「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

爆発的なスコアラー NBAトレイシー・マグレディ選手の功績

2017 1/18 19:02
バスケットボール,ⒸShutterstock.com
このエントリーをはてなブックマークに追加

Photo by Evgenii Matrosov/Shutterstock.com

高いスキルを武器に高い得点能力を誇ったトレイシー・マグレディ氏。 高校時代から才能を高く評価されてきたが、現役時代はどのようなプレイぶりだったのだろうか。 マグレディ氏が、NBAで残した功績やプレイスタイルまた引退後のエピソードなどを紹介する。

活躍ぶりが目立った高校時代

トレイシー・マグレディ氏の現役時代のポジションは、シューティングガード、もしくはスモールフォワードだった。普通の時の顔つきが常に眠そうに見えたことから「スリーピー・マグレディ」という愛称で親しまれていた。
ノースカロライナ州のマウントジオン・クリスチャン・アカデミー高校時代には、同州やUSAトゥデイ紙が選ぶ年間最優秀選手賞に選ばれるなど目覚ましい活躍ぶりだった。高校在学中はバスケットの名門のケンタッキー大学へ進学したい意向を持っていたとされる。

入団当初はなかなか目立った活躍は出来ず

高校時代の活躍ぶりはNBAのスカウトの目に留まる事となり、進学する事を止めて、1997年のドラフトで1巡目の9位でトロント・ラプターズより指名を受け、NBA入りすることとなる。入団当初は目立った活躍を残す事は出来なかったが、3シーズンもするとマグレディ氏の才能に注目が集まる事となる。
この時チームメイトだったビンス・カーター選手とは従兄の関係でもあったが、「これは素晴らしいコンビ」になるとその将来には当時のファンも期待に胸を膨らませていた。

豊富なオフェンススキルのバリエーションでスキル勝負

マグレディ氏のプレイの魅力は「ワン・オン・ワン」勝負でのオフェンス力だった。フェイクからのペネトレイトや相手から遠ざかるように飛びシュートを放つフェイダウェイ、ピボットワークなど攻撃のバリエーションが豊富で、ディフェンスする相手を翻弄して得点を重ねていくスタイルでプレイをしていた。
また身体能力にも優れていて非常に高い跳躍力とボディバランスをそなえており、相手がファウルして止めにきてもそのままゴールを決めてしまい、尚且つファウルによるボーナススローをもらう「3点プレイ」も得意としていた。非常に得点能力が高いスコアラーで、得点王にも2度輝いている。

移籍を期に才能は開花する

それだけの才能を誇っていただけに、やはり「チームのエース」としてプレイすることを望んでいたマグレディ氏は、ラプターズからFAとなり、2000年のオフに複数球団での獲得合戦の末にオーランド・マジックに移籍する。そしてマジックで才能は見事に開花し2002-03,2003-04シーズンの2年連続で得点王を獲得。更には2004年には1試合で62得点をあげNBAシーズン最高記録をも打ち立てた。
また試合の終盤の重大な局面で試合を決定づけるようなシュートを決める事が出来るクラッチシューターとしても、名を馳せていた。

バスケットボールからベースボールへ

才能を爆発させていたマグレディ氏だったが、キャリアの終盤はケガや自身の不調に苦しみ、抜け出すことが出来ず引退を余儀なくされた。NBAからの引退後は、なんと野球選手へ転身する。アメリカの独立リーグのシュガーランド・スキーターズと投手として契約し、先発投手として試合出場を果たした。投手としては201cmから投げ下ろすストレートを武器にナックルやスライダーなどを駆使し、同リーグのオールスター戦にも選出されている。

まとめ

マグレディ氏は、「ワン・オン・ワン」でスキル勝負が出来る選手という事、観ている側を楽しませてくれる選手だった。 単純にプレイスキルが高い選手の動きは見ているだけで感心してしまう。 もしマグレディ氏のプレイを見る機会があれば、そのスキルの高さに着目してほしい。