優勝してもわからない状態にある。
実際に昨年の福岡第一は2冠を達成しているとはいえ、決して圧倒的な強さで勝ち上がったわけではない。ウインターカップでは、初戦から愛知の中部第一高校に第3ピリオドまで劣勢であった。準決勝の帝京長岡との試合でも、第2オーバータイムまでもつれている。決して順当に2冠を達成したわけではなかったのだ。

インターハイとウインターカップの間に行われた昨年の国体では、準決勝で敗退している。きっとこの間に、冬にむけての課題が見えてきたのだろう。今期チームも、インターハイでの敗退を糧にし、冬までの期間をうまく過ごせるだろか。福岡第一の優勝はそこにかかっているのかもしれない。