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楽天・松井裕樹、DeNA・今永昇太らが好スタート 今季復活を期す投手たち

2019 4/19 07:00勝田聡
松井裕樹,ⒸYoshihiro KOIKE
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ⒸYoshihiro KOIKE

松井裕樹が復活し、チームも上位争い

プロ野球開幕から半月以上が経過したが、現時点でスタートダッシュに成功したと言えるチームはない。セ・リーグは、3連覇中の広島が5カード連続負け越しと苦しいスタート。これは球団史上初のことでもあり、チームを立て直すことが急務となっている。昨年のパ・リーグ王者である西武は5カード終了時点で7勝7敗の五分。まずまずのスタートを切ったと言っていいだろう。

選手個人に目を向けると、菅野智之(巨人)や勝ち星はないが千賀滉大(ソフトバンク)といった主力投手が例年通り結果を残している。その一方で、昨シーズンは不甲斐ない成績に終わったものの今シーズンは開幕から好調をキープし、主力としての計算が立ちそうな投手たちがいる。

楽天の松井裕樹は、昨シーズン開幕から調子が上がらず救援失敗が続いた。松井の不調に呼応するようにチームも開幕から躓き、最下位に沈んでしまった。配置転換や二軍での調整も行うなど苦しいシーズンを送った松井は、年間を通じて53試合に登板するも5勝8敗5セーブ、11ホールド、防御率3.65と、2年目以降ではキャリア最低の数字に終わった。

復活を期して臨んだ今シーズンは、開幕から11試合に登板し失点2(自責1)と好調。K/9(1試合でどれだけ三振を奪うかを表す指標)は15.75と抜群の成績で、本来の姿を取り戻している。

シーズンは始まったばかりだが、完全復活を印象づける投球内容に違いない。この成績に連動するように、チームも4月17日終了時点で10勝5敗1分と単独首位に立っている。2年ぶりのクライマックスシリーズ進出を目指すにあたり、松井の復活は大きい。2枚看板だった則本昂大と岸孝之が離脱するなか、守護神としてチームを引っ張っていく。

今永昇太、濵口遥大がともに復活間近?

松井と同じリリーバーでは戸根千明(巨人)も好調だ。2015、2016年と2年連続40試合以上に登板したが、2017年は6試合、昨シーズンに至ってはプロ入り後初めて一軍登板がなかった。しかし開幕一軍入りを果たした今シーズン、現時点で5試合に登板し自責点0(失点は1)と好投。勝ちパターンとまではいかないが、貴重な中継ぎ左腕として戦力になっている。

先発投手に目を移すと、DeNAの今永昇太と濵口遥大がともに好投を見せている。開幕投手に抜擢された今永は3試合で2勝1敗、防御率1.13。WHIP(1回にどれだけの走者を出すかを表す指標)は0.58とリーグトップの数字。また、4月12日の広島戦では2年ぶりとなる完封勝利もマークしており、文句のつけようがない。

昨シーズンは4勝11敗、防御率6.80と苦しい1年だった今永だが、オフシーズンに派遣されたオーストラリアのウインターリーグでは好投を見せていた。調子を取り戻したのか、今シーズンもここまでは抜群の成績を残している。

濱口も今永同様、昨シーズンは期待されながら4勝5敗と結果を残すことができなかった。しかし、ここまでの3試合でリーグ4位となる防御率1.71を記録し、今永とともにチームを支えている。

このように昨シーズンは結果を残せなかった投手たちが、今シーズンは次々に復活を果たそうとしている。戦力を整えるためにはドラフトや新外国人選手の補強も大事だが、低迷していた選手の復活も欠かせない。そういった選手たちが多ければ多いほど、チームの順位も上がっていくだろう。

だが、2019年シーズンはまだ始まったばかり。彼らは年間を通じて結果を残し、ほんとうの意味で復活することができるだろうか。

※数字は2019年4月17日終了時点