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桜井俊貴、中川皓太らが開花の兆し 巨人の2015年ドラフト組

2019 6/12 07:00勝田聡
巨人・桜井俊貴ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

いまひとつだった2015年ドラフト組

今シーズンで4年目を迎える2015年ドラフト入団組。既に日本代表にも選ばれている今永昇太(DeNA1位)や吉田正尚(オリックス1位)は球界を代表する選手になりつつあり、多和田真三郎(西武1位)や茂木栄五郎(楽天3位)はチームの中心選手に成長した。

ところが、巨人に指名された選手は思うような結果を残せておらず、強いて言えば、ドラフト2位の重信慎之介が昨シーズンまでの3年間で159試合に出場、ドラフト7位の中川皓太が50試合に登板しているぐらいだった。

しかし今シーズン、そんな彼らが開花し始めた。

中川皓太はブルペンで最も信頼される男へ

最もブレイクしているのは、前述の中川皓太だろう。

1年目の2016年から2試合と少ないながら一軍での登板機会を得ると、2017年には18試合、2018年には30試合と徐々に出番を勝ち取っていく。だが、防御率は3年間トータルで5点台、2017年の1試合を除くと、全て中継ぎでの登板だったが勝ちパターンでの起用はなかった。

そんな中川が今シーズンはブルペンの大黒柱となっている。開幕から勝ちパターンの一角として起用されると、16試合連続無失点を記録し信頼を勝ち取った。すると、守護神のライアン・クックが登録抹消後は「ポリバレント・クローザー」として最終回を任されることも。

6月4日にスコット・マシソンが一軍に復帰してきたとはいえ、依然苦しい中継ぎ陣の中で最も頼れる存在になったと言える。

ドラ1の桜井俊貴がプロ初勝利をマーク

開幕から中川が結果を残す中、ようやく本領を発揮しだしたのがドラフト1位の桜井俊貴だ。立命館大から巨人へ入団した桜井だが、昨シーズンの一軍登板は「0」。大卒のドラフト1位としては、少し寂しい成績に終わっていた。

今シーズンは開幕一軍をつかんだものの、3・4月は7試合中3試合で失点と結果を残せず、5月2日に二軍降格。調整を経て5月17日に戻ってくると、5月23日のDeNA戦でプロ初勝利をマーク。6月6日には2016年以来、3年ぶりの先発登板で7回途中1失点と好投し、先発としての初勝利を手に入れた。

同期のドラフト1位たちから後れをとったが、十分に巻き返すチャンスはありそうだ。

その他、育成ドラフト1位で入団した増田大輝が、今シーズン初めて一軍出場を果たした。本来は内野手だが、外野でも守備につくユーティリティーぶりを発揮。打率は1割台ながら、4月19日に一軍昇格後、一度も抹消されていないことからも、重宝されていることがわかる。

ドラフト5位の山本泰寛も離脱した吉川尚輝の穴を埋める活躍を見せており、すでにキャリアハイとなる40試合に出場中だ。

昨シーズンオフに敢行した大型補強に目が行きがちの巨人だが、生え抜き組も結果を残している。これから脂が乗ってくる2015年ドラフト組。今後の活躍が楽しみだ。

新人選手選択会議ⒸSPAIA 育成選手選択会議ⒸSPAIA

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※数字は2019年6月9日終了時点