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八村塁を指名したワシントン・ウィザーズとは 日本人初NBAドラフト1巡目指名

2019 6/21 15:00
NBAドラフト会議でウィザーズに1巡目指名された八村塁Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

本拠地は首都ワシントンD.C

2019年6月20日(日本時間21日)のNBAドラフト会議でワシントン・ウィザーズが1巡目で日本代表の八村塁(ゴンザガ大)を指名。NBAで初めて日本人選手を1巡目で指名したチームとなった。ここでは、ウィザーズの沿革や戦歴、現役注目選手について紹介したいと思う。

バスケットボールファンで、マイケル・ジョーダン氏を知らない方はいないと思う。そのマイケル・ジョーダン氏が最後にプレーしたチームがワシントン・ウィザーズだ。 ワシントン・ウィザーズはNBAイースタン・カンファレンスのサウスイースト・ディビジョンに属すチームで、本拠地はワシントンD.C、ホームアリーナはキャピタル・ワン・アリーナ(旧名称ベライゾン・センター)にある。創設は1961年、シカゴ・パッカーズの名称で誕生した。その後、ボルティモア、ワシントンD.Cと本拠地を変え、チーム名もボルティモア・ブレッツ、ワシントン・ブレッツと変わる。
ブレッツは弾丸の意味だが、折からの銃社会批判の中イメージダウンを嫌い、ウィザーズ(魔法使い)に変更した。こうして、1997年ワシントン・ウィザーズとして出発、現在に至る。

マイケル・ジョーダン選手と戦歴

ワシントン・ウィザーズとチーム名を変えた直後から低迷期が訪れる。1998-99シーズン18勝32敗(ロックアウトで50試合)、1999-00シーズン29勝53敗、2000-01シーズン19勝63敗だった。2000年マイケル・ジョーダン選手が共同オーナーとして就任、プレイングマネージャーとしてチームの強化に務めるが、再建には至らなかった。
創設からの戦歴はワシントン・ブレッツ時代の優勝1回を含め、ファイナル進出が計4回、ディビジョン優勝が計8回ある。最近では2013-14から2017-18の5シーズンで4度プレーオフに進出し、そのうちの3度はカンファレンス準決勝まで進出した。2018-19シーズンは主力のジョン・ウォールの離脱などもあり低迷、32勝50敗で地区4位に終わった。

オフェンスの要、ジョン・ウォール選手

ジョン・ウォールは1990年生まれ、身長1.93m、体重95.3kg、背番号2のパワーガードだ。出身はケンタッキー大学で、2010年のドラフトにおいて、全体1位でワシントン・ウィザーズに指名された。1年目から活躍を見せ、2010-11シーズンには69試合に出場、平均得点16.4平均アシスト8.3をマークしてNBAオールルーキーチームの1stチームに選出される。
その後も平均して成績を残し、キャリアでの平均得点は19.0、平均アシスト9.2とオフェンスの要として存在感を出している。

2014-15シーズンのカンファレンス準決勝の第1戦では手首を骨折しながらもプレーを続行し勝利に貢献したものの、その後J・ウォールを欠いたチームは2-4で敗退した。2016-17シーズンオフには、4年1億7,000万で契約延長し2017-18シーズンのプレーオフ進出に貢献。2018-19シーズンも活躍が期待されたが、左かかとを負傷した際にアキレス腱の部分断裂が発覚、残り全試合を休場し、復帰には1年以上掛かる見通し。シーズン成績は32試合に出場し平均得点20.7、平均アシスト8.7、リバウンド3.6、スティール1.5だった。

史上二人目のシーズン中2度の40得点15アシスト超トリプルダブル、ブラッドリー・ビール

ブラッドリー・ビールは1993年生まれ、身長1.96m、体重93.9kg、背番号3のシューティングガードだ。出身はフロリダ大学で2012年のドラフトで、ワシントン・ウィザーズから全体3位で指名され入団に至った。1年目は脚の故障で56試合の出場に留まったが、NBAルーキーチームの1stチームに選ばれるなど高いポテンシャルを評価された。

その後は毎年のようにスタッツを伸ばし、2018年12月には40得点、11リバウンド、15アシストを記録し自身初のトリプルダブルを記録。年明けの1月14日にも43得点10リバウンド15アシストを挙げ、1961-62シーズンのオスカー・ロバートソン氏以来、史上二人目となるシーズン中2度の40得点15アシスト超えトリプルダブル達成者となった。

レギュラーシーズンでの成績もさることながらプレーオフにも強く、4度のプレーオフで40試合に出場、平均得点22.7、平均リバウンド4.4、平均スティール1.55はキャリア通算を上回る。

2018-19シーズンは巻き返しなるか

1978年に優勝が1度、ファイナル進出は4度あるものの、近年のウィザーズはカンファレンスを勝ち抜けていない。2018-19シーズンは、J・ウォール離脱の影響が大きかったが、他にも誤算があった。14シーズンダブルダブル、30得点30リバウンド超えなど現役屈指の実績を誇るセンター、ドワイト・ハワードを獲得したのだが、椎間板ヘルニアのためシーズン序盤でまさかの離脱。主力を失ったチームはプレーオフ進出すらままならなかった。

2019-20シーズン開幕に、司令塔のJ・ウォールは間に合わない可能性が高いが、ハワードは復帰時期は不明なものの練習を再開するという報道もあった。間に合えば大きな戦力アップになる。

また一方で、即戦力を期待される八村にはシーズンの早い段階から出場の可能性がある。新たな日本人NBA選手を擁するウィザーズがどのような選手起用で巻き返しを図るのか目が離せない。