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巨人・菅野智之は復調なるか セ・リーグ開幕投手たちのこれまでの成績

2019 5/1 11:00勝田聡
菅野智之,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

菅野智之がまさかの低調

2019年のペナントレースが始まって1か月ほどが過ぎた。セ・リーグは巨人が首位に立ち、そこにヤクルト、中日が続いている。昨シーズンまでのような広島の独走感はなく、いつになく混戦模様だ。混戦となりそうなシーズンを抜け出すために重要なポイントの一つが、先発投手、なかでもエースの投球だ。勝てばチームが勢いに乗り、負けると苦しくなる。

そんなエースが任されることの多い開幕投手たちは、ここまでどのような投球をしてきたのだろうか。セ・リーグの開幕投手6人を振り返ってみたい。

巨人、そして球界を代表するエースでもある菅野智之が思いのほか、苦しんでいる。ここまでの5試合で3勝2敗、防御率3.82は菅野にしては物足りない。ここまで全試合で本塁打を浴びており、昨シーズン14本だった被本塁打はすでに8本。4月25日のヤクルト戦では青木宣親、山田哲人、ウラディミール・バレンティンに3者連続となる本塁打も浴びているのは心配だ。

昨シーズンも序盤戦で苦しんだが、最終的には沢村賞を受賞するほどの結果を残した菅野。今年も同様に巻き返すことができるか注目される。

今永昇太、大瀬良大地がエースのパフォーマンス

セ・リーグ6人の開幕投手の中では、今永昇太(DeNA)と大瀬良大地(広島)の2人が好調だ。

特に、今永は昨シーズンの不振がうそのような好投を見せている。5試合の先発全てでクオリティー・スタート(QS/6イニング以上を投げ3失点以下に抑えること)を達成しており、これはリーグトップの数字だ。

また、WHIP(1回あたりに何人の走者を出すかを表す指標)は0.79とこちらもリーグトップで、試合を作るだけでなく、走者を許さず危なげない投球を続けていることがわかる。2勝1敗と貯金は一つだが、エースの投球をしっかりと見せていると言っていい。

大瀬良は開幕戦で巨人相手に8回無失点で初勝利。オフにFAで広島から巨人へと移籍した丸佳浩を4打席連続三振に仕留めるなど、まさに完ぺきな内容だった。

その後の2試合は7回3失点、6回4失点と大瀬良にしては打ち込まれ連敗を喫したが、4月25日の中日戦では今シーズン初完封勝利をあげ、防御率も1点台をマークしている。4連覇へ向け好発進といったところだろう。

小川泰弘は苦しい投球が続く

一方で苦しんでいるのが小川泰弘(ヤクルト)だ。ここまで、セ・リーグの開幕投手の中で、唯一勝ち星がない。開幕戦の阪神戦で7回1失点(自責0)と好投を見せたものの、4月5日の中日戦、4月12日の巨人戦では2試合連続で5回6失点と打ち込まれた。

しかし、その後は2試合連続でQSを達成。とくに4月27日の広島戦では8回1失点と立ち直っている。昨シーズンのオフからフォームを変化させており、馴染むまでに時間を要しているようだ。まずは1勝目をつかみ取りたい。

ランディ・メッセンジャー(阪神)と笠原祥太郎(中日)の2人は登録を抹消されている。メッセンジャーは試合中のアクシデントだが、笠原は不整脈の疑いだと報道されている。選手生命に関わる可能性もあるだけに、まずは治療に専念して元気な姿に戻ることが大事となってくる。

まだペナントレースは始まったばかりだが、6人の開幕投手たちには早くも明暗が分かれている。だが、5月以降、混戦となっているセ・リーグを抜け出すためにも彼らの力は必要不可欠である。

「これぞエース」といった投球を見せることができるか。今後の開幕投手たちの投球に注目だ。

開幕投手の成績

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※数字は2019年4月30日終了時点