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広島が本領発揮 5戦5勝で首位巨人とゲーム差なし【セ・リーグ1週間まとめ】

2019 5/20 13:02勝田聡
広島7連勝の原動力となっているサビエル・バティスタⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

巨人:マシソンが二軍で実戦復帰

先週戦績:2勝3敗

首位をキープしたが、決していいチーム状態ではなかった。5月15日の阪神戦でエースの菅野智之が6回途中10失点、被本塁打4でノックアウトされた。菅野は今シーズン5勝を挙げてはいるものの、防御率4.36とらしからぬ数字である。昨シーズンは被本塁打14本だったが、今シーズンはすでに13本と苦しい投球が続いている。

また、原辰徳監督が澤村拓一を一軍に復帰させた。今シーズンは先発での調整を行っていたが、中継ぎとしての一軍昇格。5月17日の中日戦では981日ぶりのセーブを記録し、復活を印象づけている。現時点で原監督はクローザーとして固定することは考えていないようだが、好投を続ければ澤村がそのポジションに収まる可能性は十分にある。

そして、二軍ではスコット・マシソンが実戦登板を重ねている。すでに150キロを超える球を投じており、状態は悪くなさそうだ。実績のあるマシソンが復帰すれば課題のブルペンも強化されることになる。

広島:先々週から7連勝で首位に肉薄

先週戦績:5勝0敗

広島がヤクルト、阪神に5連勝。前の週から合わせて7連勝と勢いに乗っている。これで首位巨人とゲーム差なしの2位となり、4月の出遅れを完全に取り戻した格好だ。なかでも5月15日のヤクルト戦では8回、9回で5点を挙げ、同点に追いつくと、延長10回に鈴木誠也のホームランでサヨナラ勝ち。驚異の粘りを見せた。

野手陣ではサビエル・バティスタが好調だ。4月下旬から3番に固定されたことで成績も良化。後ろが鈴木ということもあり、相手投手は勝負を避けることができない。その効果なのか、阪神との3連戦では打率.538(13打数7安打)、1本塁打、4打点と大暴れ。チームの連勝に大きく貢献している。

ヤクルト:5連敗で貯金が0と正念場

先週戦績:0勝5敗

ヤクルトは先週、一つも勝てず5連敗。先発投手陣が踏ん張れていないのが大きな要因だ。この週にQS(6回自責3以下)を達成した投手は1人もおらず、試合を作れていない。投手陣の改善が連敗を止める鍵となる。

そんなヤクルトだが、明るい話題もあった。5月17日のDeNA戦で青木宣親が史上292人目となるNPB通算100号本塁打を達成。MLBでは33本塁打を放っており、日米通算では133本目の本塁打となった。

また、坂口智隆、ウラディミール・バレンティンの主力2人が戻ってきた。両選手ともに復帰後初安打が生まれており、バレンティンには本塁打も飛び出している。打線はフルメンバーが揃いつつあるだけに、投手陣の奮起が待たれるところだ。

阪神:原口文仁が二軍でフル出場

先週戦績:2勝3敗

苦手としていた巨人相手に2連勝したが、週の後半で広島に3連敗。首位争いに加わることはできなかった。そのなかでジェフリー・マルテが状態を上げてきた。この週は打率.357(14打数5安打)、1本塁打、3打点。14日~17日にかけては、3試合連続で打点を挙げている。

一方で5月18日の広島戦において、主軸の糸井嘉男が試合中にスライディングキャッチを試みた際にフェンスへ激突し膝を強打。途中交代しており、これが心配な点だ。打撲と診断されており、翌日の試合にも出場したが4打数ノーヒットに終わっている。

二軍では明るい話題があった。大腸がんからの復帰を目指している原口文仁が初めてフル出場。4打数1安打と結果も残し、一軍復帰へ一歩前進した。また藤浪晋太郎も約2か月ぶりに登板。1回を投げ左打者3人に無安打投球と悪くない内容だった。

中日:平田良介が肉離れで戦線離脱

先週戦績:2勝3敗

この週の中日は2勝3敗と借金が一つ増えてしまった。そんなチームに大きな衝撃が走った。主軸の平田良介が肉離れにより戦線離脱となってしまったのだ。攻守に渡り、チームを引っ張る存在だっただけにその影響は大きい。

一方明るい話題もある。2018年ドラフト3位の勝野昌慶が初登板で6回3失点と好投。白星とはならなかったが、翌日に登録を抹消されなかったことからも分かる通り、ローテーション投手としてしばらくは起用される見込み。

また、5月19日には高卒2年目の清水達也が2勝目をマーク。さらには、二軍で調整中の松坂大輔が打撃投手を務め、復帰へ一歩前進した。先発ローテーションは苦しいだけに回復が待たれる。

DeNA:東克樹、濵口遥大が復活の勝利

先週戦績:4勝1敗

先週のDeNAは東克樹、濵口遥大と2人の左腕が白星を挙げて復活。エースの今永昇太を加え先発左腕トリオはリーグ屈指。現時点で最下位ではあるが、巻き返しも十分に可能なチーム状態となってきた。

5月16日の中日戦でホセ・ロペスが一塁手としての連続守備機会無失策のプロ野球記録を51年ぶりに更新。今シーズン、打撃面ではやや不調だが守備は健在だ。

また、ドラフト1位の上茶谷大河が5月18日のヤクルト戦でプロ初勝利をマークした。チームは最下位と苦しんでいるだけに、新しい風として活力を与えたい。

※数字は2019年5月19日終了時点