1試合2発の杉本はドラフト10位
オリックスが苦しんでいる。開幕カードとなった日本ハムとの3連戦で2敗1分。続くソフトバンクとの3連戦も同じく2敗1分。開幕から6試合白星がなかったが、ようやく4月5日の楽天戦で初勝利をマークした。
ただ、楽天との3連戦こそ勝ち越したが波に乗ることはできず、翌週は5試合で2勝3敗と再び負け越してしまった。
そんな中、希望の光となりそうなのが、ドラフト下位指名ながら主力選手へと成長しつつある選手たちだ。
そのひとりが杉本裕太郎である。2015年ドラフト10位でJR西日本からオリックスへと入団。今シーズンがプロ4年目となる。4年目と聞くと若手かと思ってしまうが、大卒社会人出身のためすでに28歳と年齢的には中堅の域に達している。
また、昨シーズンまでは17試合の出場で打率.156、3本塁打、10打点。2試合連続満塁本塁打を放ったことで話題となったが、シーズンを通して結果を残したことはない。
今シーズンは開幕こそ二軍スタートだったが、4月11日に一軍へ昇格。翌12日にはスタメン出場を果たすと、13日には4番に抜てきされた。その試合で自身初となる1試合2本塁打を記録し勝利に貢献している。
翌14日の試合では4打席連続三振と粗い面を露呈してしまったが、その長打力は魅力的。身長190センチの高身長はチームの先輩にもあたる高橋智をほうふつとさせ、実戦経験を積みながら主力選手への階段を上ることが期待されている。
ドラ6の西浦、ドラ8の澤田、育成の榊原も
今シーズン、高卒2年目ながら開幕スタメンに抜てきされた西浦颯大もそうだ。2017年ドラフト6位で明徳義塾高校からオリックスへと入団。昨シーズンは2試合の出場に終わったが、今シーズンはオープン戦からスタメンで起用され続けている。
そのオープン戦では打率.161(56打数9安打)にもかかわらず、スタメン起用が続いているのは期待の表れだろう。シーズンに入って、打率.241(54打数13安打)と高卒2年目にしては上々の数字を残しており、守備でも好プレーを見せている。清宮幸太郎(日本ハム)や村上宗隆(ヤクルト)と同世代のホープとなりそうだ。
投手に目を向けると、2016年ドラフト8位の澤田圭佑がいる。今シーズンは勝ちパターンとして起用され、7試合で6ホールドを記録。失点したのはわずかに1試合となっており、安定感は抜群だ。
大阪桐蔭高校時代は藤浪晋太郎(現・阪神)の控え投手だったが、今シーズンに限って言えば立場は逆転したと言っていいだろう。この調子を続け、シーズンを通して結果を残したい。
2016年育成ドラフト2位の榊原翼も頑張っている。昨シーズン開幕前に支配下登録されると、5試合に登板し未勝利ながら18回で防御率3.50とまずまずの成績を残した。今シーズンは開幕ローテーションに入り、2試合に登板。4月7日の登板では6回1失点と試合を作っている。この内容を続けていれば、プロ初勝利も時間の問題だろう。
このようにオリックスは投手・野手ともに、ここ数年のドラフト下位指名選手たちが結果を残しつつある。彼らがドラフト時の評価を覆す活躍を見せることで、チームを上位に引っ張り上げていくことができるだろうか。2014年以来のクライマックスシリーズ進出へ向け、さらなる飛躍に期待したい。
※数字は2019年4月14日終了時点