松井裕樹が復活し、チームも上位争い
プロ野球開幕から半月以上が経過したが、現時点でスタートダッシュに成功したと言えるチームはない。セ・リーグは、3連覇中の広島が5カード連続負け越しと苦しいスタート。これは球団史上初のことでもあり、チームを立て直すことが急務となっている。昨年のパ・リーグ王者である西武は5カード終了時点で7勝7敗の五分。まずまずのスタートを切ったと言っていいだろう。
選手個人に目を向けると、菅野智之(巨人)や勝ち星はないが千賀滉大(ソフトバンク)といった主力投手が例年通り結果を残している。その一方で、昨シーズンは不甲斐ない成績に終わったものの今シーズンは開幕から好調をキープし、主力としての計算が立ちそうな投手たちがいる。
楽天の松井裕樹は、昨シーズン開幕から調子が上がらず救援失敗が続いた。松井の不調に呼応するようにチームも開幕から躓き、最下位に沈んでしまった。配置転換や二軍での調整も行うなど苦しいシーズンを送った松井は、年間を通じて53試合に登板するも5勝8敗5セーブ、11ホールド、防御率3.65と、2年目以降ではキャリア最低の数字に終わった。
復活を期して臨んだ今シーズンは、開幕から11試合に登板し失点2(自責1)と好調。K/9(1試合でどれだけ三振を奪うかを表す指標)は15.75と抜群の成績で、本来の姿を取り戻している。
シーズンは始まったばかりだが、完全復活を印象づける投球内容に違いない。この成績に連動するように、チームも4月17日終了時点で10勝5敗1分と単独首位に立っている。2年ぶりのクライマックスシリーズ進出を目指すにあたり、松井の復活は大きい。2枚看板だった則本昂大と岸孝之が離脱するなか、守護神としてチームを引っ張っていく。