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中日・大野雄大、広島・中村恭平ら 今季活躍目立つ88年世代の左腕たち

2019 7/11 11:23勝田聡
大野雄大ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

田中将大がMLBオールスターに出場

7月9日(日本時間7月10日)、MLBではオールスターゲームが行われた。日本人選手としては田中将大(ヤンキース)が出場。アメリカン・リーグの2番手として登板し、1回を無失点投球で勝利投手となった。順位争いが激しくなる後半戦へ向け、上々のマウンドだったと言えるだろう。

その田中は88年世代(1988年4月2日〜1989年4月1日)の筆頭格である。前田健太(ドジャース)や坂本勇人(巨人)、柳田悠岐(ソフトバンク)、秋山翔吾(西武)と日米に多くのスター選手がおり、まさに「黄金世代」とも呼べる豪華メンバーがそろっている。

そんな中、田中や前田が段違いの実績を残していることもあるが、世代を代表する左腕というとなかなか思い浮かぶ選手がいない。しかし、今シーズンのNPBでは88年世代の左腕が好投を続けている。

復活した大野雄大と塩見貴洋

復活を遂げたのが大野雄大(中日)と塩見貴洋(楽天)である。

大野は中日の左腕エースとして2013年から3年連続で2ケタ勝利を達成。日本代表に選ばれるほどの投球を見せていたが、その後成績は伸びず昨シーズンはまさかの未勝利。6試合で0勝3敗、防御率8.56と後がない状況だった。

しかし、今シーズンはすでに5勝をマーク。防御率3.07と安定した投球でチームを支えている。左腕エースの復活はチームにとっても大きい。右の柳裕也とともにチームを引っ張っていくことが求められる。

大野雄大、塩見貴洋の今シーズン成績

ⒸSPAIA


故障で出遅れていた塩見も好調だ。昨シーズンの勝利数を超える3勝を挙げ、防御率3.00。7試合中、5度のクオリティー・スタート(QS:6回以上自責点3以下)を達成しており、安定感がある。チームの柱は則本昂大、岸孝之といったエース級の右腕だが、辛島航とともに左腕としてローテーションを支える存在となりたい。

広島ブルペンを支えた中村恭平も

広島の中村恭平も同世代になる。今シーズンは中継ぎとして24試合に登板し、防御率は1点台をキープしている。現時点では登録抹消となっているが、故障者の多いブルペンを支えた存在であることは誰もが認めるところだ。

7月8日のヤクルト対DeNA(神宮)の試合で山田大樹(ヤクルト)が、移籍後初勝利を飾った。2017年オフに無償トレードでソフトバンクからヤクルトへと移籍した山田。昨シーズンは白星を挙げることができず、2年ぶりの白星でもあった。 山田はつくば秀英高校から2006年育成1位でソフトバンクへと入団し、4年目(2010年)のシーズン開幕前に支配下登録されると、2012年には規定投球回にも到達し8勝をマーク。「育成の星」として大きな期待を背負っていた。しかし、それ以降は戦力となれず無償トレードの形で移籍となったのである。

山田は世代を代表する左腕と言うには実績が乏しいが、遅咲きでブレイクした選手は少なくない。後半戦でも同様の投球ができるか注目が集まる。

その他にも巨人から日本ハムへ移籍した吉川光夫や松永昂大(ロッテ)も1988年生まれ世代となる。こう見ると、一時的な輝きはあったにせよ確固たる実績を残し続けている左腕はいない。逆に言うと、今後の活躍次第ではだれでも「世代最強左腕」の称号を得ることができる。

これから先、88年世代の左腕がどのような活躍を見せるか注目していきたい。

中村恭平ら4投手の今シーズン成績

ⒸSPAIA


※数字は2019年7月9日終了時点