才木浩人が今季初勝利
2016年ドラフトで中位・下位指名だった選手から、チームの柱となりつつある投手が現れた。
4月24日に行われたDeNA対阪神の試合。才木浩人(阪神)が6回途中1失点で、今シーズン初登板初勝利をマークした。開幕から下位に低迷し、ランディ・メッセンジャー、オネルキ・ガルシアの2人がローテーションから離脱。先発投手が手薄になりつつあるなかで、この好投はチームにとって大きい。ゴールデンウィーク直前の、明るい話題となった。
2016年のドラフト3位で、須磨翔風高校から阪神へ入団した才木。昨シーズンは22試合(内、先発14試合)に登板し、6勝(10敗)をマーク。次代の先発ローテーション投手として、大きな期待をかけられていた投手でもある。前日に同じく今シーズン初白星をマークした青柳晃洋とともに、上位浮上の鍵となりそうだ。
高梨雄平、梅野雄吾、山本由伸らがすでにブレイク
2016年ドラフトでは、田中正義(創価大→ソフトバンク1位)や佐々木千隼(桜美林大→ロッテ1位)といった大学生の即戦力候補と、藤平尚真(横浜高校→楽天1位)、寺島成輝(履正社高校→ヤクルト1位)、今井達也(作新学院高校→西武1位)、堀瑞輝(広島新庄高校→日本ハム1位)、高橋昂也(花咲徳栄高校→広島2位)ら甲子園を沸かせた投手たちに多くの注目が集まっていた。
ところが、これまでの結果を見ても、上記の中で話題になるほどの結果を残している選手は不在。確かに今シーズン、今井は開幕ローテーションに入り、堀も中継ぎで頑張っている。しかし、実績があるわけではない。
それよりも、高梨雄平(JX-ENEOS→楽天9位)、山本由伸(都城高校→オリックス4位)、梅野雄吾(九産大九産高校→ヤクルト3位)、笠原祥太郎(新潟医療福祉大学→中日4位)らが、昨シーズンまでにブレイクしてしまっている。また、アドゥワ誠(松山聖陵高校→広島5位)や森原康平(新日鐵住金広畑→楽天5位)も結果を残している。
昨シーズンまでに、これだけ多くの下位指名選手が結果を残している。そして更に、今シーズンも戦力候補といえる選手たちが存在しているのだ。
ブレイク候補の種市篤暉、床田寛樹
高卒組では種市篤暉(八戸工大一高→ロッテ6位)がその1人。昨シーズンは先発として起用されたが未勝利に終わり、今シーズンは中継ぎとして開幕を迎えた。
すると、ここまで8試合で2ホールド、防御率1.38と安定した投球を見せている。複数イニングを投げることも珍しくなく、1回を超えて投げたのはこれまでに4度。昨シーズンの先発経験と若さで、井口資仁監督の起用に応えている。種市は150キロを超えるストレートとフォークが武器。スライダーも投じるが、その割合は多くない。
将来的な起用法は定かではないが、先発・中継ぎどちらにも対応できそうな持ち球ではある。果たして、オリックスの山本のようにセットアッパーから先発へ転向するのか、それともヤクルトの梅野のように中継ぎで勝負していくのか、注目の存在だ。
榊原翼(浦和学院高校→オリックス育成2位)もブレイク候補。昨シーズンは開幕前に支配下登録されるも、白星を挙げることができなかった。しかし、今シーズンは開幕ローテーション入りを果たし、3試合目でプロ初勝利。ここまで4試合で1勝1敗、防御率2.66は立派な数字。同期の山本とともにローテーションを守っている。
大卒組の床田寛樹(中部学院大→広島3位)もブレイク候補だ。トミー・ジョン手術を受け、昨シーズンの一軍登板は0と苦しんだ。しかし、今シーズンは開幕ローテーションに入ると、3勝1敗、防御率2.30とチーム最多勝。開幕から少し躓いたチームの中で奮闘している。
2016年ドラフト中位・下位指名組。当時の評価こそ上位指名選手に及ばなかったとはいえ、今、多くの選手が羽ばたこうとしている。また、現時点で結果を残していない選手たちもこれから先、飛躍する可能性が大いにある。長いプロ野球人生、本当の答え合わせは10年以上先となるだろう。
※数字は2019年4月26日終了時点