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西武は高卒4年目となる鈴木将平と今井達也が飛躍できるか

2019 12/8 11:00勝田聡
埼玉西武ライオンズの鈴木将平ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

圧倒的な打線でパ・リーグ連覇

パ・リーグ2連覇を達成した西武の強みは、今年も圧倒的な攻撃力だった。それは、秋山翔吾が最多安打、山川穂高が本塁打王、森友哉が首位打者、中村剛也が打点王、金子侑司が盗塁王と、ほとんどの打撃タイトルが西武で埋められていることからも分かる。

また、上記の5人に加え源田壮亮、栗山巧、外崎修汰の3人も規定打席に到達。木村文紀も441打席と2打席及ばなかっただけであり、シーズンを通してほぼ固定のメンバーで戦ってきた。しかし、裏を返すと選手層が薄いということでもあり、主力が故障などで離脱すると戦力が大きく落ちる危険性がある。選手層に厚みをもたせることが、チームの課題となってくるだろう。

一方で今年も苦しんだ投手陣。規定投球回に到達した投手はひとりもいない。新外国人のザック・ニールが12勝1敗、防御率2.87と結果を残したが、投球回数は100.1とイニングを稼ぐことはできなかった。

パ・リーグ3連覇を目指すことはもちろん、ソフトバンクとの差を埋めるためにも投打ともに戦力の層に厚みをもたせたいところだ。

鈴木将平が左翼のレギュラー獲りへ

前述のとおり2019年は好調ともいえる成績を収めた野手陣だったが、2020年シーズンは少し様相が変わる。それは最多安打のタイトルを獲得した中堅の秋山が、MLBへ移籍することが濃厚となっているからだ。

辻発彦監督はすでに、主に左翼を守っていた金子を中堅で起用することを明言。恐らく、競争となるだろう左翼のポジションは、ベテランの栗山や主に二塁の外崎も守ることはできるが、ここは若手選手を抜擢し育てていきたいところだ。

それを踏まえて期待されているのが、2020年で高卒4年目を迎える鈴木将平だ。一軍デビューした2019年シーズンには16試合に出場し、プロ初安打を記録。打率.154(26打数4安打)とまだ結果を残すには至っていないが、経験を積んだことは財産になったはず。

スタメンで7試合、途中出場を含めると12試合で左翼の守備についた鈴木。これは金子、栗山に次ぐチーム3位の数字だ。2020年シーズン、一気にスタメンを奪ってもおかしくはない。

栗山も高卒4年目だった2005年シーズン、84試合に出場したことをきっかけに飛躍した。ポジションは違うが中村も同様、2005年に22本塁打と初の2ケタ本塁打を記録している。

今井達也は規定投球回到達なるか

投手陣では、鈴木と同じく高卒4年目を迎える今井達也に注目。

ルーキーイヤーは一軍未登板だったが、2年目の2018年シーズンには15試合で5勝5敗、防御率4.81とまずまずの成績を残している。2019年シーズンには135.1回を投げ、規定投球回まであと一歩に迫った。

7勝9敗、防御率4.32という数字だけを見ると少々物足りないが、高卒3年目と考えれば悪くない。とはいえ2020年シーズン秋になると、同学年で大学に進学した選手がドラフトで即戦力候補としてプロ入りする。その前に、規定投球回到達と2ケタ勝利を達成したいところだ。

松坂大輔や涌井秀章、菊池雄星などドラフト1位の高卒投手を育て上げてきた西武。今井も同じ道を歩むことができるだろうか。

※数字は2019年シーズン終了時点