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西武・山川穂高らが打率1割台、井上晴哉は二軍落ち…復調待たれるパの「4番打者」

2019 4/16 11:00青木スラッガー
山川穂高,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

開幕から不振が続くパ・リーグ球団の「4番打者」

開幕から両リーグで一発攻勢が目立つ今季のプロ野球。2番打者のロッテ・加藤翔平や、ソフトバンク・今宮健太が本塁打を量産し、阪神・梅野隆太郎が捕手として史上4度目のサイクル安打を達成するなど、伏兵的選手の好調ぶりも目を引く。

一方で、あまり元気がないのがパ・リーグ球団の「4番打者」だ。本来なら打線の核でありチームの顔となる存在だが、不振にあえぐ打者が続出している。

パを代表する4番といえば、昨季は47本塁打を放ってホームランキングに立った山川穂高。今季も開幕戦で満塁本塁打を放つ順調なスタートを切った。その後も一発は継続的に出て、ここまで6本塁打を記録している。しかし開幕から5カードを消化した4月14日終了時点で打率.189と確実性に欠け、まだ本調子には遠い。

3年連続の日本一を狙うソフトバンクは、全試合4番スタメンのデスパイネが打率.179、1本塁打、5打点にとどまる。その不振もチームが好調な中ではあまり目立たないが、柳田悠岐、グラシアルと開幕時の3番・5番打者が相次いで故障離脱。打線に不安が出てきており、主砲の復調がなければチーム状態は怪しくなっていくだろう。

日本ハムで長らく不動の4番を張ってきた中田翔も不振だ。ここまで打率.204、2本塁打、11打点。チームトップの打点を稼いではいるが、得点圏打率.250とチャンスでの打撃はらしくない姿。9日からのソフトバンクとのカードでは3連戦を通じてノーヒットに封じ込まれ、打線のブレーキとなってしまった。

上に挙げた打者たちは調子が上がらない中でも開幕から4番出場を続け、各チームの指揮官は復調に懸けている。ほか3チームの4番打者はどうだろうか。

4番として最も活躍しているのは本来1・3番タイプの島内

最下位のロッテは開幕4番の井上晴哉が7試合でノーアーチ、打率.043と深刻な不振に陥り、現在は二軍調整中。オープン戦でも打率.125の本塁打ゼロと、開幕前から状態は良くなかった。現在は角中勝也が代役として4番に入り、4番出場時に3本塁打と奮闘しているが、昨季24本塁打を放った大砲の復活は上位巻き返しに欠かせない。

オリックスも4番打者が定まらない。開幕4番は昨季に引き続き吉田正尚。しかし不調で8試合目から4番を外れ、ここまで打率.167、1本塁打、3打点。変わって4番に入った新外国人のメネセスも打率.179、1本塁打、5打点。T-岡田やマレーロといったほかの長距離砲も当たっておらず、チーム全体で本塁打5本と長打力不足に陥っている。11試合目ではロメロが二軍から昇格していきなり4番に入り、主砲を模索しながら戦う状況だ。

4番打者として最も良い数字を残しているのが、意外なことに本来は1番や3番を打つはずの楽天・島内宏明。ここまでリーグ8位の打率.302をマークしている。本塁打ゼロ、6打点は物足りなく映るものの、3番浅村と5番ウィーラーの間で、つなぎの4番としての役割を果たしている。

もっとも、30本塁打を狙えるタイプではない島内が4番に入ったのは、主砲候補として獲得された新外国人・ブラッシュの不調が要因。ブラッシュが日本の野球に適応し、4番を打てるだけの打撃を見せてくれることが、今後のチームにとっては最良となりそうだ。

ここまで見てきた打者で打率.250以上は島内のみ。チャンスで主砲の凡退が続くと、チームの勢いもなかなか生まれてこない。逆にチャンスで打てば、俄然チームが乗っていくのが4番である。まだまだパ・リーグ順位に大きなゲーム差はできていない。その中で、4番打者の復調は序盤戦のポイントとなるのではないだろうか。

※成績は4月14日終了時点