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ソフトB森唯斗、美間優槻、オリックス杉本裕太郎ら徳島県の高校出身者たちが活躍

2019 4/26 07:00勝田聡
森唯斗,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

鳴門渦潮高校出身の美間優槻がプロ初本塁打

プロ野球が開幕して1か月ほどが過ぎた。昨シーズンのリーグ優勝チーム、広島、西武がそろって出遅れ、4位に低迷している(4月24日終了時点)。

一方で昨シーズン、リーグ2位ながら日本一となったソフトバンクは、現在2位と出足は悪くない。柳田悠岐、中村晃、ユリスベル・グラシアルといった外野陣が離脱。岩嵜翔、デニス・サファテ、アリエル・ミランダ、リック・バンデンハークと中継ぎ・先発の核となる投手たちも一軍には不在である。それでも2位はさすがといったところか。

このような状況で、ソフトバンクは若手が頑張っている。昨シーズン途中に広島からトレードでやってきた美間優槻もその一人。4月21日の西武戦で、途中出場後に回ってきた打席でプロ初本塁打。徳島県の鳴門渦潮高校から2012年ドラフト5位で広島に入団した若武者が勢いそのままに、新天地で開眼することができるか。

今シーズンは、この美間と同じく徳島県の高校出身者がここまで存在感を放っている。

投手では海部高校出身の森唯斗が圧巻

投手ではソフトバンクの守護神である森唯斗(ソフトバンク)が徳島県の海部高校出身である。森は同校卒業後に三菱自動車倉敷オーシャンズを経て、2013年ドラフト2位でソフトバンクへ入団。初年度から58試合に登板し20ホールドをマークする活躍を見せた。

昨シーズンはサファテの離脱で序盤から抑えを任され、最多セーブのタイトルを獲得。今シーズンも引き続き抑えとして起用されている。ここまで12試合で7セーブ、防御率1.50とほぼ完璧なピッチングでチームの勝ちパターンを支えている。

その他には、森とチームメイトの板東湧悟が鳴門高校出身であり、中日の木下雄介が生光学園高校出身だ。両投手ともに今シーズンの一軍登板はないが、同郷の先輩たちに続いていくことが期待される。

「ラオウ」こと杉本裕太郎は徳島商業高校出身

徳島県の名門高校といえば池田高校だろう。「やまびこ打線」を武器とし、甲子園では3度(春2回、夏1回)の優勝を誇っている。しかし、水野雄仁(元・巨人)や畠山準(元・南海)といったプロ野球選手を輩出しているが、意外にも現役選手は不在である。

野手では、鳴門第一高校(現・鳴門渦潮高校)出身の藤田一也(楽天)が結果を残している。現在36歳のベテランだが、遊撃手としてのスタメン出場を含む12試合に出場。打率.364(22打数8安打)と打撃も好調だ。

藤田は二塁が本職であり、これまでに3度のゴールデングラブ賞、2度のベストナインを受賞している。しかし、今シーズンは絶対的な二塁手として浅村栄斗がFAで加入。遊撃をメインとし三塁、二塁と複数のポジションで出場。献身的な働きでチームを支えている。

同じく野手では「ラオウ」こと杉本裕太郎(オリックス)も徳島県出身である。徳島商業高校から青山学院大学へと進学。JR西日本を経て2015年ドラフト10位でオリックスに入団した。4年目となる今シーズンは打率.167(24打数4安打)ながら3本塁打と一発が魅力の存在である。4月13日の西武戦では4番で出場すると、プロ入り後初となる1試合2本塁打を記録している。

そして、一軍デビューを果たしたばかりの増田大輝(巨人)も徳島県の小松島高校出身。先日のヤクルト戦でプロ初安打を放ち、守備では随所に好プレーを見せている。藤田や杉本、美間といった先輩たちに続いていきたいところだ。

鳴門工業高校(現・鳴門渦潮高校)出身の中田祥多(西武)は、現時点で今シーズンの一軍出場はない。二軍で実績を残し、2015年以来の一軍出場を目指す。

近年では大阪桐蔭高校を中心とした大阪府、あるいは横浜高校や東海大相模高校など、神奈川県の高校出身者が注目を浴びがちだ。だが、このように、各都道府県の高校出身者たちを追いかけてみるとおもしろい発見があるかもしれない。

※数字は2019年4月24日終了時点